代表的な日本庭園のスタイル。『池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)』。 |
旧並河靖之(なみかわやすゆき)邸の庭。 |
軒下まで迫る池。 |
壱のツボ はるかなる理想郷を回遊せよ
まずは、庭に表現された世界観に注目します。 |
庭園文化研究家・田中昭三さんです。 田中 「日本の庭っていうのは理想郷。庭に秘められ思いを一つ一つ読み解いていくと、日本の庭を見る楽しみがもっと増す」 一つ目のツボは、 |
ご存じ、京都、金閣寺の庭。 |
池は広大な海を表します。真ん中に浮かぶ『葦原島(あしはらじま)』は日本列島です。 |
続いて、黄門様こと、水戸光圀(みとみつくに)が完成させた小石川後楽園(こいしかわこうらくえん)。 |
数歩で渡れるようなミニチュアの渡月橋。 |
弐のツボ 水音の深い響きに仕掛けあり
京都、比叡山の山麓(さんろく)にある詩仙堂(しせんどう)。 |
詩仙堂丈山寺・石川順之住職です。 石川 「これは『洗蒙瀑(せんもうばく)』と言って、人間が本来持っている悩みとか、邪(よこしま)な心とか、俗世間のアカを洗い流すという意味で、滝の音が精神的にも落ち着かせてくれる」 二つ目のツボは、 |
詩仙堂には石川丈山(いしかわじょうざん)が初めて庭に持ち込んだ、日本人にはなじみの深い、音の仕掛けがあります。
『ししおどし』です。 石川 「音が何も無いと静けさが印象に残らないが、時々、カーンとたたく竹筒の音で、音と音の間の静寂をよりいっそう際立たせる効果がある」 |
次にご紹介するのは、京都で『水の魔術師』との異名(いみょう)をとったあの、植治(うえじ)が、あえて池や川を造らなかった庭です。 |
江戸時代に考案された『水琴窟(すいきんくつ)』と呼ばれる装置。 |
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水を垂らすと… |
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造園家・田村光さんです。 田村 「水琴窟の美しい音っていうのはその滴にあるんですね。小さなしずくでは美しい音は鳴りません」 |
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どういうことなんでしょうか? |
苔涼庭(たいりょうてい)当主・大橋亮一さんです。 大橋 「水の無い庭なんで、それに代わるものとして、水琴窟を考えた。水琴窟の音を聞いてもらいながら、庭の水を想像してもらおうという役目が水琴窟にあるのでは」 美しい水音の響きに耳をすます… |
参のツボ 水面(みなも)が映す幻想の美
こちらは、小石川後楽園にある円月橋(えんげつきょう)です。 三つ目のツボは、 |
巨大な橋がかかった池。 |
水景園設計者・吉田昌弘さんです。 吉田 「昔からの技法なんですよ、水鏡っていうのは。ご覧のように色んな水面があるが、巨大な水面が巨大な水鏡(みずかがみ)になる」 |
日が暮れると、巨大な水鏡(みずかがみ)が本領を発揮します。 |
最後にとっておきの景色をご覧下さい。 |
浄瑠璃寺住職・佐伯快勝さんです。 佐伯 「池の上に影を映して、それを見るという発想は明らかに遠い世界を見るということ。 池の面を通して、阿弥陀(あみだ)様が自分の姿を見てくれているという感じがする」 |
しかし、真ん中の阿弥陀仏はひさしが視界をさえぎり顔を見ることができません。 |
お気に入りの“水のある庭”をあげるならば、私は浜離宮と答えます。
江戸時代の代表的な大名庭園で、潮入り(しおいり)の池があるからです。この大きな池は東京湾の海水をひいています。潮の満ち干によって趣が変わるともいわれています。青い空を鏡のように映す水面を見ていると、ふと、水紋が押し寄せてきます。その波紋をたどっていくと・・・、気持ちよさそうに泳ぐ水鳥たちの姿が。私はこの場所に着くと、いつも大きく深呼吸をします。都心にいながら本当にリラックスすることができるのです。そしてお楽しみがもう一つ!池にかかる橋を渡ると、御茶屋があります。静かな池を眺めながら頂くお抹茶とお菓子はオススメです。
江戸時代に作られた庭園からは近代のビル群も見えます。でも、池の水がそれぞれの緩衝材になってくれているようで、その景色も調和して見えます。
皆さんも水のある庭で心穏やかなひとときを過ごしてみて下さい!
楽曲名 | アーティスト名 |
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After the Rain | 中島ノブユキ |
Invitaciōn | 飛鳥ストリングス・ウィズ・ウーゴ・ファットルソ |
Funny Face | Michael Tilson Thomas cond. Buffalo Philharmonic |
Gigi | Stanley Black cond. London Festival Orchestra |
Uncle James | Christian McBride |
Girl Crazy | Michael Tilson Thomas cond. Buffalo Philharmonic |
Ladies in Mercedez | Triplet's |
My One and only Love | Eddie Higgins |
Desert Lament | Ron Carter |
The Way We Were | Harold Mabern |
Small, Good Thing | 市原ひかり |
Lullaby for the Naive Ones | Anat Cohen |
Skeeter Blues | Lewis Nash |
D's Choice | Terence Blanchard |
Rocker | Bill Charlap |
Moonlight Sonata/Yesterdays | Beethoven/Jerome Kern |
Days of Wine and Roses | Manhattan Trinity |
Ballad for Miles | Dusko Goykovich |