じゅうたんは不思議な魅力を持った織物。 |
工夫は表面の毛羽(けば)。 |
それぞれの地域やそこに暮らす民族が特徴あるデザインを生み出してきました。 |
じゅうたんは一枚の絵画として鑑賞できるという東京芸術大学教授の三田村有純さん。 三田村「じゅうたんは絵画でいえば点描画。色糸の一本一本で描いていく芸術だと思う。」 |
壱のツボ 結びが作る“点描画”
イランから来て30年間、ペルシャじゅうたんを日本で販売してきたダラ・ベヘラヴェッシュさん。 ダラさん「ぜひじゅうたんの裏を見てください。ルーペを使って結びの数を数えます。」 |
1センチ四方の中の結び目を数えます。 |
イラン出身のじゅうたん織師ジャムシドプール・アザデさんに伝統的な手織りの技法を見せてもらいました。 |
じゅうたんは縦糸に一本一本糸を結んでそれを切りそろえて毛羽を作り出しているのです。 |
色糸を、使い分けることにより、どんな複雑な文様でも描き出すことができます。 |
40年以上、じゅうたんの輸入販売に携わってきた大熊克己さん。 |
弐のツボ 文様が特別な空間を作り出す
白鶴美術館蔵 |
神戸にある白鶴美術館。 |
長年、じゅうたんの歴史やデザインを研究してきた、国立民族学博物館名誉教授の杉村棟さんです。 杉村「砂漠で色の少ない場所で人々が身の回りに美しい世界を作り出そうとした、それがじゅうたんです。」 じゅうたん鑑賞、弐のツボは、 |
白鶴美術館蔵 |
フィールドの代表的な文様は「ミフラーブ文様」。 |
これはイスラム教の礼拝所の中にあります。 |
白鶴美術館蔵 |
もう一つの代表的な文様が「メダリオン文様」です。 杉村「礼拝の時には広げたところが聖なる空間に。花柄が美しいじゅうたんはまわりが殺風景な中でも、非日常的な空間を作ることができるのです。」 |
MIHO MUSEUM蔵 |
世界で最も美しいと言われるメダリオンのじゅうたんが滋賀県のMIHO MUSEUMに展示されています。
たて6メートル、横3.2メートルの大作。 |
MIHO MUSEUM蔵 |
荒涼とした砂漠でじゅうたんを敷けばそこは生命(いのち)あふれる楽園。 |
参のツボ 緞通に和の工夫
日本で国産のじゅうたん、「緞通(だんつう)」が誕生したのは江戸中期、元禄時代のこと。 |
日本で最初に緞通を作ったのは佐賀、鍋島藩。 |
吉島「日本の場合、畳の上に必要に応じて飾っていった。自分たちの知恵なり適応能力がこの中に見られる。」 緞通には日本の風土や習慣に合わせた様々な工夫がこらされています。 |
鍋島緞通のもっとも大きなちがいは素材。 |
畳の上に敷く“座布団”のように使われたため、毛羽をより長くし、柔らかさを出すよう工夫されました。 |
緞通は、和室のしきたりに合わせて洗練されていきました。 |
結婚式など祝いのときには大広間に何枚もの緞通が並べられます。 |
はるか西域(さいいき)の砂漠の国から伝わったじゅうたん。日本人の生活空間にとけ込み新しい魅力を生み出したのです。 |
今回番組で紹介したじゅうたんは、以下の美術館で見ることができます。
(展示されていない場合もあります)
ペルシャ絨毯には3つの驚きが隠されています。絵画のような細密な柄が全て手作業で織られたものだと聞いて、ええっ~!と驚き、出来上がるまでに1年も2年もかかっていると知り、また、へー!!さらに値札をのぞいて、ひゃあ~!!!気安くじゅうたんに触れていた手を思わず引っ込めたのは言うまでもありません。でも、よく考えてみると時間と手間をかけて大切に織られたじゅうたんにはそれだけの価値があるものなのです。じゅうたんに対じし、織った人のことを想像すると、辛抱強く続ける根気の大切さを改めて教えられたような気持ちになりました。番組では5人の女性が9年もの歳月を費やして織ったじゅうたんが登場します。9年もかけた大作!!頭が下がる思いでした。
楽曲名 | アーティスト名 |
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Avaz Shooshtari | Earl Hagen |
Le jardin de Jenane | Gabriel Yared |
Blues FM | Ronald Baker |
Trade winds | McCoy Tyner, Bela Fleck |
I hear a rhapsody | Don Friedman |
I hear a rhapsody | Don Friedman |
Wayne's thang | Kenny Garrett |
Poverty and its opposite | Arve Henriksen |
Harlem nocturne | Herb Ellis, Illinois Jacquet |
Ambition | Steve Swallow with Rovert Creeley |
Cool struttin' | 寺井尚子&松永貴志 |
Redial | Gary Burton |
Jazz folk | John Avercrombie |
West end blues | Louis Armstrong |
Edda | Lee Morgan |
The goodbye look | Karel Boehlee Trio |
Summertime | Ray Brown |
Sakira | 西山瞳トリオ |
Le jardin de Jenane | Gabriel Yared |
Mack the knife | Louis Armstrong |