あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.247 大学教員

インタビュー
インタビュー
「“?”を究める」 学生に教えながら、
自分の専門分野について最先端の研究を追求する「大学教員」。

正解が用意された問題を解くのではなく、何が問題なのかを「見抜く力」が大切な仕事です。
主人公は、京都大学の「助教」として、この春から働き始めた東樹宏和(とうじゅ・ひろかず)さん、29歳です。ツバキを食べるゾウムシを研究材料に、行動や形態がどの様に進化してきたかを調べています。
忙しい研究の合間をぬっては屋久島に出かけ、データを収集。研究結果を論文にまとめあげています。論文は、海外の科学雑誌になどに投稿、掲載されると研究者としての実績となります。しかし、論理の甘さやデータ不足を指摘され、掲載まで数年かかる事もしばしばです。
今、東樹さんは新しい研究に着手しようとしています。地球温暖化解決の手がかりになるかも知れないという、壮大なテーマです。国に予算が認められれば、4年にわたるプロジェクトが動き出します。
若き研究者の挑戦に密着します。

“好奇心”と“情熱”が原動力

■大学教員とは? ■大学教員になるには?■ 収入・待遇は? ■ 仕事の味

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 学生に講義を行いながら、自分の専門分野での研究も進めます。専門分野の講義の他に、実験や実習などの指導や論文作成の指導も行います。
 また研究を「論文」にまとめて、学会などで発表する事もあります。 ◇全国の状況・今の状況  大学教員の数は、全国で約17万2千人(国立6万1千人、公立1万2千人、私立9万8千人「平成21年度文部科学省調査」)
 昨今は、博士号を取得しても就職口が見つからず、いわゆる「ポスドク(博士研究員)」として、大学の研究室に残り、業績を積みながら採用を待つケースが増えています。
 若手の研究者にも、就職の機会を増やす試みも国などが始めています。実際に大学で試用期間として5年間働き、「研究」「教育」で一定の成果を出せば、「准教授」などとして終身雇用される制度です(テニュアトラック(終身雇用)制度)。 ◇どんな人が向いているの?  大学教員としての評価は、研究業績が重要視されます。そのため、まずは学問が好きで、生涯にわたって学問・研究を継続できる強い「情熱」を持っている事が第一です。
 さらに自分の専門分野だけに留まらない「知的好奇心」、「論理的な思考力」も必要な能力です。

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■大学教員になるには? ■大学教員とは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすれば大学教員に?  大学教員になるには、小中高校のような国家資格はありません。一般的には、大学を卒業した後、大学院に進学して「博士号」を取得。「助教」として、大学に採用される場合が多いようです。
 なかには、「博士号」を取得していなくても、仕事の専門性が認められ、実業界など異分野から、大学教員になるケースもあります。 ◇ステップアップの道すじ  研究の実績を積み、国際雑誌への論文掲載などが増えてくると、業績の評価が上がります。「助教」から、「講師」、「准教授」、「教授」などへとステップアップしていきます。

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■ 収入・待遇は? ■大学教員とは?■大学教員になるには?■ 仕事の味

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◇収入  採用条件や年齢などによって様々。東樹さんの大学(国立)の場合、「助教」で約29万円。50歳以上の大学教授になると、約73万円です。 ◇大学教員のある一日

◆ 東樹さんの一日(6月)
ある一日

◇生活サイクルと休日  大学教員は、専門分野の研究を行うため、担当する講義の時間は小中高校の教員よりも少なく、週6〜9時間程度が多いようです。
 夏休みなどの長期休暇中は、海外の学会への参加や、学生をともなったゼミ合宿などを行うこともあります。

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■ 仕事の味 ■大学教員とは?■大学教員になるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  世界中の研究者と協力したり、競争したりするなかで、自分自身の可能性を切り拓いていく楽しみがあります。また、「知」のフロンティアに挑戦していく興奮を、学生や仲間たちと共有できるのもこの職業の魅力のひとつです。
 学問の最新の動向や社会との関わりを意識しながら、人生をかけて追求すべきものを見出していくことができます。 ◇苦さ  近年の傾向として、「任期付きの雇用」という採用条件の大学が増えています。若手研究者をとりまく就職環境は極めて厳しく、生活面での不安がつきまとうのが現状です。
 またキャリアが進むにつれて、会議や事務処理に忙殺され、十分な研究時間がとれなくなることもあるようです。

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NHK日本放送協会