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総合テレビ 毎週土曜 午後10時
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2009年 8月8日 土曜 午後8時〜8時43分
ニッポンは勝ち残れるか 激突 国際標準戦争
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日本の技術の粋を極めた薄型テレビ。その一部が輸出できなくなる“危機”に直面した。
原因は、世界共通の規格「国際標準」。高画質を際立たせる画面の光沢を、去年、欧州が規制したのだ。照明等の映り込みが不快感を引き起こす、との理由であった。日本各社の必死の反撃で、規制は年内には撤廃される見込みであるが、日本は危機感を募らせた。

「国際標準」を決めるのは、主にISOなど3つの国際標準機関。いずれも、スイスのジュネーブに本部がある。1995年、WTO(世界貿易機関)発足に伴い、輸出入や公的分野では国際標準に合致することが加盟国の義務となった。しかも標準を決めるのは1国1票の投票。国数の多い欧州には圧倒的有利だ。日本は苦戦を強いられてきた。
そんな中で、巻き返しを図る、ある日本チームをわれわれ取材班は追った。
1月末、インド・ニューデリー。東京電力、東芝、三菱電機、日本AEパワーシステムズの4社17人がここを訪れた。電力分野の「国際標準化」シンポジウムに参加するためであった。参加者は世界から約300人。日本チームは世界最先端の送電技術をアピールした。

それは、「超高圧送電」(UHV)技術である。上記の企業連合が30年以上かけて実現した巨大プロジェクトの成果で、現時点では世界最高の1100kVでの送電を可能にした。従来の4倍の電力をはるか遠くまで一気に送ることができる。中国やインドをはじめ、広大な国土を持つ国々に売り込めれば、今後20年間で1000兆円とも言われる市場に参入できる。そのためには、国際標準化が不可欠だった。

日本は、上記の企業連合や大学を中心に総勢33名のチームを3年前に結成。UHVに関する話し合いがあれば世界中どこへでも駆けつけ、技術力と完成度の高さをアピールする大規模な人海戦術を取ってきた。なぜそこまでするのか?

IEC(国際電気標準会議)の国際標準には、既に1050kVと1200kVという2つの電圧が登録されている。しかし、30年も前に登録されていながら、技術は未だ確立せず使われていないなど、「名ばかり」の標準であった。開発の途中、あるいは着手する前から国際標準に登録し、先に枠を確保しておくのは欧米では珍しいことではない。
日本としては、技術を完成させた1100kVが、これら名ばかりの標準とは全く異なることを世界に理解させ、国際投票で支持してもらうことが至上命題であった。
日本が注目したのは、世界最大の電力市場を持つ中国。広大な国土をカバーする送電網の整備を急いでいた中国は、完成した日本の1100kVの技術を導入することをいち早く決めていた。そのことをアピールできれば、国際投票でプラスになると期待していた。

1月、インドで開催された国際シンポジウムで、中国は日本の技術協力を受けた1100kVの試験運転を始めていることを映像と共に公開。予想外の進展ぶりに世界の専門家たちは息をのんだ。
しかし、一筋縄ではいかないのが国際標準だ。主催国のインドが、「1200kVを採用する」と宣言。さらにそのインドを支援することを、欧州の強豪・ドイツが宣言したのだ。ドイツは、技術開発の第一歩から国際標準化を進めるほどの「標準化大国」である。
国際投票に向けて、日本チームが行なった分析では、投票数は最少でも20ヵ国。IECの規定では、この場合、反対を5票までに抑えねばならない。反対が見込まれる国はドイツ、スウェーデンなど5ヵ国あった。当落ライン、ギリギリと言える。
3月下旬、日本チームは勝負に出た。世界の専門家を日本に招き、群馬県にあるUHV施設に案内、日本の技術力と完成度の高さを直接見てもらうという作戦に出た。海外の専門家がまず驚いたのはその静けさ。さらにコンパクトな設計であった。洗練された日本の1100kVの技術は、賛否を明確にしていなかった国々の背中を強く推すことになった。
この同じ日、スウェーデンでは、日本の1100kVに反対と見られるドイツ、スウェーデンなどの国々が戦略会議を開いていた。日本チームはこれに敢えて参加し、敵方の出方を見た。欧州でも大規模にUHVを導入するとして主導権を握ろうとするドイツやスウェーデン。
日本は秘策に出た。会議に参加していた中国の担当者に会場外で接触。ドイツやスウェーデンに対し、賛成に回るよう働きかけてもらうという大胆な戦略である。中国代表は両国に話をすることを約束した。
そして国際投票の結果――。ドイツ、スウェーデン、スイスが揃って賛成。日本が30年がかりで開発したUHV技術(1100kV)が、ついに国際標準に認められた。
今回、技術力に加え、企業が一致団結してあたることで成功を手にした日本。しかし、国内の標準化を進める体制はまだまだ十分ではない。開発の傍ら、世界を飛び回って標準化を進める技術者達の大変さ。不況で削られる標準化予算・・・。今後、日本の製造業が生き残っていくためにも、国際標準化に向けた早急な対策強化が求められる。
追跡!AtoZ_国際標準22274-8215
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