素朴で飾り気がないけれど味わい深い姿。 |
壱のツボ 尾の曲線に美あり
日本犬の尾には大きく分けて2種類あります。 |
完全に巻いているのを「巻き尾」と呼びます。 |
日本犬保存会の卯木照邦さん。 卯木 「この巻いた尾の中にピンポン玉1つ入るくらいの空間ができるというのが非常に美しい尾の形と言われています」 一つ目のツボは、 |
こちらをご覧ください。今から、およそ1500年前、日本で作られた埴輪(はにわ)。 |
曲線を描く尾が美しい秋田犬。 |
大正時代、秋田地方では「闘犬」が人気を博します。 |
なぜ、それほどまで、尾が尊ばれてきたのでしょうか。 |
やがて緊張が和らぐと、尾は元の、姿に戻ります。 |
ノンフィクション作家の吉田悦子さん。 吉田 「日本犬って、あまり感情、喜怒哀楽があらわでないので飼い主さんは、シッポから感じとってる」 言葉を話さない、犬。古来、尾で人と対話してきました。 |
犬のこまやかな感情が表われるからこそ、日本人は尾を大切にしてきたのです。 |
弐のツボ 着物に映える白と黒のコントラスト
次は、日本原産の“愛玩犬”をご紹介しましょう。 |
国犬狆保存会代表の小幡淑久さん。その魅力は、白と黒のコントラストだと言います。 小幡 「白い肌と黒い髪がどんな着物を着ても合うように、色彩が白・黒なのは、日本の古来の色に合うと思う…」 二つ目のツボは、 |
狆の形と色は、高価な着物を着た女性が畳の上で飼うことを考えに入れて、改良されたものです。 |
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今度は、紫の着物と狆。 |
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淡い色合いの着物でもこのとおり。 |
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くっきりとした白と黒の姿は、優美な和の空間の中でいっそう輝いて見えるのです。 |
参のツボ 風土がはぐくんだ毛並みの美
日本犬の毛並みは、原産の土地の風土、暮らしの中ではぐくまれてきたものでした。 |
三つ目のツボ、 |
動物写真で知られる、岩合光昭さん。 岩合 「この光の中で、毛並みが輝いて、赤く、その毛の美しさを出すためにも、この山と光と水とかが必要その土地の中で、しば犬が撮れれば、しば犬らしさが映るんじゃないかと思っています」 |
この日撮影した一枚。故郷の自然の中で、イキイキとした表情を浮かべています。 |
こちらは古くから、アイヌの人々が飼ってきた猟犬、北海道犬。 |
古くから地域の人に寄り添い、時に助け合いながら生きて来た日本犬。 |
私には心を通わせた「日本の犬」がいます。名前は”コロ”。子犬のとき、ダンボールの中にずぶぬれになって捨てられていた、メスのしば犬です。親友と2人、学校帰りに見つけて連れ帰りました。しかし、当時の私の家はペット禁止のマンション。その上、父には犬に対してゆずれないポリシーがあったのです。「飼うのなら大型犬!しかも自由に走り回れる大きな庭がないとかわいそうだ」というのです。引っ越す予定も無かった古野家で、「犬を飼う」ということは絶対に許されませんでした・・・。親友の家は以前にも犬を飼っていたことがあり、子ども2人で泣いて頼み込んだ結果、子犬は無事に飼い犬となったのです。”コロ”と名付けられたその犬を私も一生懸命かわいがりました。散歩はほぼ毎日、小屋の掃除やしつけもいっしょに担当しました。コロもそんな私を家族の一員として認めてくれていたと思います。外へ遊びに行くときはいつもついてきて、危ないことが無いようにと見守ってくれていました。
中学・高校と進学するにつれ、コロと過ごす時間は少なくなっていきましたが、遊びに行ったときにはいつもと変わらず受け入れてくれました。会うとちぎれんばかりにしっぽを振って迎えてくれたコロ。私が帰る用意を始めると、察して、悲しそうに鳴いていました。そんなコロと最後に会ったのは、大学卒業を控えて帰郷したとき。久しぶりに会ったコロは10歳すぎのおばあちゃん犬になっていました。体つきはかなり細くなっていましたが、ちゃんと覚えていてくれたのです。ほとんど見えていない目を必死に私の方へ向けて、声とにおいに反応していました。コロをずっと抱きしめて、今までありがとうと感謝を伝え、なかなか会えなかったことを謝りました。私の感覚だけですが、そのとき、コロと気持ちが通じ合えたような気がしたのです。コロはもういませんが、私の心の中で、今も生き続けています。
楽曲名 | アーティスト名 |
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Mon Oncle - Adios Mario | F.Barcellini |
I Love You | Hugo & Luigi Their Orchestra And Chorus |
On A Clear Day You Can See Forever | Cal Tjader & Eddie Palmieri |
El Salon Mexico | Larry Coryell |
Minor Vamp | Curtis Fuller |
Song For The Boys | Pat Metheny |
Everything Happens To Me | Wynton Marsalis |
Manege | F.Lemarque |
Dusty Springfield | Blossom Dearie |
Someday My Prince Will Come | Bill Evans |
A Young Man's Fancy | Paul Smith |
Chanson Des Forains | Jean Yatove |
Faithful Brother | Paul Desmond |
My Song | Pat Metheny |
Clara | Duke Pearson |
Tournee Rapide | Jean Yatove |
Au Drugstore | F.Lemarque |