あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.204 救命救急医

インタビュー
インタビュー
「私は あきらめない」 医療現場の最前線を支える「救命救急医」。
意識不明ないしは心肺停止状態となった緊急患者を専門とする、医学界“最後の砦”です。生命維持を最優先に動き、時にはその場で緊急オペをすることも。
主人公は、奈良県立医科大学・高度救命救急センター勤務の岩村あさみ医師(31)。日勤、当直ともにこなし、若手ながら救命スタッフの指揮を執ります。
医師として、幅広いスキルと瞬時の判断力、心身のタフネスさなど多岐にわたる総合力が必要とされ、「全ての患者を診ることのできる」救命救急医。わずかな遅れが死を招くぎりぎりの現場で、必死に命を救わんとするその姿に迫ります!

24時間、365日使う水だから。大切な仕事に責任もやりがいもひとしお。

■救命救急医とは? ■救命救急医になるには?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇救命救急医とは?  交通事故や突発的な病気などにより“意識不明ないしは心肺停止状態”となった緊急患者を主に治療する医師です。
 救急隊から患者を引き継ぎ、情報を聞き出すと、瞳孔、脈拍、呼吸音などを即座に調べ、患者に応じた治療を施していきます。時にはその場で開腹、開胸手術を行うこともあります。また「足の接合」など、明らかに専門医の力が必要な場合は専門医に連絡し、サポートに回ります。
 なによりも生命維持に全力を注ぐ仕事。病院内の救命救急センターに勤務しているのが一般的です。 ◇全国の状況・今の状況  全国に救命救急センターは218カ所あり、10439人の救命救急医がいます。(日本救急医学会調べ 2009年現在)
 多いところには10名を越える救命救急医がいますが、逆に1人も常勤していない所もあります。その場合は、各科の医師たちが持ち回りで救命救急にあたっているようです。

 最近は医師不足が叫ばれ、特に救急医療は過酷な現場だと言われています。救命救急医は減少しています。一方で救命救急センターの数は年々増加しており、需要は増えています。 ◇どんな人が向いているの?  生きるか死ぬかの患者が多く訪れる救命救急科。なにより「人を助けたい」という強い意志が必要です。また、どんなにあわただしい現場でも冷静になり、「今、何をすることが最優先か」を瞬時に判断し、指示を出さなければならないので、落ち着いて動ける人が向いているかも知れません。
 また現場では患者さんだけでなく、そのご家族なども、みんな不安や心配でいっぱいです。そんな人たちを落ち着かせたり安心させたりすることも大切な仕事。「他人の気持ちを思いやることができる人柄」が求められます。

 体力が必要なのでは・・・?と心配になるかもしれませんが、大丈夫。体力があったに越したことはありませんが、患者さんが来るときと来ないときのメリハリが非常にはっきりしている科なので、休めるときは休めます。

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■救命救急医になるには? ■救命救急医とは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすれば救命救急医に?  大学の医学部、もしくは医科大学に進学する必要があります。そこで6年間医学の基礎を学び、国家試験を受け、医師免許を取ります。
 卒業後、2年間研修医として病院に勤めます。基本的には2ヶ月交代で様々な科を回り、その中で具体的に自分の進みたい科を決めていきます。しかし自分が行きたいと思っていても、倍率が高かったり、研修で不適応と判断された場合いけないことも。大学時代の成績なども関係してきます。
 そして研修医としての最後の半年間は、自分の希望する科(この場合救急科)で学びます。そして研修期間を終え、問題がなければその病院の救急科に就職という形になるのです。 ◇ステップアップの道すじ  救命救急医には「救急科専門医」という資格があります。それを取るためには、救命救急医として積み上げた実績と、書類審査、筆記試験などが必要となってきます。
 その先には認定医や指導医など、さらに実績を積み上げていくことで取得可能になる資格もあります。

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■ 収入・待遇は? ■救命救急医とは?■救命救急医になるには?■ 仕事の味

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◇収入のめやす  病院によって違いますが、岩村さんの病院の場合、日給1万5千円。20日働いたら、30万円です。
 さらに、当直手当がつきます。当直手当は1回につき2万円とのことです。 ◇救命救急医のある一日

岩村さんのある一日(当直日)
ある一日

◇生活サイクルと休日  基本的には、週休2日。しかし土日も、午前中だけ集中治療室(ICU)や高度治療室(HCU)で入院している患者の容態をチェックしに来ることも。

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■ 仕事の味 ■救命救急医とは?■救命救急医になるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  人の命を直接的に救うこの仕事。瀕死の患者が助かった時には、何にも代え難い達成感が感じることが出来ます。
 また一命を取り留め、退院した患者が、再び病院を訪れ、「こんなに元気になったよ」と元気な姿を見せてくれることもあるそう。そういう時に救命救急医をやっていてよかったと思うそうです。 ◇苦さ  瀕死の患者を助けることが出来なかったときです。心肺停止の状態で搬送されてきた患者さんに対しても、最後まで諦めません。しかしどうにも助けることが出来ないこともあります。そんな時でも、「もっとこうしとけばよかった。ああいう処置をすればもしかしたら・・・」と反省しないときはないそうです。
 また岩村さんは遺されたご家族のことを思うとやるせない、と残念がられていました。

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NHK日本放送協会