あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.209 すし職人

インタビュー
インタビュー
「真心で握れ」 世界中で愛される日本料理、握りずし。
江戸時代からの伝統を受け継ぐのがすし職人です。手際よく握る動きや、お客に出す絶妙な間合いは、まさに「魅せる職人」。一人前になるには長い修行が必要です。出前・まかないや魚のおろし、下処理。お客への細やかな心遣いも欠かせません。
今回は、静岡県焼津市のすし職人・小谷朋之さん(28歳)が主人公。働き始めて7年目、やっとカウンターに立ち始めたばかりの小谷さんは、うまく握ることはできるのでしょうか、そしてお客を楽しませることができるのでしょうか?
伝統の世界で「職人の心意気」を学ぶ若者に密着します。

味、技、ふるまいのすべてで”魅せる“寿司職人。カウンターの目の前のお客さんの笑顔が励みです。

■すし職人とは? ■すし職人になるには?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇すし職人とは?  寿司職人といっても、さまざまな種類の職人がいます。今回はカウンターの前のお客さんにその場で握った寿司を食べてもらう職人を紹介しました。
 その裏には地道な仕事とこだわりがあります。新鮮な魚介類を買い付け、一尾ずつ丁寧に下ごしらえます。シャリも特別にブレンドした米や酢を使い、日によって炊き加減を変えます。ひとたびカウンターに出れば仕事風景は華やか。立ち居ふるまいや握り姿が美しいだけでなく、お客さんとの接客にもさりげない心くばりが必要です。
 地道な努力に裏打ちされた“魅せる”職人、それが寿司職人です。 ◇全国の状況・今の状況  寿司屋の全国組織に加盟する職人は2万人以上います(2009年7月現在)
 しかし組合に加盟していない店も多くあるため、実際にはもっと多くの職人がいるようです。
 しかしその人数は減少しつつあると同時に、店の数も減ってきています。理由は安さが自慢の回転寿司の成長や修業する若者の減少などがあります。 ◇どんな人が向いているの?  まず何より大切なのは、誰かに料理を作ってあげるのが好きなこと。食べる人の笑顔を見たい!という思いが寿司をおいしくさせます。その気持ちがあれば、地道な修業も乗り越えていけます。
 また、積極的に仕事を覚えようとする姿勢も大切です。任された仕事を確実にこなしながらも、チャンスがあれば先輩の仕事も学ばせてもらうような前向きさが必要です。

 さらに寿司職人は道具や調理場、服装を清潔にしておかなければいけません。きれい好きである方がいいです。
 寿司職人はほとんどが男性ですが、近頃は女性の職人も増えています。

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■すし職人になるには? ■すし職人とは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすればすし職人に?  弟子を募集している寿司屋を探す必要があります。知り合いを通じて寿司屋を紹介してもらったり、求人雑誌や公共職業安定所(ハローワーク)に出された募集を探したりすればいいでしょう。

 寿司屋は場所によって営業形態も違います。カウンターだけの寿司屋もあれば、寿司だけでなく一品料理を作って出している寿司屋もあります。それぞれ学べることや環境も違うため、話を聞かせてもらうのもいいかもしれません。 ◇ステップアップの道すじ  寿司職人は、一人前になるまで10年間はかかります。その修業のひとつひとつがおいしい寿司を握るために欠かせないことです。修業の仕組みは店によって違いますが、小谷さんの店を参考にすると、

1年目:親方の魚の仕入れの手伝い・出前・卵焼き・小魚のおろし・まかない
最初はとにかく基本的なことを覚えます。卵焼きは店の看板、大切な仕事です。
魚のおろしも簡単な種類の魚から少しずつ学びます。

3年目:シャリ・さまざまな種類の魚を担当
シャリは特別にブレンドした米や酢を使います。米の状態によって炊き具合を変えねばならず経験が必要です。
魚は少しずつ種類が増え、大きくなります。
時間があるときに握りを教えてもらいます。

5〜7年目:カウンターで握る
カウンターで常連客の好みを覚えたり接客方法を学んだりします。

10年目:一人前
ひと通り何でもこなせるようになります。
独立をする人もいれば、店で職人を続ける人もいます。

 しかし、修業が終わったわけではありません。常に「さらにおいしい握り」を求めて仕込みや握りの工夫が続きます。

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■ 収入・待遇は? ■すし職人とは?■すし職人になるには?■ 仕事の味

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◇収入のめやす  最初は決して多くありません(小谷さんの寿司屋の場合20万円)。ほとんどの寿司屋が昼食と夕食付きですが、作るのは入ったばかりの新人の仕事です。
 また店によっては寮やアパートを用意している店もあります。兄弟子と共同生活を送ることで仕事を越えた人間関係を築くこともできるかもしれません。
◇すし職人のある一日

小谷さんの一日
ある一日

◇生活サイクルと休日  小谷さんの勤める寿司屋は年中無休で週末にお客さんが多いため、休日は平日に週1日ほどとります。それ以外にお盆と正月に3日ずつ休みがあります。忙しいようですが、その代わりに年に一度社員旅行があります。
 4日間職人たちでゆっくり観光。しかし旅行先でも地元の寿司屋に勉強も兼ねて食べに行くそうです。

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■ 仕事の味 ■すし職人とは?■すし職人になるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  目の前のお客さんに、握りたての寿司を食べてもらい直接感想を聞けるのは寿司職人ならではです。
 またお客さんと密接な人間関係を築けることも醍醐味です。 ◇苦さ  なんといっても下積みの長さには気が遠くなる人も多いと思います。
 寿司職人には正式な資格もないため、技術や接客は人それぞれ。だからこそ、一人前になるまでに時間もかかります。それだけ奥の深い世界であると言えます。

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NHK日本放送協会