あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.239 漫画編集者

インタビュー
インタビュー
「ヒット作への二人三脚」 いまや世界で人気のMANGA。
そのヒットの陰には漫画家と二人三脚で悪戦苦闘する漫画編集者の努力があります。
東京・千代田区の大手出版社で働く鈴木つらねさん(23)は入社2年目の新米編集者。1963年から創刊している少女コミック誌「マーガレット」を担当。作家とストーリーを練り、コマ割り、セリフも一字一句逃さずチェックします。
大切なのは読者の目線に立つこと。「自分の好き嫌いではなく、読者が面白いと思うものを作家に伝えること」。そのため、読者アンケートを確認したり、読者の気持ちとなり思わず読みたくなるようなキャッチフレーズを考えたりと、毎日深夜まで働きます。
いま、漫画編集者にとっての急務は、未来の人気作家を育てること。新人作家の漫画を雑誌に掲載するには、編集長たちを納得させる作品にしなければなりません。果たして、作品は仕上がり、雑誌掲載を勝ち取ることができるのでしょうか?新米編集者の悪戦苦闘を追います。

“ヒット作の立役者、漫画編集者。読者の「面白い」の一言のため、奮闘中!

■漫画編集者とは? ■漫画編集者になるには?■ 収入・待遇は? ■ 仕事の味

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◇漫画編集者とは?  漫画を出版する出版社の編集部や、マンガ専門の編集プロダクションに所属して、漫画家とともに面白いマンガ作品を生み出し、雑誌や単行本として仕上げるのが、漫画編集者の仕事。
 漫画雑誌の編集者は、通常1人で数本の連載漫画を担当します。

  1. 編集者は、漫画家と共に登場人物の設定や、ストーリーの構想を練ります。
  2. その後、「ネーム」と呼ばれる簡単な絵とセリフが入ったものを作家が描きあげます。それを一コマ一コマ編集者がチェックします。この段階で、ほぼストーリーが決まるため漫画制作で最も大切な作業と言われています。
  3. 続いて、絵もセリフもしっかり入った「下絵」が出来上がります。編集者はセリフの文字をチェックし、吹きだしに合う文字の大きさや配置、キャラクターやシーンにぴったりの字体を決めます。
  4. そうして最終段階の「校了」。作家がペンで描き上げた原稿を受取り、誤字脱字はないか確認し、印刷所へ回します。 鈴木さんが働く出版社では、ここまでの作業を担当編集者の責任で行います。
 雑誌の場合、ほかにも読者ページの編集や、読者プレゼントの写真撮影なども行います。

◇全国の状況・今の状況  漫画雑誌及び、単行本を制作している会社は全国におよそ130社(10年5月現在。)ただし雑誌の多くは、少数の大手出版社から発売されています。
 漫画制作プロダクションの中には、販売を大手出版社に任せたり、逆に、大手から、企画ごと委託され、制作するところもあります。

 現在は、漫画雑誌の全盛期とよばれた1980年代後半にくらべ、漫画雑誌の売上が半分以下となっています。雑誌ではなく、コミックスのみを買うといった読者が増え、携帯サイトでの電子マンガの急成長など、漫画雑誌は厳しい時代を迎えています。 ◇どんな人が向いているの?  漫画編集者は、何人もの作家と1対1で作品を作り上げていきます。何より大事なのは、信頼関係を築くコミュニケーション能力です。読者が読みたいものを作家に伝えつつ、作家の気分を盛り上げ、気持ちよく制作活動に邁進してもらう環境作りが大事です。
 作家が迷った時など、深夜になろうがトコトン話しあい、お互い納得のいく作品を作ります。夜中であろうと、休日であろうと、作家からの連絡は笑顔で、真剣に受け答える。そして、担当する作品を作家並み、いやそれ以上に愛せるかが重要です。

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■漫画編集者になるには? ■漫画編集者とは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすれば漫画編集者に?  漫画編集者になるための、免許や資格は、特にありません。しかし、大手出版社は主に四大卒が条件。倍率も非常に高くなっています。
 漫画制作のプロダクションに入り、アルバイトや契約社員から正社員になる道もあります。
◇ステップアップの道すじ  入社後、多くの新人は先輩編集者に1か月から半年、行動を共にし、仕事の「イロハ」を学びます。その後、担当作家が割り振られます。
 あとは自分の才覚で、担当の作品が連載し続けられるかということです。読者の人気投票で、下位をとり続けると、連載が打ち切られるというシビアな世界です。

 そして、重要なのは人気作家の発掘です。数多いる漫画志望者の中から将来有望な新人を見つけ、デビューを目指します。自ら見出した新人がプロになって初めて、漫画編集者として一人前と認められるそうです。

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■ 収入・待遇は? ■漫画編集者とは?■漫画編集者になるには?■ 仕事の味

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◇収入  出版社によって、まちまちです。
 今回取材させていただいた出版社では、初任給は、262300円です。 ◇漫画編集者のある一日

◆ 鈴木さんの一日(4月)
ある一日

◇生活サイクルと休日  締切りがある仕事。印刷所へ回す校了作業が近づくにつれ忙しくなります。
 基本、週末は休みますが、作家の都合で打ち合わせが入り、休み返上という場合もしばしばです。

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■ 仕事の味 ■漫画編集者とは?■漫画編集者になるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  作家と1対1で悩み、考え抜いた作品が誌面に載り、読者アンケートで「面白い!」の一言が一番をもらえることが、一番の心の支えとのことです。
◇苦さ  今回の取材での出来事がまさに、苦さの象徴です。新人漫画家とページ獲得を目指し、お互い納得の作品を作り上げたのに、結果が得られませんでした。
 もし、担当が自分ではなく他の編集者だったら、もっと違ったアドバイスをし、より作品を面白くでき、掲載ページ獲得ができたのではないかというマイナスの考えがよぎるそうです。
 鈴木さんはそんなときこそ、漫画家と徹底的に話し合い、新しい作品を考え、次のチャンスに備えています。

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NHK日本放送協会