あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑

no.50 トリマー

インタビュー
インタビュー
「あなたの犬をおしゃれに」 犬の全身美容を手がける仕事、トリマー。
ハサミを持った指先に全神経を集中させ、犬の毛並みを切りそろえるのは、ペットショップで働くトリマーの岡本夏子さん(21)。犬と接する仕事に就きたいと思いこの世界に入って3ヶ月です。
岡本さんが勤めるペットショップは福島市内にある流行の大型専門店。定期的にペットの爪きり・シャンプー・ブロー・カットなどを行う人が増えており、今やトリマーは、犬と一緒に生活する家族にとって欠かせない存在です。
今回、岡本さんはカットが難しいプードルを初めて任される事になりました。うちの子が一番かわいいと思う飼い主。その飼い主からの要望は果てしなくあります。果たして岡本さんは、飼い主を満足させることが出来るのでしょうか。先輩の技を勉強しつつ、お客さんの笑顔のために奮闘する新人トリマーの仕事を追います。

■ トリマーとは? ■ トリマーになるには?■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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 ペットの美容師とも言われるトリマー。飼い主さんの要望を聞いて、ハサミやバリカンなどを使い、犬の魅力を最大限に引き出すのが仕事です。そして、美容面だけではなく、健康面の管理もトリマーの大事な仕事。例えば、マルチーズやシー・ズーなどは長年の品種改良で長い毛を持つようになり、自分で毛繕いをする事が出来ません。そのため、放っておくと、毛は固まって汚れ、病気になってしまう可能性があるのです。毛をカットするだけでなく全身を綺麗にしてあげて、ペット特有の病気の予防や早期発見をする事もトリマーの仕事なのです。
 ペットは家族の一員であり私たち人間の大事なパートナー。トリマーは、ペットに関して、その特徴、ケアの仕方など、全般的な知識を持ち、飼い主にとっての大事なアドバイザーになることが求められます。
◇全国の状況・今の状況  現在、ペット業界の市場規模は1兆円とも言われています。6世帯に1世帯が犬を飼っていると言われ、高齢化、少子化社会を背景にペットを子どものようにかわいがる人が増えています。
 そのような中、全国でトリミングなどを行っているペットショップや美容室は6000店舗以上、10年前に比べておよそ1.5倍にも増えています。また、動物に関する仕事の専門学校数も増え、今では全国で250校以上といわれています。岡本さんのように専門学校を卒業してから、ペットショップやペットサロンで働くというのが一般的なようです。しかし競争率は高く、トリマーとして就職するのは厳しいのが現状です。
◇どんな人が向いてるの?  もちろん、「犬が大好き!」という人がほとんどです。毎日、犬や猫などの動物と接しているので動物が嫌いな人には勤まらない職業です。
 そして、どのトリマーも異口同音に言っている事が「接客嫌い、人嫌いでは勤まらない」という事です。いくらペットが相手といえでも、大事なのは飼い主さん。飼い主さんがどんなカットを要望しているのか、相手の言葉に耳を傾け、その気持ちまで受け止めてあげる事が大切です。
 あとは、体力のみ!トリマーの仕事は一日中立ち仕事。時には40〜50キロある犬も扱わなければなりません。犬と人が好きで体力に自信がある人!がトリマーに向いているといえるでしょう。

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■ トリマーになるには? ■ トリマーとは? ■ 収入・待遇は?■ 仕事の味

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◇どうすればトリマーに?  トリマーは人間の美容師のように専門学校に行って、国家試験を受験し、合格しなければならないというものではありません。民間の団体が認定しているライセンスはありますが、これらは国家試験ではなく、資格がないとトリマーになれないという訳ではないのです。そのため、アルバイトとして働きながら、仕事を覚えていく事も出来ます。
現在、一般的なのは専門学校に通い、その後ペットショップ、ペットサロンや動物病院などにトリマーとして就職する事です。岡本さんのように専門学校に3年間通い、最後の1年間は、ドックショーのためのカットなどさらに高度な技術を学ぶ事も出来ます。
◇ステップアップの道すじ  新人トリマーは、まずはシャンプーから。カットが出来るようになるまでは人によって様々ですが、およそ1〜2年かかると言われています。その間、シャンプー、爪切り、耳掃除、そのほか、犬舎の掃除や大量に出るバスタオルの洗濯・・・。その他、岡本さんが勤めているペットショップのように子犬や子猫の販売がある所は、その世話や健康チェックも欠かせません。トリマーの仕事はカットだけではないのです!
 ようやくカットをできるようになっても、道は険しい・・・。最近は、ペット用の美容雑誌を持ってきて、「この通りにカットしてほしい」など要望は多様化しています。最初は比較的簡単な犬からカットを始め、だんだんと難しい犬にチャレンジしていくようです。今回、岡本さんがチャレンジしたプードルは「プードルに始まり、プードルに終わる」ともいわれることがある、トリマーにとって、基本であり、最大の目標でもある犬のようです。お客さんの要望を叶えるためのカット技術は、先輩の技を盗みながら日々、勉強あるのみです。また、カット技術のみならず、ちゃんとお客の要望を聞きだしたり、所要時間と料金の説明を的確にするなど接客技術も求められます。
 トリマーは、自分の技術とサービスの結果がお客さんからダイレクトに返ってくる仕事。将来的に自分のお店を開く夢を持っている人もいます。実力がつけば、それに見合った収入もついてきます。
 とにもかくにも、トリマーは、職人の世界!地道に実力をつけていくしかないのです。

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■ 収入・待遇は? ■ トリマーとは?■ トリマーになるには?■ 仕事の味

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◇収入のめやす  就職したお店によって開きはありますが、安定したお店の場合手取りで月給13〜15万円ほど。その後は、経験と実力によりアップしていきます。店長クラスになると月50万円ほど稼ぐ人もいるという事です。
 またフリーのトリマーとして働く事も可能であり、その場合はお客さんの数などによる歩合制となります。
◇トリマーのある一日

岡本さんの一日(6月)
ある一日

◇生活サイクルと休日  勤務時間はその日によって違い、早番(9:00〜19:00)・中番(10:00〜20:00)・遅番(11:00〜21:00)となっています。
 休みは岡本さんの会社の場合、月5日。お客さんが多い、土日やお盆、夏休みなどはなかなか休みが取れないのが現状です。


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■ 仕事の味 ■ トリマーとは?■ トリマーになるには?■ 収入・待遇は?

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◇おいしさ  なによりも、お客さんの笑顔!そして、かわいい犬たち。トリマーの腕一本でかわいらしく変身していく犬を目の前で見ていくのは何よりの達成感です。そして、飼い主さんに渡した時「かわいくなったー!ありがとう!」など感謝の言葉は何ものにも代え難いうれしい瞬間です。
◇苦さ  ある時は暴れる犬や噛み癖がある犬も来ます。またある時は、真っ黒に汚れた犬も訪れ、ノミやダニの処理もしないといけない仕事です。
 またお客さんにとっての大事な大事なペットをお預かりしてきれいにする仕事。ちょっとしたミスも許されません。そのため、トリマーの仕事は、5K(きつい、汚い、危険、気疲れ、給料が安い)と言われることも。
 でも、それも考え様。大好きな犬といつも一緒にいられる仕事なんてそうそうありません。苦さもおいしさに変えてしまうほどのバイタリティのある人こそ、お勧めです。

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NHK日本放送協会