あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.185 花き農家

インタビュー
インタビュー
「クリスマスを華やかに」 クリスマスを彩る花・シクラメン。
それを1年以上かけて育て、さらに新品種を生み出す、花き農家が今回の主役。茨城県北茨城市の長谷川康平(はせがわ・こうへい)さん(30歳)は、両親が経営する農園を継いだ2代目の花き農家です。
長谷川さんの農園では11月下旬、シクラメンの出荷が始まります。さらに康平さんが中心となって、今までのシクラメンにない葉の全体が白っぽく、光の加減によっては銀色にも見えるプラチナリーフという新品種を育成中。一鉢数千円の高級品。紫やピンクの花が咲きます。
しかしお客様の好みは様々。康平さんは、プラチナリーフにもっといろいろな色の花を咲かせようと、工夫を重ねています。今年新たに2色のプラチナリーフをお披露目する予定。いったいどんな色の花が咲くのか?そしてお客様の評価は?
可憐な花を育てるため、1日中花のことを考えている、若手花き農家の仕事に迫ります。

気分は花嫁のパパ 大事に育て、あなたにお届けします

■花き農家とは? ■花き農家になるには?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

-----

◇花き農家とは?  母の日にカーネーション、夏には向日葵など、季節ごとに好まれる花があります。需要が高まる季節にその花を咲かせ、出荷するのが花き農家の仕事です。ちなみにシクラメンは12月に需要が多いですが、普通に咲かせると3月くらいに花をつけるそうです。農家が咲く時期を調整しています。
 また嗜好品である花は、常に新しいものも求められます。そのため、新種の育成にも力をそそぎ、要望にこたえられるよう対応します。 ◇全国の状況・今の状況  現在、花き農家は全国で18万人以上います。(農林水産省調べ)
 花き農家が作るものは、長谷川さんがやっている鉢物の他、バラや菊などの切り花、球根、花壇用苗ものの4種類に分類されます。
 生活費の高騰も影響し、花全体の売り上げは徐々に下がり始めています。また、後継ぎがいないため、農園を閉じる人も少しずつ増えてきています。
 そのため、若い世代の新規就農が求められています。 ◇どんな人が向いているの?  植物が好き、なのはもちろん重要ですが、それ以上に必要なのが根気です。
 自分のしたことが、すぐに結果としてあらわれる仕事ではないので、1週間、1ヵ月、1年、5年と長期的な視野をもち、「待つ」ことが求められます。

□↑トップへ戻る□

■花き農家になるには? ■花き農家とは?
■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

-----

◇どうすれば花き農家に?  まったくのゼロから始める場合は、各都道府県にある新規就農の相談センターに行き、情報を集めましょう。農業系の学校を出ていない場合でも、研修先などを紹介してもらえます。まずは技術と知識を身につけます。
 規模や作物により金額の変動はありますが、土地や準備金は必ず必要になります。各都道府県によって差はありますが、新しく花き農家を始めるには、土地や温室などの費用が平均およそ1200万円かかります(全国新規就農相談センター調べ)。低金利で準備金を借りることもできます。 ◇ステップアップの道すじ  まずは、仕事の流れを知ることから始まります。種まきから出荷まで、いつ、どのタイミングでどんなことが必要になるかを学びます。
 次に、生産数や種類を調整する方法を身につけていきます。価格変動の波がある花の場合、どのタイミングで出荷できるかで、大きく収入が変わってきます。
 あとはひたすら経験です。天候に応じて栽培の仕方は変わるため、同じ1年は絶対にありません。そのつど対応を変える力量が求められます。

□↑トップへ戻る□

■ 収入・待遇は? ■花き農家とは?
■花き農家になるには?■ 仕事の味

-----

◇収入のめやす  長谷川さんの農園では1年に2回大きな収入があります。シクラメンを出荷する11月後半から12月上旬にかけてと、クレマチスを出荷する4月後半です。その2回の収入で1年間の経費や生活費を賄っています。
 通常の農家では年間の売上が収入になりますが、父親の農園に勤める長谷川さんの場合は月給制です。初任給は20万円でした。 ◇花き農家のある一日

長谷川さんの一日(11月)
ある一日

◇生活サイクルと休日  生き物を相手にしているので、ほぼ年中無休です。さらに花の育つ時期で仕事生活サイクルは変わってきます。
 長谷川さんの農園では土日を休みにしていますが、休みの日でも花のチェックは怠りません。また出荷時期は、月曜日に業者が引き取りにくるので、日曜日に出荷ケースを作っておく必要があります。

□↑トップへ戻る□

■ 仕事の味 ■花き農家とは?
■花き農家になるには?■ 収入・待遇は?

-----

◇おいしさ  種から花をつけるまでの成長をすべて見ることができます。ちょっとずつ育っていく様子は、まるでわが子を見る気分だそうです。
 また新たな品種を生み出す仕事もあるので、花が咲くまでのドキドキ感と、新しい色の花が咲いたときの喜びは言葉で表せないそうです。 ◇苦さ  どんなに丁寧に育てても、病害や虫で捨てなければならない花がでてきます。
 長い時間かけて育ててきた花を捨てなければならないことは、何年やっても寂しいそうです。

□↑トップへ戻る□

NHK日本放送協会