松坂桃李さん

岸田さん、びっくりするくらい明るい方ですね。がんになったことを、前向きにとらえる発想というか、強さに本当に驚きました。闘病中に息が苦しくなって“死”を意識したときに人生を振り返って「自分は何ができたんだろう?」と考え、そして「これから自分は何ができるんだろう?」と考えられるなんて。がんを経験した方々や、いま現在もがんを患っている方からすれば、岸田さんが明るく情報発信する姿はきっと心強いと思います。岸田さんたちの活動は、がんではない人たちにとっても刺激になるはたらきかけだと思いました。

僕は本当に、自分の今を考えることで精一杯なので、岸田さんのように自分以外の人のことを考えて行動できる人は本当にすごいと思います。不思議ですが、健康体の僕らのほうが、“息を切らしている”感じがするんです・・・。欲張りだからかもしれないですね、健康であるがゆえに「あれも、これも・・・」となってしまって。人生を考える大きなきっかけがあると、大切なものや、やるべきことが明確になって研ぎ澄まされていくのかも知れません。今の活動をボランティアではなく事業として広げていくためにまだまだ課題もあるのでしょうが、同じU-29世代として心の底から応援しています。

#006

がん情報メディア代表


岸田 徹
Toru Kishida

放送: 2016年5月17日
アンコール放送: 2016年8月9日

今回の主人公は岸田徹さん・28歳。「がん経験者による、がん情報の発信番組」をインターネットで生放送している。特徴は、お金や恋愛、仕事のことなど、がんと診断されてから実生活をしていく上で必要になる情報を発信すること。リアルな体験談を、時に笑いも交えながら伝えている。

活動のきっかけは、岸田さん自身が25歳の時にがんにかかったこと。IT企業の営業担当として仕事に奮闘していたそれまでの生活とは一変した。抗がん剤治療と2度の手術を経て、後遺症を抱えた岸田さん。今後、どう生活していけばよいか、悩んだ時に助けになったのが、がん経験者の情報だったのだ。

活動を始めて2年。岸田さんは今、インターネットでの生放送以外にも活動を広げようとしている。「2人に1人はがんになる」と言われるこの時代、ねらうのは、一般企業の中でのがん情報の放送。ボランティアではなくビジネスとして自分たちの活動を売り込むため、NPO法人化を目指している。

今年2月には結婚した岸田さん。がんになってからも、前に前に進み続けている。そんな彼が思い描く人生デザインにせまる。

人生デザインU-29 Facebookへ
意見や感想を送る

1週間スケジュール

  • しごと
  • くらし
MON TUE WED THU FRI SAT SUN

5:00

6:00

7:00

8:00

9:00

10:00

11:00

12:00

13:00

14:00

15:00

16:00

17:00

18:00

19:00

20:00

21:00

22:00

23:00

0:00

1:00

2:00

睡眠

起床・スケジュールチェック

通勤・メールチェック

国立がん研究センター業務(メールチェック・デスクワーク)

昼食

国立がん研究センター業務(デスクワーク)

PC作業
(患者会などがん活動関係&企画提案書作成)

帰宅・読書

夕食・風呂

アニメ・自由時間

睡眠

睡眠

起床・スケジュールチェック

通勤・メールチェック

国立がん研究センター業務(メールチェック・デスクワーク)

昼食

国立がん研究センター業務(デスクワーク)

産業医への取材

外部NPO団体と意見交換

帰宅・読書

夕食・風呂

睡眠

睡眠

起床・スケジュールチェック

通勤・メールチェック

PC作業
(WEB更新&企画提案書作成)

がん検診ポスタ
ーコンテストの審査

PC作業
(NPO申請書作成&企画提案書作成)

帰宅・読書

夕食・風呂

アニメ・自由時間

睡眠

睡眠

起床・スケジュールチェック

通勤・メールチェック

国立がん研究センター業務(メールチェック・デスクワーク)

友人と昼食

国立がん研究センター業務(デスクワーク)

保険会社社長と打ち合わせ

スタッフとミー
ティング

帰宅・読書

風呂

睡眠

睡眠

起床・スケジュールチェック

通勤・メールチェック

国立がん研究センター業務(メールチェック・デスクワーク)

昼食

国立がん研究センター業務(デスクワーク)

定期検診

国立がん研究センター業務(デスクワーク)

がん関連の勉強会参加

元同僚と飲み会

帰宅・読書

風呂

睡眠

睡眠

起床・スケジュールチェック

家事

PC作業(翌日の放送準備)

妻と出かける
(ランチ・映画・買い物など)

家事

夕食

PC作業(翌日の放送準備)

風呂

アニメ・自由時間

睡眠

睡眠

起床・スケジュールチェック

移動・メールチェック

生放送準備

放送前打ち合わせ

生放送準備

インターネット
生放送

参加者とグルー
プワーク(ペイシェントサロン)

後片付け&スタッフとミーティング

帰宅・読書

夕食

PC作業(動画編集・WEB更新)

風呂

アニメ・自由時間

睡眠

24:00

アニメ・自由時間

くらし

寝る前の一番の楽しみがアニメ。もともとアニメ好きではなかった妻も巻き込み、週に4日は一緒に見ている。今はまっているのは、アイドルグループの奮闘と成長を描いた作品。癒やしと同時に元気をもらえる。

19:00

産業医への取材

しごと

企業で社員の健康管理をしている産業医の方へ、がん患者の働き方についての現状を聞く。産業医から見た企業側の課題などを探り、その解決に向けて岸田さんたちが何かできることはないかを検討している。

12:30

がん検診・啓発ポスターの
審査

しごと

この日はがん検診の受診を呼びかけるポスターデザインの審査会に呼ばれた。若いがん経験者として、どんなポスターであれば多くの人にその重要性を訴えられるかをデザイナーなどと一緒に審査。

21:30

スタッフとミーティング

しごと

もともとは岸田さんひとりで始めたインターネット生放送。これまで手伝ってくれていた人などに声をかけ、今年1月から団体で活動している。生放送の内容はもちろん、今後の団体としてのスケジュールや活動方針なども頻繁にメンバーと相談。仕事帰りや休みの日を利用して集まる。

15:30

定期検診

くらし

月に1度、自分の職場でもある国立がん研究センターで、がんの再発がないかどうか検診している。検査には1回につき1万円程度かかってしまう。

20:30

元同僚と飲み会

くらし

人付き合いを大事にする岸田さんは、飲み会などの交際費にお金を多く使う。この日は、以前働いていたIT企業の元同僚達と飲み会。今は薬を服用していないので飲酒は可能だが、岸田さんはもともとお酒が苦手。こうした場では何よりおしゃべりが楽しみ。

20:00

夕食

くらし

一人暮らしだった頃はカップラーメンとコンビニ弁当ばかりだった。今年2月に結婚してからは、妻の枝李馨さんがいつも栄養満点の食事を作ってくれる。お米はいつも玄米。

14:00

生放送

しごと

月に二回、日曜日の14時が生放送の時間。国立がん研究センターの食堂を貸し切ってやっている。基本的には2時間の放送だが、視聴者や会場の反応を見て適宜延長。マジメさだけでなく「ゆるさ」も大事にしている。

16:00

参加者とグループワーク

しごと

放送後は、ゲスト出演者と会場の参加者で「笑顔になるために工夫していることは?」「闘病中におすすめのおやつ」などをテーマに話し合う。「患者あるある」な話で盛り上がる。

シゴト選びのヒントキャリアコンサルタントによるしごと解説

大浦さん

転職サービス「DODA」

キャリアコンサルタント

大浦 征也

オオウラ セイヤ

健康なときにもがんへの意識を

がんは日本人の死因のワースト1(厚労省 平成26年「人口動態調査」)です。自分や家族ががんにかかる確率を考えると、“もしも”の時に病気とどう向き合うのか、誰にとっても無関心ではいられません。また、急速な高齢化が進む日本では社会問題でもあります。

製薬業界の各社はオンコロジーといって、がんの治療薬の研究・開発に注力しており、手術や検査の機器も医療機器とは無縁だったメーカーが画像処理や素材開発で参入が相次いでいます。その結果、早期発見が可能になり、患者の体に負担の少ない手術や治療が実現しています。このように医薬や機器の開発によって治療の選択肢が増えてきました。

どんな治療を選択するか自分自身で納得いく判断ができるように、普段から情報や知識を持っておくべきなのでしょう。それは治療に関する情報だけでなく、回復後のケアや予防など生活全般の情報に及びます。岸田さんの活動はがん患者の内面を掘り下げたインタビュー番組ということで、そのための大切な情報源だと思います。がんになった時に、自分の体や心にどんな変化が起こるのか、仕事への影響、備えておくことは何か…など健康なときにこそ考えておきたいものです。

ディレクターMEMO

根兵 皇平

NHK制作局
ディレクター11年目

根兵 皇平

20代でがんにかかる人は、決して多くはありません。そのため、番組をご覧になった皆さんも「まれな人の、まれな生き方」という、ある種、自分とは関わりのない話として受け取ったかもしれません。

でも、ぼくが本当に見てほしかったのは、むしろ「がんではない」、「がんと関わりなく生きている」人達です。

ぼくもがん経験はありませんが、一昨年に父ががんになったのを機に、がん自体には関心を持っていました。岸田さんへの取材も、最初はそんな気持ちからスタートしました。ただ、そのなかで、岸田さんの活動の意味や、それに対する強い思い、そして何より「一日一日を大切に生きる」姿に、ものすごく刺激を受けました。

岸田さんの場合はがんになって初めて、「人生が有限」だということに気がついたと言います。だからこそ「一日一日を大切にする」という境地になれたんだ、と。

でも「人生が有限」なことは、どんな人でも同じはずです。そして一日を大切にしなきゃいけないのは、誰も同じはずです。

今回の回を作るにあたり、制作スタッフの中でも常にそんなことを意識してやってきました。ですので、「がんとは関係ない」けれど見てくれた皆さんに、少しでもそうした思いが届いていたら、大変うれしく思います。

制作こぼれ話は
番組公式Facebookへ
人生デザインU-29 Facebookへ
あしたをつかめ〜しごともくらしも〜
あしたをつかめ〜平成若者仕事図鑑〜
NHK for School 人生デザインU-29 Facebook
Page Top