松坂桃李さん

鴻野さんは静かな方でしたが、意志の強い野心家に見えました。たまたま神山塾に出会い、たまたま依頼が舞い込み…ラッキーなように見えますが、求める熱量が多いから自分が進みたい方に近づいているし、最終的には鴻野さんのやりたいことに到達できるような気がします。確固たる目標に向かって求め続ける人は、その人に適した環境にめぐり合うものなのかもしれないと感じました。東京でデザイナーの道を選ばなかったけれど、家具デザイナーになりたい!という強い気持ちがあるからこそ、切り拓いた道ですよね。それにしても、家具で独自性を出すのは難しそうでした。テーブルは天板があって脚があるもの。どうやって工夫するのかな?色を工夫するのかな?などと想像していましたが、古い板を使ったデザインに!同じテーブルでも、素材一つで味が変わってくるのが家具なんですね。神山での今の働き方は心地よさそうでしたが、ある程度のクオリティを極めたところで、鴻野さんの考え方がまた変わりそうな気がします…もしかしたらまた別の土地へと移っていくのかもしれませんね。番組でも見え隠れしていたフツフツとした野心、応援したいと思います!

#028

家具デザイン・製作


鴻野 祐
Yu Kono

放送: 2017年1月17日

今回の舞台は徳島県神山町。山間の小さな町ながら、外国人アーティストが住み、東京のIT企業のサテライトオフィスがあり、おしゃれなビストロがあり…。若者の移住が増えている町だ。主人公は、そんな移住者の一人、鴻野祐さん(29)。テーブルや本棚など、実用的な家具を、移住者や地元の人向けに作っている。東京の美術大学でインテリアデザインを学んだものの、都会で就職はしたくないと神山町に来て6年。生活は安定しているものの、目標としている“家具デザイナー”になるには「自分にしか作れない家具」を作らなくてはならないと焦りを感じている。

そんな鴻野さんに、ある仕事の依頼が舞い込む。古民家を改修し、移住生活を体験できる住宅を作るため、自由に家具を作ってほしいというのだ。理想の移住生活を演出するような家具を提案しなくてはならない。「自分にしか作れない家具」を作る絶好のチャンスだが、テーブルの形が見え始めたところで、考え込んでしまう鴻野さん…。一体どんな家具に仕上がるのだろうか。

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1週間スケジュール

  • しごと
  • くらし
MON TUE WED THU FRI SAT SUN

7:00

8:00

9:00

10:00

11:00

12:00

13:00

14:00

15:00

16:00

17:00

18:00

19:00

20:00

21:00

22:00

23:00

24:00

1:00

2:00

睡眠

起床・朝食・身支度

家具製作

昼食

家具製作

帰宅・夕食

温泉

ネコと遊ぶ

見積もり作成

インターネット・音楽を聴く

睡眠

睡眠

起床・朝食・身支度

家具製作

昼食

家具製作

夕食

家具製作

帰宅・インターネット・音楽を聴く

入浴

睡眠

睡眠

起床・朝食・身支度

友達に町を案内

昼食

友達に町を案内

温泉

飲み会

睡眠

睡眠

起床・朝食・身支度

掃除・洗濯

材料調達

昼食

図面作成

帰宅・インターネット・音楽を聴く

ネコと遊ぶ

夕食

図面作成

インターネット・音楽を聴く

入浴

睡眠

睡眠

起床・朝食・身支度

ワークショップ
打ち合わせ

昼食

ワークショップ
打ち合わせ

飲み会

入浴

睡眠

睡眠

起床・朝食・身支度

家具製作

昼食

家具製作

帰宅・夕食

消防団活動

デザイン検討

入浴

インターネット・音楽を聴く

睡眠

睡眠

起床・身支度

掃除・洗濯

昼食

ギターを弾く

家具製作

帰宅・インターネット・音楽を聴く

飲み会

入浴

睡眠

9:30

家具の組み立て

しごと

図面に描いたデザインを、実際に組み立てる。この段階で初めて分かることも多く、その場その場で修正。ひと通り組み立て終わったら、自分自身が上に乗って強度に問題がないかチェックする。

10:00

木材の調達

しごと

材料は、ほとんどが神山町産の杉材。アトリエから歩いて数分の所にある製材所にいつもお世話になっている。木材を買うだけでなく、加工用の機械を使わせてもらうことも。

13:00

PCで図面作成

しごと

図面作成用のソフトを使って、頭の中のイメージを図面に落としていく。家具を実際に作っている時と違って体を動かさないため、冬の間は寒さに耐えながら、黙々と作業を進めていく。

9:00

ワークショップの
事前打ち合わせ

しごと

翌月に開催予定の現場を見学。依頼主の希望で、今回はいすとテーブルを参加者と一緒に作ることになった。

19:00

飲み会

くらし

週に2、3回は、地域の仲間と集まって食卓を囲む。町内にはあまりお店が無いため、誰かの家に集まることが多い。そんな時は、参加者それぞれが一品ずつ料理を持ち寄るのがルールだそう。

19:00

消防団の訓練

くらし

毎月行われる地域の消防団の活動に出来る限り参加している。「地元の人が当たり前にやっていることを自分もやるだけ」とクールな鴻野さん。「地域に馴染もうと頑張っている」と団の先輩たちからは高評価。

シゴト選びのヒントキャリアアドバイザーによるしごと解説

大浦さん

転職サービス「DODA」

キャリアアドバイザー

大浦 征也

オオウラ セイヤ

オフィスとくつろぎの両立、既成概念にとらわれない家具づくり

いま、私たちの価値観やライフスタイルがかつてないほど多様化し、カフェやビール、洋服などは、一人の人が、シーンに応じて「安いもので十分」と「少し高くても良いもの」を分けて消費しているようです。さらに、注文を受けてからお客の好みに合わせて淹れるコーヒー、少数生産のハンドメイドの雑貨なども人気です。

同様に家具の場合も、高価な海外ブランドとプチプラブランドの家具を組み合わせて居心地のいい空間をしつらえることが珍しくなくなってきていますし、今後、家具デザイナーに注文してオリジナルの家具を手に入れるという購入行動が増えていくかもしれません。

一方、キャリアの観点では、在宅やノマド、テレワークなど会社以外の場所で働く人が今後どんどん増えてくるはずです。自宅やコワーキングスペースで仕事をして生産性を高めるには、オフィスとくつろぎの両方を兼ね備えた家具やインテリアが求められるでしょう。

神山町は古民家をオフィスにするようなユニークな企業誘致をしていますので、既成概念にとらわれない家具づくりをすることも多いのではないでしょうか。新しいニーズに応え続けることはビジネスパーソンとしての成長を加速させます。家具デザイナーとしての市場価値も自ずと高まるのだと思います。

ディレクターMEMO

及木 駿

徳島放送局
ディレクター2年目

及木 駿

「なんで神山町に来たんですか?東京とか、都会でデザイナーとして働こうとは思わなかったんですか?」
撮影中、何度もこの質問を投げかけました。一流のデザイナーとして活躍したいなら、厳しい世界に身を置くべきなんじゃないか。神山町に来たことは、そこからの“逃げ”なんじゃないか、と心のどこかで思っていたからです。
返ってきたのは、「別に有名デザイナーになりたいわけじゃない」「ただ自分にしか作れないものを作りたいだけ」という言葉でした。
「デザイナーとして成功する=一流デザイナーになる」だとこちらが勝手に思っていただけで、鴻野さんにとっては違ったんです。
周りが自分をどう評価するのかよりも、どうすれば自分自身が満足できるのかを大事にして、鴻野さんが出した答えが、神山町に来ることだったのかもしれません。

考えてみれば、周りからそれなりの評価を得られる生き方をするよりも、自分が本気で満足できる生き方をするほうが、ずっと難しいことのような気もします。そういう意味では鴻野さんは、自分を満足させるという難問から“逃げない”人なんだと、今では思っています。

制作こぼれ話は
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