若い女性でにぎわう香りの専門店。扱っているのは、火をともすと、かぐわしい匂いが広がるインセンス。 常に150種類以上の香りがそろっています。 客1 「リフレッシュしたい時はかんきつ系が多い。寝る前はちょっと甘い香りとか・・・」 |
古来人間は樹木の皮や動物の内臓などの天然素材を用い、さまざまなニュアンスの香りを産み出してきました。 日本では、香りは人をもてなすために重要な役割を果たしてきました。 |
ある京都の料亭では、お客さんが到着するころにほんのりと香りが漂うように、部屋の入り口に香炉を置きます。 女将 「お香を焚(た)くと急に時間がゆっくりと流れはじめて、お迎えする自分たちの気持ちも穏やかになります。お客様にも穏やかな時間を過ごしてもらえたらなという思いを込めてご用意させていただいております」 |
用途に応じたさまざまな形をした香りの道具が産み出されました。 |
「香枕」(こうまくら)と言って、髪に香りを移す道具もあります。 |
壱のツボ 神聖な小宇宙を支える三本の脚
お香と言えば、香炉。「香炉の形」に注目です。香炉には、典型的な形があります。 |
京焼の人気作家・村田真人さん。これまで数多くの香炉を手がけてきました。 村田 「香炉は元来、宗教儀式で使われる物なので、いかに自分を清浄・神聖な気持ちに持って行くかというのを大事にしている」 |
この形の起源は、およそ3千年前の古代中国にあります。 最初のツボは、 |
中国からもたらされた香りの文化は、日本で独自の発展を遂げます。 |
志野流20世家元 蜂谷宗玄さん 蜂谷 「脚が3本ありますが、宇宙を構成する天と地、人と言いますか、そういう意味を持たせてあります。この香炉の中に自分が溶け込む、1つになるということで、ここに宇宙があるという表現がふさわしい」 香りを全身で感じ取るため、大きさ10センチに満たない香炉を宇宙に見立て、そこに精神を集中させます。 |
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香木を乗せる灰の山を作り、さらに羽箒(はぼうき)と呼ばれるもので、香炉についた灰を落とします。 小宇宙に見立てた香炉の中を無心に整えることで香りと一つになることができるのです。 |
作法に集中するため、香道では簡素な香炉が好まれました。 |
弐のツボ 香席に四季のしつらい
日本人は四季の移ろいを愛(め)で、和歌を始め季節を題材とした文学や芸術を生み出してきました。平安時代に入ると、お香の香りが季節感を感じさせるのに、欠かすことのできないものとなります。その季節ならではのお香の香りが人々の暮らしを彩ってきました。 |
香りを味わう作法を追求してきた香道も、季節を重んじています。 |
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志野流香道 家元継承者 蜂谷宗?さん 蜂谷 「香席に香りがあるものが入ってしまうとせっかくのお香のいい香りが聞けませんので、なるべく香りがあるものは持ち込まないという約束事があります。とは言え香席でも季節は表現しなければいけませんので、それにちなんだ道具類が私どもにはたくさんあります」 |
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二つめのツボは、 季節感を出すためのくふうは、まずこんな所に見られます。 |
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こちらは7月の花。朝顔。 |
柱に掛けられているのは、「霊糸錦(れいしきん)」と呼ばれる箱。部屋を浄めるとされる香料が入っています。 |
部屋の正面、床の間にもその季節にちなんだ飾り付けが施されます。 |
参のツボ 香りを通じて王朝の世界に遊ぶ
京都で着物の新作を見せてもらいました。 泉 「この着物の紋様は、江戸時代にできた源氏香の図。それと同じく江戸時代の小袖の紋様、春夏秋冬の花を組み合わせて意匠化したものです」 |
着物だけではありません。 |
この紋様を使った和菓子もあります。 |
最後のツボは、 「源氏香の図」は、平安時代の文学の傑作「源氏物語」と関わりの深いものでした。後世に描かれた絵を見るとあの図は源氏物語のそれぞれの場面に添えられています。 |
時代の流行歌を聴くと当時のことを思い出すという方も多いでしょう。私は音楽だけではなく、「香り」も記憶と深く結びついていると思います。かぐとにわかにそのころの思い出がよみがえってくる香り。どなたにでも思い当たるものがあるのではないでしょうか?!
先日、私は懐かしさを覚える香りを久しぶりにかぎました。それはコンビニエンスストアなどで売っている“肉まんの香り”です。肌寒くなってくるころに販売され始めますよね!ちょうど保温機が開けられたときにお店に入ったようで、“ホワワ~ン”とおいしそうなにおいに迎えられたのです。なぜ私にとって懐かしい香りかというと・・・。学生時代、就職活動中に良く食べていたからなのです。外は寒く、しかもゆっくりお昼を食べる時間もない時は決まって「肉まん」でした。温かく、一個でお腹が満たされるので、秋から冬にかけての就活中に何個食べたか分からないくらいです。面接前に気合を入れるとき、試験に落ちて悔し涙を浮かべて食べたとき、合否の結果を友人たちと待ちながら公園で食べたとき・・・。肉まんの香りをかぐと、あのころのさまざまな記憶がよみがえってきます。その時は自分の将来がどうなるのか不安になることもあったのですが、改めて振り返ると、やりたい仕事を目指して頑張っていた時期で、それなりに充実していました。今でもあのころの気持ちを忘れないよう、思い出の香りを求めてお店に向かっています。まあ、単に肉まんが好きだからってことですが(笑)
楽曲名 | アーティスト名 |
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Jour De Fete | Francois Rauber |
Speak Low | Akane Matsumoto |
Right As The Rain | Leon Price |
Tournee Rapide | Jean Yavote |
NOS.11 | Chick Corea |
Lush Life | Naruyoshi Kikuchi / Hiroshi Minami |
The Days Of Wime And Roses | Bill Evans / Toots Thielesmans |
Clala | Duke Pearson |
I Sould Care | June Hutton |
Blue Rondo A La Turk | Dave Brubeck |
Blue Tango | Gisele MacKenzie |
Manege | Francois Rauber |
Si - Joya | Duke Jordan |
Flower And Water | Naruyoshi Kikuchi / Hiroshi Minami |
I Love You | Turtle Island String Quartet |
Calling You | Holly Cole |
Super Market | Jean Yavote |