あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.79  旅行の仕事:営業

インタビュー
インタビュー
「めげてなるものか!!」 修学旅行に、社員旅行。
こうした旅行を支えているのが、旅行会社の営業マン。

学校や企業を回って旅行の予定を聞き出し、お好みの旅をオーダーメイドしていきます。今回の主人公は、木幡潤之介さん。入社3年目にして、この風格。ガッツあふれる26歳です。
旅行営業マンにとって一人前の証は、同じお客さんから継続して仕事を任されること。今回木幡さんは、去年受注した園芸専門学校の1泊2日の研修旅行を、続けて受注することを目指します。鍵となるのは、企画の善し悪し。ライバル会社を、上回る企画を出せなければ、仕事は受注できません。
果たして、お客さんを満足させる企画は作れるのか。入社3年目の奮闘を描きます。

人生を彩る 様々な旅 あなた好みに オーダーメイド

■ 旅行営業マンとは? ■ 旅行営業マンになるには?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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 営業の仕事は、大別すると、番組で取り上げた企業や学校などの団体を顧客とする仕事(アウトセールス)と、営業所・支店でお客さんを迎え旅行商品を販売する仕事(カウンターセールス)に分けられます。
 アウトセールスの仕事は、多岐にわたっています。街を回って新しいお客さんを捜す「顧客開拓」、お客さんの希望に合わせて旅行を提案する「企画・商談」、何度もやりとりを重ね契約が成立したあとは実際の旅行を催行する「添乗」など。
 契約が取れるかどうか、鍵を握るのは「企画の善し悪し」。とっておきの見どころ、無駄のない移動計画、保険の手配等々、予算内でお客さんをいかに満足させるかが腕の見せ所となります。

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◇全国の状況・今の状況

全国に旅行会社は、10869社(2004年現在)

 正確なデータはありませんが、約12万人が働いていると言われています。
 旅行会社には、番組で紹介したような団体営業部門の他、カウンター営業部門、パッケージツアーを企画する企画部門、チケットやホテルを取る手配部門などがあります。大手の旅行会社では、新入社員は団体営業部門に配属されるケースが多いようです。
 また、街の看板や新聞広告を見るだけではわかりませんが、旅行会社は、旅行業法の下、取り扱う業務の範囲により4種類に分けられています。
 ちなみに、4種は以下のように分類されます。
第一種 海外・国内旅行のパッケージツアーを企画・販売できる
第二種国内旅行のパッケージツアーを企画・販売できる
海外旅行のパッケージツアーを販売する
第三種海外・国内旅行のパッケージツアーを販売する
代理業他社が作った旅行商品の代理販売だけをする
 簡単に言うと「パッケージツアーを企画できる会社か否か」ということ。例えば、海外旅行のパッケージツアーを企画したいと思っている人は、旅行業第一種の会社を選ばなくてはなりません。ただし、種別と会社の規模は無関係。第一種でも従業員2〜3人の会社も存在します。

苦境が続く団体旅行

 不況や個人志向の高まりにより、企業の社員旅行は年々減ってきています。また、少子化の営業で、修学旅行も参加人数が減少。団体旅行の売り上げは十年前と比べて3分の2程度にまでなっています。こうした中、各社は新しいビジネスモデルを模索中。会社の出張業務を丸ごと請け負ったり、会議やイベントの企画自体を行う試みも始まっています。

進む分業化

 近年では分業化が進み、添乗業務を専門の派遣会社に委託するケースが増えています。そのため営業マンは添乗業務が減り、以前にも増して企画力が問われるようになっています。
 逆に、添乗業務を主な仕事としたい人は、ツアーコンダクターとして専門の会社に入社する必要があります。
◇どんな人が向いてるの?

人が好きな人

 「旅行好き」というだけでは、務まらないのが、旅行営業マン。お客さんと一緒に旅に出かける添乗業務が、少なくなっているだけに、「旅行会社に入れば旅行に行ける」と考えるのは間違いです。
 むしろ営業マンの仕事の大部分は、人と接する仕事。飛び込みでの顧客開拓、商談での企画の説明、添乗に行ったとしても仕事の内容はお客さんの世話係。「人が好き」なことが、この仕事を選ぶ上での大切な要素となります。

我慢強い人

 仕事の契約を取るまでの段階では、お客さんに煙たがられたり、難しい要求をされたりすることもしばしば。こうしたときに尻込みせず、お客さんと誠心誠意向き合えるかどうかが、旅行営業マンにとっては最も重要です。
 足繁く通っていれば、熱意を買ってくれるお客さんもいますし、うまく難題を解決できれば信頼を得られます。概して、苦労して取った仕事ほど、お客さんとの信頼関係が生まれ、末長く付き合うことが出来るようです。

聞き上手

 一流の旅行営業マンは、「話し上手」より「聞き上手」といわれます。満足してもらえるオーダーメイドの旅行を作るには、相手の要望をうまく引き出すこと必要だからです。
 「旅行」という商品の特徴は、形がないこと。つまり衣服や電器製品と違って、手にとって実際の品質を確かめられません。それだけに、お客さんの話をきちん聞き、相手からの信頼を勝ち取ることが、仕事の獲得につながっていきます。


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■ 旅行営業マンになるには? ■ 旅行営業マンとは?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすれば旅行営業マンに?  全国に約1万1000社ある旅行会社に就職することが一般的なケース。
◇ステップアップの道すじ

まずは「エリア営業」から

 新人の旅行営業マンの多くは、まずある地域を決め、そこで徹底的な飛び込み営業を行う「エリア営業」から仕事を始めます。門前払いを受けることが多く、実際の仕事に結びつくケースはまれです。しかし多くの人と出会うなかでセールストークを覚え、精神的にもたくましくなります。

「継続受注」は一人前の証

 誠心誠意を込めて営業をしていると、その熱意を買い、仕事を任せられるケースも出てきます。しかしそれは、ビギナーズラックということも・・・。お客さんに仕事ぶりを見てもらい、信頼されなければ、2回目の仕事はもらえません。
 まずは、同じお客さんと、続けて仕事をすることが、一人前の営業マンへのステップとなります。

その後の様々な道

 人により、得意な分野は異なります。企画を立てるのが得意な人ならば、パッケージツアーの企画を専門に行う企画部門に。室内での接客が得意な人は、カウンター営業に。また、専門知識を身につけ航空チケット発券のエキスパートとなる人。添乗業務を専門にやりたくて、添乗員派遣の専門会社に転職する人もいます。

資格

 添乗業務をするためには、「旅程管理主任者」の資格が必要です。また、ステップアップのための資格としては、「総合旅行取扱管理者」があります。

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■ 収入・待遇は? ■ 旅行営業マンとは?■ 旅行営業マンになるには?■ 仕事の味

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◇収入のめやす  木幡さんの旅行会社の場合、初任給は19万(大学卒)。
◇旅行営業マンのある一日  主な仕事場は、事務所外での営業活動。
 午前中は事務所で、急ぎの手配業務を行ったり、お客さんにアポイントを取ったりしてから、外での営業に出かけます。
 企画を練っていると、夜遅くまで残業になることも多いです。
 月末には、自分が関わった各種手配の精算業務が待っています。

ある一日

◇生活サイクルと休日  休みは、週2日、土日休み。
 しかし春や秋の旅行シーズンは、多忙。週末は旅行に添乗することが多く、ほとんど休めません。平日に代休を取ることが多くなります。
 休みの日は、木幡さんの場合、疲れてゆっくりねているか、ゴルフの練習。時には、学生時代の仲間と一緒に、自分が企画・手配した旅行にも出かけています。

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■ 仕事の味 ■ 旅行営業マンとは?■ 旅行営業マンになるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  なんといっても、苦労して作り上げた旅行が成功したとき。
 団体旅行の仕事は、最初の営業活動から、旅行を企画し、実際に旅行を催行するまで、長いときには一年以上の時間がかかります。
 例えば、修学旅行。生徒たちは、長い準備期間があったことを、何も知りません。そんな生徒たちが、旅行を終えて満面の笑みを浮かべている。一緒に苦労して旅行を作り上げた先生が喜んでくれる。こうした瞬間を味わえることこそ、この仕事のおいしさに他なりません。もちろん、その夜の祝杯も、うまい!
◇苦さ  思い入れのある企画が他社との競合の末、負けること。
 企業間競争が激しい業界だけに、時には自分の企画をライバル会社に真似をされてしまうこともあります。そんな時、最終的に値段で負けると、苦々しいことこの上ありません。
 多くの経験を積み、「そういうこともあるさ」と受け流せるようになれれば大したもの?
 苦みも味わえるようになれば、仕事の幅もぐっと広がります。

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NHK日本放送協会