都内の公園、最近、こんな光景を見かけることも。 |
そんなカジュアルな野点の流行のきっかけを作ったと言われているのが、尾木原暁子さん。尾木原さんはカフェオレボウルなど、雑貨感覚で選んだ道具を用いて、海や山などさまざまな場所で野点を催してきました。 |
現代茶湯プロデューサー 尾木原暁子さん 尾木原 「自由な感性で自然の中で楽しむのが、一番の魅力かなと思っております。“和のピクニック”という感じで皆さん楽しんでらっしゃるのではないでしょうか。」 |
「野点」とは野外で自然に接しながら、茶を点てること。 |
茶人 木村宗慎(そうしん)さん 木村 「よくお茶で“直心(じきしん)のまじわり”と言います。野点の席でも、自然の空間の中で人と人とが真心こめてまじわり合うということが一番大切だと思います。」 |
自然の中で茶の湯を通じ、心を通い合わせる野点。 |
壱のツボ 自然を満喫する しつらえ
一方、尾木原さんたちのカジュアルな野点でもしつらえを大切にしています。企画したのは海辺での野点。 |
尾木原さんたちのしつらえは、遊び心一杯に自然を生かしたもの。できるだけその場所にあるものを利用するのが、彼女たちの流儀です。 尾木原 「自然の中にあるものを使って茶席をつくりあげていく想像力を皆さんで楽しむことが、野点の醍醐味(だいごみ)ではないかと思います。」 |
弐のツボ 茶箱に秘めた組み合わせの妙
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この日、庭での野点に訪れたのは、祖父の代からつきあいのある、骨董(こっとう)好きのお客さんです。村瀬さんが用意したのは、漆工芸家だった祖父が大事にしていた器。お客さんに祖父を思い出してもらおうというねらいです。 |
また、骨董にあえてモダンな品を合わせることができるのも、野点だから許される組み合わせです。 |
参のツボ 大自然に負けない小さな茶碗(ちゃわん)
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こちらは栃木県益子町に窯をかまえる、陶芸家の二階堂明弘(にかいどうあきひろ)さん。 |
そのためろくろを使用せず、手でこねて成形します。ポイントは、へらを使って大胆に土をこそぎとること。「しのぎ」と呼ばれる技です。 |
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歴史に名を残す茶人は、どのような野点茶碗を使っていたのでしょうか? |
いずれも一級品の茶道具。40点余りの茶道具類がこの箱ひとつに収められているとのこと。 |
そこで茶道家の北見宗幸(きたみそうこう)さんに、野点に使われたと思われる道具を選んでいただきました。 |
こちら。刷毛目(はけめ)茶碗といい釉薬(うわぐすり)を刷毛で引いたあとを、あえて残したもの。落ち着いた風情の中に、雄大な自然の光景が隠された茶碗です。 |
茶道家 北見宗幸さん 北見 「刷毛目の姿が雲の流れに感じるかもしれませんし、風がふっと吹いた姿にとられるかもしれません。そういったことを感じる茶碗だと思います。」 |
最後にもうひとつ、野点ならではの茶碗の味わい方をご紹介しましょう。茶碗コレクターの小笠原 更(おがさわらこう)さんの楽しみは、野点茶碗をバッグの中に入れて持ち歩き、気に入った場所で茶を点てること。 |
茶碗コレクター 小笠原更さん 小笠原 「野点の場合は、外の光で直に器を見ることができるというのが一番大きいかなと思います。色んな場所に行くことによって、一つの茶碗がまったく別のものに見えてくるのが、野点の楽しみじゃないかと思います。」 |
刻一刻と変わっていく茶碗の表情。中でも夕日に照らされる茶碗は格別だといいます。小さな茶碗に映し出される、雄大な自然。色んな場所で、 そんな一期一会の風景を味わえるのも、野点の醍醐味です。 |
今週の美の壺のスタッフ制作日記、見て頂けましたか?
私もプチ野点を体験してみましたが、気持ち良いものですね。
しゃかしゃかと抹茶を点てる音を屋外で聞いていると、すがすがしい気分になりました。
自然の中で心地よくリラックスしながらも、少し背筋を伸ばしてお茶のひとときを楽しむ時間、なのかな。
そして普段(ふだん)何気なく見ていた花や芝生、木々を、“掛け軸”として見ると本当に面白い!
そこにある景色が、あっという間に自分たちだけの掛け軸に変わるんですものね。
今回のテーマで改めて感じたことは、野点の大切な要素は、何よりも“思いやり”であるということ。
相手のために場所を選び、ふさわしい器を用意し、茶を点てる。
心を通わせるためには、準備の段階から相手のことを思うことが大切なんですね。
まずは、自然の中で映えるお気に入りの器を手に入れたいな。
楽曲名 | アーティスト名 | 使われた場所 (番組開始後) |
Moanin' | Art Blakey & The Jazz Messengers | 0分2秒 |
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My Romance | Joy Bryan | 1分31秒 |
Blue Skies | Itzhak perlman & Oscar Peterson | 3分8秒 |
Sophisticated Lady | George Benson | 4分44秒 |
Nice And Easy | Marty Paich | 6分24秒 |
In Your Own Sweet Way | Keith Jarrett | 6分59秒 |
Nice And Easy | Marty Paich | 8分20秒 |
Stablemates | Beegie Aair | 9分23秒 |
My Romance | Bill Evans Trio | 11分1秒 |
Flip Flop | 赤松敏弘 | 12分45秒 |
Giant Steps | Joe Pass | 14分23秒 |
Bluesology | Modern Jazz Quartet | 16分30秒 |
Bullpen | Magnus Hjorth | 17分46秒 |
If I Were A Bell | Miles Davis | 20分32秒 |
Falling Falling Petals | 南博 | 22分10秒 |
Naima | Toots Thielmans | 24分12秒 |
It's Magic | Curtis Fuller | 26分20秒 |
Lazy Angel | 寺井尚子 | 27分58秒 |