あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.125 プロサッカー選手

インタビュー
インタビュー
「すべてはピッチに立つために」 ピッチの上で死闘を繰り広げ、観客を魅了するプロサッカー選手。
J1の大分トリニータに所属するプロサッカー選手・金崎夢生選手(18歳)は、今年、チームに加入したルーキーです。3月3日の開幕戦。残り16分の大事な時間帯でいきなり起用されると、ゴールに向かっていく積極的な姿勢が監督から評価され、その後もほとんどの試合で起用されています。
一方、同じポジションにはブラジル人選手がおり、ベンチスタートが多いのが現状です。「彼を抜かない限り、レギュラーはとれない。」と闘志を燃やす金崎選手。普段はなかなか立ち入れない練習前のトレーニングや寮の自室での自己分析などピッチ内外の取り組みに密着して、プロサッカー選手という仕事の実像に迫ります。

ピッチの上でも、ピッチの外でも、つねに前へ!前へ!前へ!

■プロサッカー選手とは? ■プロサッカー選手になるには?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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 3月から12月までのシーズン中、ほぼ毎週ある試合に向けてコンディションを調整しつつ、チーム内のメンバー入り争いを勝ち抜き、試合当日、ピッチに全てをかけるプロサッカー選手。
 ピッチを離れても、強い体を作るための個人トレーニングや、食事・睡眠などの体調管理、仮に試合に出られなくてもモチベーションを維持し続けるなど、試合・練習の他に多くのやることがあります。

 又、サッカーを中心としたスポーツの普及と振興が目的のJリーグでは、2003年度から選手による社会貢献活動を義務化しており、選手は、シーズン中でも、地域イベントへの参加や高齢者施設への慰問など、様々な活動をしています。 ◇全国の状況・今の状況  2007年シーズンのJリーガーは960人。(J1…567人、J2…393人)
 1993年、わずか10チームで始まったJリーグでしたが、その後、圧倒的な人気とサッカーを通じた地域振興に魅力を感じたクラブが次々と参入し、現在、31チーム(J1…18チーム、J2…13チーム)となりました。この他にも、Jリーグ入りを目指すクラブが全国各地に多くあり、クラブ数から見るとプロサッカー選手への道はJリーグ発足時よりも拓けたといえます。

 一方、プロサッカー選手の国内のレベルはより高くなり、およそ1000人と限られた世界の中で、毎年、100人以上の選手がクラブから解雇を言い渡されています。解雇を言い渡された選手の内、およそ4割の選手がJリーグの他チームやJFL(J2の下に位置するリーグ)所属のチームに移籍し、選手生活を続けていますが、解雇を言い渡された半分以上の選手が選手生活を終えています。プロになるのも厳しい状況ですが、プロになってからも厳しい状況となっています。 ◇どんな人が向いてるの?  「サッカーが上手い人!」「サッカーが好きな人!」はもちろんですが、他にも大事な要素があります。
 次に紹介する言葉は、大分トリニータ監督・シャムスカ監督に伺った答えです。 「才能ももちろん必要ですが、食事や睡眠や体のケアなどしっかり自己管理できる人。
 又、つらい状況に対してしっかり励んでいける人が向いています。」

 プロサッカー選手にとって、何より大切なものの一つに『強い精神力』が挙げられます。
 全体練習以外の時間が圧倒的に多いプロサッカー選手の生活サイクルの中で、いかに自分に厳しく努力を重ねられるか、又、メンバー落ちやケガなどつらいことの方が楽しいことの何倍も多い状況の中で、どれだけ前向きに取り組むことが出来るのかが大事になります。

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■プロサッカー選手になるには? ■プロサッカー選手とは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすればプロサッカー選手に?  プロサッカー選手になる方法は主に2つ!
 まずは高校や大学のサッカー部で活躍し、スカウトされる道。自分が所属するチームが全国大会で上位に進めば進む程、スカウトからの注目は高まります。
 もう一つがJリーグの下部組織(ユースチーム)に入って実力が認められ、プロに昇格する道です。Jリーグ発足時はユースチームからプロになる選手はごくわずかでしたが、現在は、高校からスカウトされる選手よりユースチームからプロに昇格する選手が多くなっています。

 いずれの道も厳しい道のりです。金崎選手が入部したサッカー部は、高校2年時に全国3位、高校3年時に全国優勝を果たしましたが、同じ年でプロになれたのは金崎選手を含めて2人だけでした。又、大分トリニータの場合、ユースチームからプロチームに昇格する選手は、毎年、0人から2人です。 ◇ ステップアップの道すじ  新人選手は、まず一試合18人と決められたメンバー入りを目指します。監督へのアピールの方法として、練習の他に、JFLや大学サッカー部との練習試合で活躍したり、サテライトリーグ(3月から10月まで開催)と呼ばれるJ1、J2の控え選手が中心となって戦う試合で活躍したりする方法があります。

 メンバー入りするのに明確な基準はもちろんありません。ただ、これまで10年間、100人以上の選手の体をケアし、選手を見てきたトレーナーの方がいうには、大成する新人と伸び悩む新人との差の一つに「試合に出られない間、どれだけモチベーションを高く維持できるか」ということがあるのだそうです。
 高校、大学時代に顕著な成績を残してもなかなかプロのピッチに立つことができない厳しい世界の中で、高い意識を持ち続け、真面目に練習に取り組むことが大事だといいます。 ◇窓口・相談先  不定期に、ユースチームのセレクションの情報がチームのホームページに掲されることもあります。
 興味をお持ちの方は、各クラブにお問い合わせください。

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■ 収入・待遇は? ■プロサッカー選手とは?■プロサッカー選手になるには?■ 仕事の味

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◇収入のめやす  日本のプロサッカー選手・Jリーガーの場合、給料は年俸制です。新人は全員、所属するクラブとC契約(480万円以下)を結びます。
 その後、試合に長く出場(J1…450分以上、J2…900分以上)すると、B契約(480万円以下、但し、出場給や勝利給がC契約より多い)やA契約(初年度700万円以下、次年度以降、上限無し)など活躍にあわせてアップします。 ◇金崎選手の一日(5月)

ある一日

◇生活サイクルと休日  3月から12月までのJリーグのシーズン中は、基本的に、週に一度、オフがあります。ただし、平日にナイトゲームがあったり、世代別の代表活動に招集されたりすると、休みは無くなります。
 20歳以下の日本代表候補でもある金崎選手は、プロになってからの3ヶ月間で、一日休みの日は3日だけでした。
 オフシーズンも、次のシーズンに向けた体作りやキャンプなどがあるため、多くの選手が1〜2週間休んだ後、自主練習を再開しています。

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■ 仕事の味 ■プロサッカー選手とは?■プロサッカー選手になるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  小さい頃からの夢だったJのピッチに立ち、ゴールやアシストといった決定的な仕事をして、チームに貢献できた時が何よりも嬉しいといいます。
 高校を卒業してすぐプロになった金崎選手が実感しているのが、スタジアムに来て応援してくれる観客の声援の大きさ。ピッチに立っていても、声援は聞こえてきて、サポーターから勇気をもらっているのだそうです。
 それゆえ、試合に勝ち、サポーターと喜びを分かち合うことがプロサッカー選手としての喜びなんだそうです。 ◇苦さ  『ピッチ上の格闘技』とも言われるサッカーにはケガがつきもの。体が資本のプロ選手にとって、大きなケガは選手生命にも関わります。
 これまでプロになってから2回、ケガをした金崎選手。当然、試合にも練習にも出られないため、「とても悔しい。」と言います。
 ただそこで、『ケガをしてしまった。』と落ち込むのではなく、『ケガを機に体をゆっくり休めて、他の部位を鍛えよう。』とケガを前向きに考えるようにしているのだそうです。

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NHK日本放送協会