松坂桃李さん

川代さんは24歳と若いのに、仕事に対する姿勢がストイックでとても驚きました。気持ちの9割は仕事に向いているように感じました。何をすれば良いか分からず悩んでいたところから、書店と出会って、ブログがバズって、そこから注目されて小説家の道に・・・必死にたどり着いた道だと思うので、夢中になると思います。休日も小説の構成やストーリーを考えてしまうのでしょうね。

最近は、小説だけではなくドラマも、白馬にまたがった王子様が出てくる非現実的なラブストーリーよりも“ちょっと毒を吐く”主人公が出てくる内容の方が共感を呼んでいる気がします。自分のちょっとネガティブな気持ちを代弁してくれる文章があれば、「分かる分かる!」と共感する以上に、「自分は間違っていない」とか「自分のネガティブな気持ちも許される」という気持ちになるのではないでしょうか。そういう意味でも、川代さんは時代にマッチした文章を書くのだろうと思いました。

でも夫の優作さんが少し寂しそうなのが気になりました・・・。ぜひ新婚生活も楽しんでほしいですね!

#030

書店店長・ライター


川代 紗生
Saki Kawashiro

放送: 2017年1月31日
アンコール放送: 2017年4月25日

川代紗生さん(24)は、福岡にあるちょっと変わった書店の店長。カフェでもある店内には、こたつもあって長居できるような作りになっていたり、カバーを隠し題名が分からないようにしてある本が売られていたり・・・。また、フォト部やヨガ部など「部活」と呼ばれる講座や、ライターを養成する「ゼミ」などを毎日のように開催している。本屋のようで本屋でない、新型書店だ。そんな書店で店長業務の傍ら、店のブログのライターとしても活躍している川代さん。書いているのは「見た目」や「恋愛」などをテーマにした、モヤモヤとした気持ちを書き連ねた文章。ブログの記事はバズることもあるほどのアクセス数で、川代さんに会いたいと店にやってくる人もいるほどだ。

大学生の頃はコピーライターを目指し、広告代理店で働くことを夢見ていた川代さん。就活に失敗した時に、今の書店に出会った。すぐにブログのライターとして頭角を現したが、実際の就職では安定した大型書店を選んでしまう。しかし「書きたい」という気持ちをおさえることができず、1年後、今の書店に帰って来た。以来、文章を書くことに更にのめりこむようになった川代さん。今は小説の執筆に挑戦している。これまで書いた3本はすべてボツ。この冬書きはじめた4作目は、どうなるのだろうか…?

1週間スケジュール

  • しごと
  • くらし
MON TUE WED THU FRI SAT SUN

6:00

7:00

8:00

9:00

10:00

11:00

12:00

13:00

14:00

15:00

16:00

17:00

18:00

19:00

20:00

21:00

22:00

23:00

24:00

1:00

就寝

起床・身支度・出勤

出勤・店舗掃除

本のチェック
棚のレイアウト

接客・カフェ業務
(隙間時間に昼食)

イベント準備

部活動

閉店作業

スタッフと夕食

風呂

読書

就寝

就寝

起床・身支度

カフェで小説執筆

別のカフェで昼食

大型書店へ行く

自宅で映画を見る

就寝

就寝

起床・身支度

カフェで昼食

出勤

イベントの企画
メール返信など

小説、ブログの
執筆

返品本のチェック
接客

閉店作業

スタッフと夕食

風呂

就寝

就寝

起床・身支度・出勤

小説、ブログの執筆の執筆

イベント企画
メール返信など

接客・カフェ業務
イベント企画

昼食

接客・カフェ業務
イベント企画

東京店との会議

夕食

風呂

読書

就寝

就寝

起床・身支度・出勤

イベント企画
メール返信など

接客・カフェ業務
イベント企画

昼食

ブログの執筆、SNSへのイベント告知投稿

小説、ブログ書く

閉店作業

夕食

風呂

読書

就寝

就寝

起床・身支度・出勤

店舗会議

部活動

接客・カフェ業務
イベント企画
(隙間時間に昼食)

ゼミ準備

ゼミ

閉店作業

夕食

風呂

就寝

就寝

起床・身支度・出勤

読書会

接客・カフェ業務
(隙間時間に昼食)

ゼミ準備

ゼミ

閉店作業

夕食

風呂

就寝

10:00

本のチェック、レイアウト

しごと

朝10時に出勤。まずととりかかるのが新刊本のチェック。どの本を、どの棚に、どのように並べるか。巷の流行、お客さんの動線なども考えながら、本をレイアウトしていく。本の売れ行きを左右する大事な仕事。

11:30

 

くらし

この日は午後からのシフトのため、夫の優作さんとランチ。川代さんはカフェ好き。書店の近くには、おしゃれなカフェがたくさんある。

15:00

ブログ、小説の執筆

しごと

お客さんが少ない時間を見計らってブログや小説の執筆。他の店長業務や接客のかたわらの執筆なので、こま切れの時間を活用しながら書いている。

21:30

東京店と結んでの
打ち合わせ

しごと

営業終了後、東京の本店と結んで、三浦社長とのテレビ会議。売上についての報告や今後のイベントの運営などについて話し合う。

10:00

部活動

しごと

土日は部活動などのイベントがぎっしり。司会進行も川代さんたちスタッフの仕事だが、お客さんといっしょになって部活動に参加することも多い。この日はフォト部。

9:00

読書会

しごと

毎週日曜日、朝9時に開催されるのが読書会。毎回さまざまなテーマを決め、お客さんと店員同士、オススメの本を激しく推薦し合う。川代さんも店長の威信をかけて参加している。

シゴト選びのヒントキャリアアドバイザーによるしごと解説

大浦さん

転職サービス「DODA」

キャリアアドバイザー

大浦 征也

オオウラ セイヤ

本を買う以外の“コト”の魅力を持った書店

雑誌や書籍の部数が伸びず出版業界の苦戦が続いています。小規模な“町の本屋さん”だけでなく大型書店も手をこまねいていられません。マーケティングやマーチャンダイジングを取り入れた店作りに取り組み、品揃えで特徴を打ち出したり、雑貨やCDを取り扱ったり、カフェを併設したり、さまざまな集客アイデアを講じています。しかし、それらは「本を買いに来てもらっている」という点では変わりません。

今回登場した書店ではさらに幅広く、書店のお客さんというよりも、お店のファンを獲得しているように見えます。来店のきっかけは「本」だとしても、店長や店員さんとのコミュニケーションや、部活、イベントなどを通じて、ここに来なければ体験できない“コト”、つまりコミュニティの魅力で顧客化していると言えるでしょう。ネットのサービスでは味わえない価値の提供は強力な差別化ポイントですね。

また、「尊敬する上司・先輩を超えるには」というテーマは、キャリアにおける普遍的な課題の一つです。日本には師を乗り越えて自分の型を獲得するための「守破離」という考え方がありますが、これに当てはめて、社会人としての自分がどの過程にいるのか考えてみるといいと思います。中長期的なキャリアに必要な行程だと思えば、「成長できているのか?」と迷うこともなくなるでしょう。

ディレクターMEMO

吉見 拓馬

NHK福岡放送局
ディレクター2年目

吉見 拓馬

私事で恐縮ですが、先日上司との面談がありました。そこで「君の持ち味はなんだね?」と聞かれ、「はて私の持ち味ってなんだろう?」と考えこんでしまった時に頭をよぎったのが川代さんでした。川代さんは、希代の愚痴り屋です。彼女が書くものの多くは愚痴から始まります。しかしそれを読んでいるとたまらなく面白い。そして多くの人の共感を呼ぶ。挙げ句の果てに、その愚痴り気質が三浦社長に評価され、自身が活躍できる場所まで手に入れてしまいます。しかし取材を続けていると、そこに至るまでには、自分の悩みや弱さを見過ごさずに、ひとつひとつ納得するまで考え続けた彼女の姿が見えてきました。

その真摯さがあるからこそ、読んでいる人の胸を打つ。そういえば「悩むことこそ、自分の持ち味」と彼女はよく話していました。持ち味っていうのは「できる」や「得意」という文脈だけで語られるものではないのだなあ、今回の取材で教えられた気がするなあ。と、いろいろ考えていたのですが、上司の質問には、ついぞ答えられませんでした。

私の持ち味って、なんなんだろう? あなたは自身の持ち味を言えますか?

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