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東京から車で2時間半の、栃木県益子町は、春と秋に陶器市が開かれ、年間200万人以上の観光客が訪れます。どっしりとしたふだん使いの器、益子焼。 温かみのある風合いが、持ち味です。 |
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日本の民芸を広める活動をしてきた、佐々木潤一さんは、益子焼について、こう解説します。 佐々木 「益子の器となると、窮屈なものじゃなく、華やかなものじゃなく、いもの煮っ転がしであるとか、いわゆる農山村で食べる食事ですね。あるいは都会のごく日常の食事に使われる器なんですね。いずれにせよ、非常に素朴な田舎の香りのする器ということがいえると思います」 |
壱のツボ 土の香り
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ここは100年以上にわたり、益子焼の「土」を供給してきた山。一見焼き物には不向きな、砂気が多い土といいます。 |
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洗練された陶器にはない、ごつごつした土の質感を逆手にとったのが益子焼です。陶芸家の小野正穂さんは言います。 小野 「まず僕が飛びついたっていうか、自分の感性に合うっていうのはざっくり感ですね。ざくっとした砂目、質感というのが好きなんです。なるべく自然な形というか好きなので、ずっと土にこだわってやってますけどね」 |
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益子の土の魅力を引き出すのは登り窯です。薪(まき)を燃やした柔らかい火で、3日間かけて焼き上げます。鉄分の多い土に釉薬がしみ込み、薪の灰が表情を与えます。 |
弐のツボ 柿の色
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益子焼には、柿の色をほうふつとさせる、茶褐色が多く見られます。 |
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柿釉にみせられた陶芸家がいます。萩原芳典さん。 |
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柿釉は、かける量や、焼く温度で仕上がりが大きく異なります。 |
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奥深い魅力を持つ「柿釉」。 |
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その赤粉に手を加え、益子を代表する釉薬にした窯元があります。陶芸家の濱田晋作さん(右)の父親が、柿釉を作り上げました。濱田晋作さんは言います。 濱田 「名前はそれまでに柿釉って名前はなかったです。果物の柿にだんだん近寄ってる釉だということで、それで赤粉が柿釉になったわけ。食いしん坊の父だったですから、偶然そういうのが出たんでしょう。」 |
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「食いしん坊」といわれるこの方こそ、益子を世界的に有名にした陶芸家、濱田庄司です。 |
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その材料のひとつが裏山のクヌギの木。 燃やして出来た灰を水に沈ませアクを抜き、濱田の作ったレシピに基づいて柿釉に混ぜると、全く別の釉薬が生まれます。 |
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渋みのある黒釉です。濱田は、温もりのあるこの黒を使った作品を、数多く残しました。 |
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濱田庄司の窯を受け継ぐ、陶芸家の濱田友緒さんは言います。 濱田 「柿釉は、硬くないしやわらかみがあって温かみがあります。 |
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心和む、実りの秋の代名詞=柿にたとえられた「柿釉」濱田は、 |
参のツボ 流し掛け
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たっぷりと注がれた釉薬が、器の上を縦横に走ります。 |
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道具は筆ではありません、このひしゃくでした。 |
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濱田の代表的な技法の一つ、「流し掛け」。その発想の源が、濱田が収集し、創作の糧とした工芸品を展示する、「益子参考館」に見られます。古代から現代に至る、世界各地の 手仕事が集められています。 |
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器をはみ出して伸びる、大らかで力強い線。 濱田 「一番難しいのは、一本ずつ引くのが難しいんです。そっくりその人が出てしまいますからその線に。濱田がやれば濱田の線になります」 |
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濱田の流し掛けは、「作ったものというより、生まれたものと呼べるようなものになってほしい」という、作為的な作品を嫌った濱田が修練の末到達した境地です。 |
「何と勢いがあり、モダンな作品なのだろう・・・!」 ひしゃくを使って描かれた大皿を見たとき、「一期一会」の味わいを感じました。同じ方が描いても、決して同じ柄にはならない・・・。一枚一枚と真剣に向き合ったからこそ生まれた大皿を見て、身が引き締まる思いでした。私も1人1人との出会いを大切に、一つ一つの仕事との向き合い方も 「一期一会」 の精神を忘れないようにしなくちゃって、真面目に考えました。
楽曲名 | アーティスト名 |
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Relembrando Meu Pai | Nicolas Krassik E Cordestinos |
My Funny Valentine | 佐山雅弘 |
A Sleepin' Bee | Kenny Burrell |
Work Of Art | Art Farmer Septet |
Cordestinos | Nicolas Krassik E Cordestinos |
Latona | John Patton |
Flying Home | Lionel Hampton |
Michie (Slow) | Kai Winding |
Autumn In New York | Jose James & Jef Neve |
Chamego Bom | Nicolas Krassik E Cordestinos |
Miss Booty | 半野喜弘 |
Spring Song | Don Friedman Trio |
Row, Brothers, Row | Turtle Island String Quartet |
Lush Life | Jose James & Jef Neve |
I've Grown Accustomed To Your Face | Sonny Rollins |
Meu Galo | Nicolas Krassik E Cordestinos |