あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.242 診療所勤務医

インタビュー
インタビュー
「この町の主治医になりたい」 山間地など、医師の少ない地域で住民の治療にあたる「診療所勤務医」。
そのなり手不足は深刻です。

栃木県佐野市の緑豊かな山あいの診療所に勤める橋村和樹さん(29歳)は、東京の大学医学部を卒業後、「どんな相談にも乗れる医師になりたい」とこの地に赴任しました。
内科や外科、目の診断、皮膚のかぶれなど、あらゆる症状に対応。専門的な言葉は使わず、患者に分かりやすい治療を心掛けています。赴任して1年、診療所に容易に来られない人々の健康もしっかり担いたいと、患者の自宅をまわる「往診」にも力を注ぐようになりました。
患者や家族、生活環境などを知り、1人1人に合った治療を行いたい。その思いは届くのでしょうか?橋村さんの奮闘を追います。

何でも相談してください!あなたの健康、守ります!

■診療所勤務医とは? ■診療所勤務医になるには?■ 収入・待遇は? ■ 仕事の味

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◇全国の状況・今の状況  ベッド数19以下の診療所は全国に99,579施設あります。(厚生労働省 平成22年2月末)
 そのうち橋村さんが働いている診療所のように、山間地や離島など、半径4キロ以内に他に医療機関がない診療所(へき地診療所)は、全国に1,063か所あります。(厚生労働省:平成20年3月)
 このような診療所は、あらゆる症状の患者が訪ねてくるため、内科や外科、眼科など幅広く対応できる知識が求められます。

 しかし、高度な技術や専門的な知識が必要とされる場合は、専門医を紹介するなど、他の医療機関と連携して治療にあたります。
地域の住民の中には高齢や病気などで診療所に通うことのできない人がいます。その人たちのために自宅に行って、診察をする「往診」を行う診療所も多いようです。 ◇どんな人が向いているの?  橋村さんが地域医療を目指したのは、臨床研修で、伊豆諸島の新島に赴任していた時のことでした。お年寄りを家族や親せきとともに自宅で看護し治療を続けていく中、家族の一員のように受け入れられ、どんなことでも喜び合い、精神的にも支えあう関係が生まれたことに喜びややりがいを感じたといいます。

 患者や家族の意思を尊重しつつ、家族も含めたケアをするお手伝いしたい。そういう気持ちで橋村さんは地域医療に携わっています。地域の人たちに受け入れられ、頼られている橋村さんを見ると、患者やその家族と環境をも考え、向き合うことのできる人がむいているといえるかもしれません。

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■診療所勤務医になるには? ■診療所勤務医とは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすれば診療所勤務医に?  各診療所や都道府県の採用枠に応募し、職員として勤務する方法や、人材派遣会社に登録して診療所に勤める方法などがあります。
 全国22の道県では、登録した医師を病院や診療所などに派遣するドクターバンク制度を設けているところもあります。(厚生労働省 平成20年)
※医師になるには、国が認可した医学部や医科大学を卒業し、医師国家試験を受け、医師免許を取る必要があります。さらに、実際に診療できるようになるには、2年間の臨床研修をすることが義務づけられています。 ◇ステップアップの道すじ  橋村さんの場合、週に一度、市内の病院で夜間の救急患者に対応する当直勤務をしたり、胃カメラ研修をするなどして腕を磨いています。

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■ 収入・待遇は? ■診療所勤務医とは?■診療所勤務医になるには?■ 仕事の味

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◇収入  初任給は栃木県の医療職としての給料は基本給で約29万4千円です。
 このほか手当がつきます。 ◇診療所勤務医のある一日

◆ 橋村さんの一日(5月)
ある一日

◇生活サイクルと休日  火曜日は診療所の勤務を終えると、18時から市内の病院で当直にあたり、翌朝8時まで働きます。その後、別の病院で胃カメラ研修に臨みます。
 土・日、祝日は定休日。
 早朝や夜など、緊急の患者対応をすることもあります。そのため橋村さんは夜の晩酌をビール1缶までと心がけています。

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■ 仕事の味 ■診療所勤務医とは?■診療所勤務医になるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  橋村さんは、治療をした患者が元気になって喜んでくれると、自分のことのように嬉しくなるそうです。
 また、患者からありがとうと言われるとやりがいが出るそうです。
◇苦さ  小規模な診療所の勤務医の場合、どうしても最新の医療に接する機会が少なくなるのが現実です。
 腕を磨くには、橋村さんのように別の病院でいろんな患者を診察したり、研修をしたりするなどの努力が必要になります。

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NHK日本放送協会