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料理をいっそう引き立ててくれる、洋食器。 |
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いまからおよそ300年前、ドイツのザクセン国やポーランドを治めたアウグスト2世(アウグスト強王)は、東洋のやきものの収集に夢中になっていました。 |
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それは、中国や日本の白くて硬質な「磁器」。 |
壱のツボ 艶(つや)めく白を味わう
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以来、磁器の生産法は各地に広まり、西洋で使われる食器の主流となりました。
素地(きじ)のつややかな白。そこに描かれた華やかな絵付け。
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洋食器の白は、作られる窯によって多種多様です。これは日本のメーカー「大倉陶園」の皿。大正時代の創業以来、独自の白を追求してきました。 |
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取締役製造部長 高瀬進行さんのお話です。 高瀬 「真っ白ならいいかというと、そうでもありません。『白色度100』というのはいわゆるチョークの白で、おもしろさがありません。『色気のある白さ』を目指して素地(きじ)を作っています」 洋食器鑑賞、最初のツボは、 |
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皿の『白色度』は機械で測定することができます。純白が100、黒が0です。 |
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こちらは、左が89のまま、右が80。 |
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今度は色合いを変えてみましょう。 |
弐のツボ 絵柄に秘められた歴史に思いをはせる
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ドイツの窯「マイセン」の「ブルー・オニオン」と呼ばれる青い模様。登場して270年、世界中で描かれてきた、洋食器の伝統的な絵柄です。 洋食器鑑賞、二つ目のツボは、 |
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なぜ皿にオニオン、タマネギが描かれているのでしょう? |
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国立マイセン磁器製作所 日本総代理店の山内晴子さんにうかがいました。 山内 「中国や日本から伝わったお皿を手本にしており、当時のドイツの人々が、ザクロを描いた中国のお皿を見てもそれがザクロとわからず、オニオン、オニオンと次第に呼びならわされるようになったと聞いています。」 |
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こちらがモデルになったとされる、中国の皿。 |
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左画面が中国の皿での絵柄。ザクロです。 |
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さらに、たまねぎ・桃・花という3種の東洋のモチーフを、4つずつ均等に配置した構図は、春夏秋冬や朝・昼・夕・夜など時間の流れを表すものと考えられています。
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参のツボ ディナーセットが奏でる交響曲(シンフォニー)に耳を傾ける
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そろいの洋食器をディナーセットといいます。 |
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器ひとつひとつの多彩な形が、会食を盛り上げるための役割を果たしているといいます。日本のメーカー「ノリタケ」の豪華なディナーセットでみてみましょう。 |
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一方、さまざまな種類の丸い皿は、一人一人が使う皿。ディナー皿、デザート皿、スープ皿、パン皿など料理に合わせて大きさはさまざまです。 |
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さて次は、レストランなどでお目にかかる、ちょっと変わった役割のお皿をご紹介しましょう。 |
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フランス料理シェフ 清水忠明さんにうかがいます。
清水 「こちらのお皿はサービス・プレートといい、歓迎の意を示すためのお皿。実際に料理を盛りつけてお出しすることのない、お皿なんです」 見るためだけの皿だったのです。フォークやナイフで傷つけることもないため、華やかな装飾を楽しめます。 |
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もてなしの心が生み出したディナーセット。
いつしか、持ち主にとって特別な存在になることもあります。 |
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自分のディナーセットに、亡くなったお母さんから譲られた皿が混じったもの。 落合さんのディナーセットの何枚かが割れてしまったため、お母さんが、自分のセットから譲ってくれたのです。 よく似た柄で時代の違う皿。右が落合さんのもの、左がお母さんのものです。 |
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アメリカでパーティをした時に、つぎはぎのセットが恥ずかしかったという落合さん。しかし、アメリカの人々は、母から娘へとディナーセットをつなぎ続けてきたことにこそ価値を認め、絶賛してくれたといいます。
亡きお母さんのやさしさを会食のたびに思い出させてくれる器。
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縁が少し欠けてしまっているのにどうしても捨てられないお皿があります。高価なものでもなく絵柄が特に気に入っている訳でもないのですが、もう10年あまり使っているものです。大学進学を機に上京して1人暮らしをすることになったとき、5枚1組のセットのうちの2枚を実家から持ってきました。ふだんから食卓にのぼっていたお皿で、大きさも使いやすそうだったので母に譲ってもらったのです。東京へ送る荷物をこん包しているとき、お皿を眺めながら母がポツリと「本当に東京に行っちゃうんだね」と言いました。その時の私は東京での生活に夢が膨らんでいたので母の気も知らずに「あと数日で都会人よ!」なんて能天気なことを言っていたものです。
親のありがたさとは離れてみてから分かるものでした・・・。上京したてのころ、1人暮らしのさみしさやつらさを思うたびに実家から持ってきたあのお皿にごはんを盛って食べました。同じお皿で両親も今ごろ食べているのかなと思うと、何だが実家の食卓とつながっているような気がしていたのです。
それから10年。親と離れて暮らす生活に慣れた今でも、思い出の皿は食器棚の一番目立つ場所にあり、現役で働いてくれています。
楽曲名 | アーティスト名 |
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Island virgin | 澁谷毅 |
Why did I choose you | Don Friedman |
Partita in E major | Jacques Loussier |
Sweet serenade | Django Reinhardt, Michel Warlop & son orchestre |
Simone | Richard Davis |
Who's afraid of the big black wolf | Warren Wolf |
Back to the groove | 井上陽介 |
Love play /Coming home | Mike Mainieri |
Virgin jungle | 澁谷毅 |
All for you | 寺井尚子 |
From foreign lands and people | Louis Van Dijk Trio |
Wives and lovers | 鈴木央紹 |
Wien | Jan Lundgren Trio |
Sonet in search of a moor | 澁谷毅 |
The well tempered clavier book 1 prelude no.1 | John Lewis |
The night has a thousand eyes | Gary Burton, Stephane grappellu |
September in the rain | Manhattan Five |
Guide me home“Jazz” | Thierry Lang |
Don juan | 澁谷毅 |