あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.103 地方銀行員

インタビュー
インタビュー
「地域を元気に!」 地域の企業に必要な資金を融資して企業活動を支える。
それが地方銀行員の仕事です。

都市銀行とは違い、地方銀行の取引先は地元の企業が大半。地元企業に元気がなければ、地方銀行の業績も伸びません。自分たちの生き残りもかけて、地域の企業を応援します。
今回の主人公は徳島県の地方銀行に勤める市原聖児さん(30歳)。入社8年目で、企業への融資を担当する営業マンです。日々融資先を求めて地域の会社を回ります。営業目標は年間10億円。景気回復が遅れた地方では、融資先を見つけるのは至難の技です。市原さんは、地道な訪問と笑顔で経営者たちの心を掴もうと奮闘しています。地域の未来のために奔走する地方銀行員の姿に迫ります。

地域の経営者たちに耳を傾け、必要な資金を融資する 地方銀行の営業マン。自分の融資が地元の経済を支える。その思いを胸に今日も走ります!

■ 地方銀行員とは? ■ 地方銀行員になるには?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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 地方銀行は全国に111行、ほとんどの都道府県に2行以上あります。およそ17万3千人が働いています(平成18年3月末時点)。 地域を支える金融機関で、取引先は地元の企業、なかでも中小企業が多いようです。市原さんのように企業への融資を担当する営業のほか、支店の窓口で、預金業務や為替業務を行う内勤もあります。
 最近は銀行業務の多くが、機械化・コンピューター化しているため、事務仕事は契約社員やパートに任せるところも増えています。 ◇全国の状況・今の状況  銀行業界は、近年規制緩和が進み、異業種が銀行業に参入するなど、競争が激化しています。これまで都市部で大企業を相手に取引してきた都市銀行も地方の優良な中小企業に触手を伸ばしてきており、地方銀行も競争を余儀なくされています。金利や条件面で都市銀行に対抗することが難しい地方銀行は、地の利を生かしてきめ細かいサービスをすることで生き残りを図っています。 ◇どんな人が向いてるの?  まずは責任感があり、信用のおける人。お客様の大切なお金を取り扱う仕事であるため、銀行員にミスは許されません。そのため、社内にはミスを防ぐための細かいルールが沢山あります。また個人情報を多く扱っているので、書類等の管理もとても厳しいです。慎重に、丁寧に、そして正確に仕事をすることが求められます。
 今回の主人公・市原さんが担当する営業は、地域の経営者のもとへ行き、資金のニーズがないか探り、必要があれば条件などを交渉して融資を行います。人と会って話をすることが仕事の大半を占める営業では、人が好きな人、人と話をすることが好きな人が向いています。もちろん、地元へ貢献したいという思いは必須です。

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■ 地方銀行員になるには? ■ 地方銀行員とは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすれば地方銀行員に? 地方銀行に就職するのに、特に必要な資格等はありません。一般の企業と同じように、採用試験を受験します。中途採用もありますが、殆どが新卒採用です。高卒から大学院卒まで幅広く採用しているようです。学部制限を設けているところはほとんどありませんが、経済や簿記の基礎知識があると入社してから役立ちます。実際には、大学で経済や経営、商学を学んだ人が多く入社しているようです。
 入社すると銀行業務検定や簿記など、必要となる資格は研修を受けて取得できます。最近では、ファイナンシャルプランナーの資格を取る人が増えているそうです。 ◇ステップアップの道すじ  市原さんの勤める地方銀行の場合、入社後3ヶ月ほど本社で集合研修を受け、銀行業務の基本を学びます。その後県内の各支店へ配属され、主に窓口で預金業務や貸付補助などを行いながら、現場で基礎を身につけます。
 入社後半年から1年後には、いよいよ外回りの営業が始まります。最初は集金をし、その後徐々に住宅ローンや自動車ローンなどの営業をするようになります。4〜5年間こうした小口の融資の経験を積んだあと、次は法人つまり企業への融資を担当するようになります。企業への融資は取り扱う金額も大きく、責任も大きくなります。

 こうした前線での仕事を続けたあと、主任、支店長代理、副支店長などを経て、早い人は30代半ばで支店長になります。支店長は、その支店の営業を取り仕切る役目で、融資の金額や条件などの決定権を持っています。

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■ 収入・待遇は? ■ 地方銀行員とは?■ 地方銀行員になるには?■ 仕事の味

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◇収入のめやす  市原さんの銀行の場合・大卒 18万円 ◇地方銀行員のある一日

市原さんの一日
ある一日

◇生活サイクルと休日  市原さんの銀行の場合、基本的には週休2日です。市原さんにとって休日は家族と過ごす大切な時間。もうすぐ2歳になる息子と妻を、公園やショッピングモールに連れて行くのが休日の日課です。

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■ 仕事の味 ■ 地方銀行員とは?■ 地方銀行員になるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  お金というデリケートな、だけど大事なものを扱う営業マン。だからこそ取引先との人間関係、信頼関係を築くことが何より大切です。何度も何度も相手先に足を運び、経営者の信頼を勝ち得、融資が成立したときは何よりも嬉しいと、市原さんは言います。
 地方銀行の営業マンにとってもう一つの喜びは、自分の関わった融資の成果が目に見えたとき。自分の融資で新しく店がオープンしたり、新しい機械が導入されたりするのを見るのも、またやりがいを感じる瞬間です。徳島の経済、日本の経済を引っ張るような企業を育てることが市原さんの夢です。 ◇苦さ  銀行にとって最も辛いこと、それは貸したお金が返ってこないこと。つまり融資先が倒産したときです。
 もちろんこれは営業マンにとっても辛いこと。応援していた会社が倒産することは、不良債権を抱え込むことになるし、また馴染みになっていたその会社の人たちの不幸を目の当たりにしなければならないからです。
 このような事態を防ぐためにも、営業マンは融資したあとも訪問を続けるなどして、融資先に目を配り続けるのです。

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NHK日本放送協会