あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.241 自動車販売会社営業

インタビュー
インタビュー
「たった1台 売るために」 不況の中、
「家の次に高い買い物」と言われる自動車に対する客の目は厳しくなっています。

そんな中、鹿児島市にある自動車販売会社の営業担当が今回の主人公。
黒岩史帆さん(22歳)は営業所最年少の3年目。担当する顧客はおよそ260軒。車のことなら何でも相談してもらえる間柄になりたいと、毎日15軒近くの顧客の訪問を欠かしません。大切なのは客との“些細な”会話です。車の不具合はもちろん、子どもの誕生・独立など、家族の節目が買い替えのきっかけとなるからです。
毎月の新車販売のノルマは2台ですが、4月は1年で最も自動車が売れない月。1日に4台売ったこともある女性の先輩から「女優になれ」と助言も受けます。果たして目標を達成出来るでしょうか?
“車のある暮らし”を提案する黒岩さんの奮闘を伝えます。

クルマのある暮らしを支える自動車販売会社営業。ノルマは苦しいけれど、1台売れた喜びは大きい。

■自動車販売会社営業とは? ■自動車販売会社営業になるには?■ 収入・待遇は? ■ 仕事の味

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◇自動車販売会社営業とは?  自動車販売員という呼び方もありますが、その場合、もっぱら店頭で販売を行っているイメージ。実際の“自動車販売会社営業”の担当者は、車を売るのはもちろん、担当する顧客の元を回り、乗っている車に不具合はないか、何か困っていることはないかたずね、『車のことなら何でも相談してもらえる』パートナーになります。
 更に定期的に受けなければならない点検や、事故に遭ってしまったときの相談、保険会社や、修理の取り次ぎなど一人一人の客に対応する仕事は多岐にわたります。

 こういった日々の付き合いを重ね、顧客が新しい車を買おうと思ったときに、営業担当者を思い出し、相談してもらえるかどうかが鍵。
 いかに車の魅力を伝え、さらにその車を買うことで、どれだけ便利になるか、どんな楽しい使い方が出来るかなど、車のあるライフスタイルをいかに提案するかが腕の見せ所と言えるでしょう。
◇全国の状況・今の状況  今は“クルマが売れない時代”です。新車の販売台数は1996年の約700万台をピークに年々減少、2009年には460万台にまで落ち込みました。背景には長引く不況で、大きな出費を伴う自動車の買い換えサイクルが伸びたことや、若者を中心に車に興味がないという人が増えたことなどがあげられます。

 全国で自動車を販売する営業担当者はおよそ10万人(2009年(社)日本自動車販売連合会調べ)。最近では環境に優しいハイブリッドカーや、低燃費車などを各メーカーは開発。さらに政府がすすめる「エコカー減税」や「エコカー補助金」(2010年9月に終了予定)など、営業担当者にとって追い風も吹きつつあります。 ◇どんな人が向いているの?  自動車を売る営業担当者たちは、クルマのことは何でも知ってる人でないとダメ!と言うわけではありません。確かに自社の車を客にアピールすることは大切ですが、日々の外回りは何より人と人との関係。黒岩さんの場合も短大で音楽を専攻、車のことは全く知らず(ボンネットの開け方も知らなかった)この世界に入りました。

 それでもこれまで続けられたのは「人と会って話しをするのが好き」だったからだそうです。身の回りの色々な情報にアンテナを張り、お客さんと「普通のおしゃべり」が出来る人が向いているでしょう。
 また最近では女性も増えています。車の購入で「奥さんの許可が下りないと」という場合、女性の視点から車を勧めることが出来るからです。

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■自動車販売会社営業になるには? ■自動車販売会社営業とは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすれば自動車販売会社営業に?  各都道府県にある、自動車販売会社に就職するのが一般的です。
 販売会社は自動車メーカーごとに分かれており、同じメーカーでも販売店の系列で取り扱う車種が違うところもあります。またトラックなど大型車専門の販売店や中古車や外国車専門の販売店などもあります。
◇ステップアップの道すじ  「客と一生のつきあいをする」ことが究極の目標のこの仕事。
 1年目は顧客のリストを先輩たちから引き継ぎ、その家を一軒ずつ訪問し、顔を覚えてもらうことがスタート。付き合いを深める中で、その子どもや親戚などを紹介してもらい、担当の範囲を広げながら営業を行います。
 そのため、販売店ごとの転勤はあまり多くはありません。また、女性営業マンの場合、子育てをしながらどうキャリアアップするかがこれからの課題です。

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■ 収入・待遇は? ■自動車販売会社営業とは?■自動車販売会社営業になるには?■ 仕事の味

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◇収入  黒岩さんが勤める会社の場合、初任給はおよそ16万円(短大卒)。
 ただし、営業成績に応じて給与には上乗せがあります。 ◇自動車販売会社営業のある一日

◆ 黒岩さんの一日(4月)
ある一日

◇生活サイクルと休日  平日は外回りを行い、土日や休日はその外回りで新しい車に興味を持った人を店に呼び、さらに詳しい話しを行います。そのため土日に休みはありません。
 黒岩さんの会社は水曜日が店の定休日。その前後に一日休みをもらうことが多いそうです。

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■ 仕事の味 ■自動車販売会社営業とは?■自動車販売会社営業になるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  黒岩さんにとって最高の瞬間は自分が売った車を客に渡す“納車”の時。
 新しい車を前に嬉しそうな表情を見ることが、ノルマのプレッシャーなどの辛さを吹き飛ばすほどの喜びだそうです。
◇苦さ  営業にはつきもののノルマ。
 黒岩さんも新車を月に2台売るというノルマが課せられ、それに向けて奮闘していました。新車販売の他にも、車検や法定点検、オイル交換などサービス関係のノルマも細かく設定されています。
 黒岩さんは取材で「月末が近づくと気が重くなる」と言っていましたが、同時に「目標があるのでそれに向けて頑張ることが出来る」とポジティブに捉えていました。また、ノルマを達成すると給料に実績給として上乗せがあり、それもモチベーションとなっています。

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NHK日本放送協会