あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.194 家具職人

インタビュー
インタビュー
「いつか師匠に追いつきたい」 木のぬくもりを感じながら、ものづくりの喜びも感じる。
徳島県・徳島市に住む井上郁雄さん(29歳)は、オーダーメイドの木製家具を“売り”にしている家具製造会社に就職し、2年目。大学の工学部卒業後、一度は大手機械メーカーに就職しましたが、修理や営業中心の毎日に満足できず退職。その後、1年間職業訓練校に通って家具作りの基礎を学び、昨年、この世界に飛び込みました。
「木のぬくもりを感じながら、ものづくりの喜びも感じる」とやりがいを感じていますが、技術はまだまだ未熟。いつも熟練工に細かい部分を教えてもらっています。
そんな井上さんが、高級ホテルのカウンターテーブルを作ることになりました。頼りにしている熟練工の師匠はまもなく退職するため、今回は独力で仕上げてみようと心に決めています。家具職人として師匠から独り立ちしようと奮闘する井上さんの姿を追いました。

一枚の設計図から世界に一つだけの家具つくります

■家具職人とは? ■家具職人になるには?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇全国の状況・今の状況  全国に家具を製造する事業所はおよそ28,000か所、そこでは18万人以上が働いていますが(総務省の調査より)、作業がオートメーション化されているところもあるため、実際に「職人」として働いている人の数はもっと少ないと言われています。
 最近は海外でつくられた手頃な価格の家具が人気を集め、日本の家具職人の仕事は少なくなっていました。そこで、デザイン性をもった高級オーダーメイド家具で勝負しようというところが多くなっています。
 また近年、“ものづくり”をしたい若者が集まってきています。中にはインテリアデザインや設計の勉強をしていくなかで、家具を自分の手で作りたい!と思うようになり、やってくる若者もいます。 ◇どんな人が向いているの?  時には1ミリ以下の誤差を手の感覚で判断することもあるため、手先が器用なことにこしたことはありません。ただ、立ちっぱなしで作業を続けたり、マニュアル化できない複雑な家具の製造を請け負ったりするため、本当にものづくりがしたいと思う人、根気よく仕事ができる人が向いているでしょう。

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■家具職人になるには? ■家具職人とは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすれば家具職人になれる?  家具職人になるために必須の資格はなく、家具製造会社の採用試験を受けます。しかし、定期的に採用を行っている会社は少ないため、若い職人の多くは採用について会社へ直接問い合わせ、採用試験を受けさせてもらったという人が多いです。インターネットで会社のホームページを見たり、家具の展示会へ行ったりして、興味のある会社を見つけたという人がほとんどでした。

 また、就職前に、職業訓練施設で木材加工について学ぶ人もいます。機械の操作方法から図面の見方などの知識が得られますし、その地域の家具製造会社についての情報を講師の先生から得たという人もいました。 ◇ステップアップの道すじ  熟練工や先輩たちに教えられながら、数十種類ある加工機械の使い方を覚えていくことから始まります。多くの会社は人材に余裕がないので、学びながらすぐに実務へと入っていきます。
 実務経験を3年以上積むと、工場の現場監督として作業を指揮したり機械の使い方について安全面をチェックしたりすることができる「木材加工用機械作業主任者」(国家資格)の資格をとる人もいます。


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■ 収入・待遇は? ■家具職人とは?■家具職人になるには?■ 仕事の味

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◇収入のめやす  井上さんの会社では初任給17万円程度で、残業代を入れると20万円程です。 ◇家具職人のある一日

吉川さんの一日(2月)
ある一日
※ 製品の納期が迫っているときは、残業することもあります。

◇生活サイクルと休日  井上さんの工場の場合、日曜と祝日は休みです。ただ、まれにですが、納期がどうしても間に合いそうにない場合、休みを返上して職人たち総がかりで仕事をする場合があります。

 休みの日、井上さんは、友人と買い物に行ったり、釣りを楽しんだりしたりしますが、時には遠出して、県外へデザイナーズ家具を見に行き、研究することもあるそうです。

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■ 仕事の味 ■家具職人とは?■家具職人になるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  他の家具店では決して同じ物を見かけない、世界に一つしかないものをつくっている…ということが職人たちの自信につながっています。
 また、井上さんの工場では、高級ホテルやレストラン、テーマパークなどに家具を出荷しているため、そうした場所で自分がつくった家具が使われている現場を見ると、とてもうれしいんだそうです。 ◇苦さ  納期を延ばすことは決して許されていません。そのため、つくる過程でミスをしてしまいやり直しをせざるを得なくなった場合、他の作業をしている職人も動員して、遅くまで残って作業をすることもあるんだそうです。
 自分のミスでそうなってしまったときはつらいそうですが、難しいものを仕上げた達成感で、次はもっと頑張ろうという気持ちになるとのことです。

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NHK日本放送協会