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少女雑誌は明治時代に始まりました。 |
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東京にある弥生美術館では少女雑誌の展覧会が開かれ(10/1~12/23)、廃刊された雑誌が復刻されるなど少女雑誌の芸術性が今、改めて注目されています。 |
壱のツボ カバーガールの瞳の奥を見よ
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雑誌の表紙絵の少女像、その瞳は明治から大正、昭和にかけ徐々に大きくなっています。なぜでしょうか? |
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明治38年11月号の「少女界」の表紙絵。少女の目は、線や点でシンプルに描かれています。江戸時代以来の美人画の伝統を受け継いだ顔です。 |
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大正5年2月号「新少女大」。正時代、竹久夢二の描く少女像が登場。初めて瞳が開き、瞳の輝きが描かれています。語りかけてきそうな、生き生きとした表情が生まれました。 |
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大正15年2月号「少女画報」。夢二の後、大きな瞳が主流になります。高畠華宵(たかばたけかしょう)の描く少女は、大きな二重まぶた。白めが強調され、あでやかさが特徴です。 |
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昭和14年4月号「少女の友」。瞳は、昭和に入ると極端な大きさになります。中原淳一の絵です。大きな瞳が支持された背景には、当時、自由な発言ができなかった少女たちが目で自分の意思を伝えたい、という自己表現への思いが反映されている、と評論家の上笙一郎氏は語ります。 最初のツボは、 |
弐のツボ 付録は夢一杯の紙の宝石
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小さくても、かれんで精巧な技術を使った付録の数々。当時の少女たちが何より大切にした宝物でした。 |
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千葉県に暮らす花田みよさん。戦争中は、付録をリンゴ箱につめて田舎に疎開させたおかげで、今も70年も前の付録に囲まれて少女時代を懐かしむ日々です。 |
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「少女の友」昭和12年1月号付録。「スーヴニール」思い出、と題された小さなノートです。表紙は、木彫りかと思う重厚な立体感。実は、厚紙を型押し、凹凸をつけたもの。 |
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当時、付録は輸送上の規制から、紙しか使えないことになっていました。 広げると中原淳一の絵と北原白秋など文豪の詩が描かれています。 |
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「少女の友」を出版した実業之日本社現在の担当部長、岩野氏は語ります。 岩野 「細かい切り込みなどは、すべて手作業でやっていただろう。採算のことを考えたらできなかったと思います。当時の編集者たちは、とにかくいい物を作るんだ、少女に夢を与えたいという熱意だけで突き進んだのでしょう」 |
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「少女の友」昭和11年1月号付録。付録の最高傑作といわれる、「彦根屏風たとう」。手紙や切手などをしまいます。国宝・彦根屏風をアレンジして作られました。 |
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中を開くと・・・華麗で複雑なつくりになっています。折り込みの中は鹿の子染の鶴と松の模様という懲りようです。こうした付録が、毎月20万人もの少女の元へ届けられました。 二つめツボは、 |
参のツボ 誌面はちょっと危ないほうが面白い
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少女雑誌は「良妻賢母」を標ぼうしながら、一方で少女たちが抱く恋愛への憧れに応えていきました。昭和12~13年に連載された川端康成の少女小説「乙女の港」。ミッションスクールを舞台に上級生と下級生が、「S(エス)」と呼ばれる、友情を超えた関係をもつ物語です。 |
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熱心な読者だった遠藤さんは、女学校時代「エス」をまねることが全国で流行っていたと語ります。 遠藤「米沢の女学校でしたが、お友達が、私のところに手紙を持ってきて「あなたのクラスのあの人にこれを渡して」と。あぁあれだと思いました。一種の擬似恋愛だったんでしょう。」 最後のツボは、 |
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読者の中から選ばれた少女がモデルになって「乙女の港」を実演する誌面も登場。この企画は大反響を呼び、「エス」の流行にますます拍車がかかります。 |
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昭和15年6月号、淳一最後の表紙。しかし、少女雑誌は、軍からの圧力のよって路線変更を余技なくされます。淳一が「少女の友」から降板。以後、恋愛のテーマは姿を消し、戦時色の強い内容へと変わっていきました。 |
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少女雑誌は、過酷な時代を生きざる得なかった少女たちが紡ぎだした、つかの間の美の王国だったのです。 |
私、物が捨てられないタイプなんです。いつか使うかもしれない、捨ててから後悔するのは嫌だ!という気持ちが働き、いろいろとため込んでしまいます。引越しをするたびに意を決して大量に捨てるのですが、それでもどうしても捨てられないものが「雑誌」です。インテリア雑誌にファッション雑誌、メイクアップの仕方を特集したものなど・・・。お気に入りの雑誌は毎月欠かさず購入し、コレクションのように数年分取ってあるものもあります。パラパラとページをめくりながら、なぜ残しておきたくなるのか?と自問したところ、それらの雑誌に“ある共通点”をみつけたのです。それは美しい写真を載せながら“憧れの生活スタイルを提案している”という点でした。「こんな家具に囲まれて暮らしてみたいなあ」とか、「こんなおしゃれをして美術館にでも出かけてみたいなあ」なんて、雑誌を眺めながらいつも空想の世界に浸っています(笑)そんな私が今回の番組・「少女雑誌」を見て、とても驚いたことがありました。番組をきっかけに明治時代に創刊された「少女雑誌」(読んだのは昭和10年代の内容が中心になった復刻版です)を手にしたところ、現在の女性雑誌と同じように“憧れの生活スタイル”がさまざまな形で示されていたのです!今ほど写真は多用されていないのですが、鮮やかなカラーで描かれた少女のイラストや小説の中の挿絵など、いたるところにこの服装や髪型をまねしてみたい!と思うような要素が散りばめられていたのです。いま改めて読んでも新鮮で、十分に楽しめるものでした。だからこそ50年近くの長きにわたって、多くの少女たちから支持される雑誌になったのでしょう!時代は違っても、女性がカワイイ物やキレイな物に憧れる気持ちは一緒なのですね。捨てられない私の雑誌コレクション、いつか復刻版を作るのに役立ててもらえるかも。その日までまだ捨てられません・・・。
楽曲名 | アーティスト名 |
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Moonglow | Benny Goodman Quartet |
Old acquaintance | Jo Stafford |
My lazy uncle | 小曽根真 |
The way you look tonight | Chris Botti |
Je te veux | The fascinations |
Profumo di donna | Antonio Faraò |
Dark eyes | Itzhak Perlman, Oscar Peterson |
Body and soul | Coleman Hawkins and his Orchestra |
Someone to watch over me | 早川泰子トリオ |
I wish you love | Ann Sally |
La javanaise | Richard Galliano |
Fables of Faubus | 中村健吾 |
Just a gigolo | 渋谷毅 |
Forgetful | Chet Baker |
I loves you Porgy | Itzhak Perlman, Oscar Peterson |
Il prete sposato | Antonio Faraò |
Avalon | Benny Goodman Quartet |