白塗りのお化粧、日本髪にかんざし。しゃれた帯に、豪華な帯留め。全身を日本の美で飾った舞妓は京の街を華やかに彩ってきました。 |
舞妓の美にひかれ数多くの著作を発表してきた相原恭子(あいはらきょうこ)さん。 相原 「日本の建築の中で日本らしい伝統的な衣装を着て、日本のマナーを勉強して、そうした若い女の人たちが今も本当に生きていて、日常生活を京都で送っている。そうしたところに私は伝統の強さと日本の誇り、そしてその見事さを感じています」 |
舞妓が活躍するのは芸や料理で客をもてなすお茶屋。右の女性は舞いや三味線などの芸事をおさめた芸妓(げいこ)、左の女性が舞妓です。舞妓は、芸妓を目指して修業に励む少女のことなのです。 |
壱のツボ 装いは少女の華やぎ
京都、東山にある宮川町(みやがわちょう)。 |
さて、舞妓ならではの装いとはどんなものなのでしょうか。お姉さん格である芸妓と比べてみましょう。 |
衣装をあつらえるのは、舞妓の世話をする森田繁子さんです。 森田 「おぼこく(幼く)って、初々しくて、かわいらしいっていうのを演出させていただきますので、衣装は華やかなちょっと派手めのものにさせていただきます」 一つ目のツボは、 |
かつて、舞妓は10歳から13歳の子どもでした。舞妓の装いは子どもらしさを引き立てるかわいらしいものでした。 |
足元には、高さ10センチもある履物「おこぼ」。幼い舞妓の身長を高く見せるためのものでした。新米の舞妓には、内側に鈴が付けられ、歩くたびにかわいらしい音が鳴ります。 |
そして、舞妓の象徴、長く垂れた「だらりの帯」。これも、舞妓の幼さを強調するものでした。 |
10代後半の女性が舞妓を務めるようになった今、帯結びの形にアレンジが施されるようになりました。 |
堀切 「帯をクロスさせることによって、女性らしいラインっていうのが強調されると思うんですね。広がって見せるよりも、両サイドがシェイプされて舞妓さんのシルエットがきれいに見えますね」 2つに割れていたたれを交差させることで女性らしいシルエットが生み出されます。 |
弐のツボ 白赤黒が引き出す色香
3人の舞妓は、昼間は専門の学校で舞いや三味線などの稽古(けいこ)をつけてもらいます。ふだんは、ごく一般的なお化粧です。 |
午後3時。 |
舞妓の化粧道具を見せてもらいました。 |
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舞妓、芸妓を経て、舞妓のしつけをしているふく笑(ふくえみ)さんです。 ふく笑 「昔からの白粉(おしろい)道具だけでうちら白粉してんのどすけれども、鬢(びん)付け油をひいて、昔は江戸時代から女性は白い白粉と赤いお紅と黒の眉墨(まゆずみ)しかない中で自分の顔を一生懸命きれいに見せよう思って白粉してんのどす」 二つ目のツボは、 |
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舞妓3年目のふく帆さんのお化粧の様子をのぞいてみましょう。 |
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顔の白塗りにもポイントがあります。ムラを作らず、均一に塗ることです。 |
参のツボ 結い髪は大人への階段
舞妓はかつらではなく、自分の髪で結っています。よく見ると舞妓にはいろんな髪型があります。デビューしてから芸妓になるまで髪型を変えていくのです。 三つ目のツボは、 |
京都祇園で100年以上にわたり髪結いをしている美容室にお邪魔しました。 |
髷(まげ)を高く作ると若さが強調されます。 |
髪を彩る花かんざし。 |
花かんざし職人の定永光夫(さだながみつお)さんです。 定永 「はじめはかわいい色合いで、小花が多いんですけども、もう少ししますと舞妓さんがつけるかんざしが変わりまして、お花の輪が大きくなって大人っぽい雰囲気になっていきますね」 |
かんざしの花の大きさに注目してみてください。おおよその年次がわかります。 |
舞妓さんたちの“かわいらしい素顔”を見ていると、とても身近に感じられるようになりました!化粧をした“大人びた表情”は美しいのですが、別の世界に住む遠い存在に思っていたのです。心から応援したくなったのは、芸の道一筋に励むプロ根性を見たとき。10代といえば最も遊びたい年ごろなのに、彼女たちは真剣な表情で、毎日稽古に励んでいました。京の花街といえば華やかな印象があります。しかし、そこで輝くために彼女たちは人の何倍、何十倍も努力を重ねているのでしょう。親元を離れ、同世代よりも早く社会に出ている訳ですから、一人では抱えきれないほどのつらいことや悲しいことも多く経験しているのではないかしら?と、勝手に子を思う母のような心境になっていました。
「美しい白鳥は、一見すると優雅に泳いでいるようにみえる。けれど水面下では必死に水をかいている。華やかな世界に見えていても、その裏側ではみんな歯を食いしばって頑張っていると思うよ。」放送業界にあこがれていた10代のころ、父が話してくれた言葉を思い出しました・・・。私はいつも足をバタバタ動かしすぎて、皆さんにお見せしている姿は全く優雅ではありませんね(苦笑)。
楽曲名 | アーティスト名 |
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Someday My Prince Will Come | Miles Davis |
I Won't Dance | Oscar Peterson , Stephane Grappelli Quartet |
Here's That Rainy Day | Niels Lan Doky |
Flip Flop | 赤松敏弘 |
Just Friends | Charlie Parker |
Body And Soul | Fabrizio Bosso New Project |
五色の合方 | 伝統曲 |
I Can't Believe That You're In Love With Me | Stan Getz |
Young And Foolish | Bill Evans |
Bei Dir War Es Immer So Schon | Beni Schumid Obsession |
Mam'selle | The Dave Brubeck Quartet |
Blue Skies | Itzhak Perlman , Oscar Peterson |
Kiss & Run | Milt Jackson |
Be My Valentine | David Benoit |
When I Fall In Love | Blue Mitchel |
Let's Cool One | 嶋津健一 |