食事のひとときを優雅に演出するワイン。 |
ソムリエの中村旬元さんはこう言います。 中村 「やっぱり華やかさ、そういったものがワインの魅力じゃないですかね。味もそうなんですけど、いいボトルがテーブルにあると、そこにきれいな絵が飾られているかのような感じになって気持もすごく心が満たされるというか、そういう感じになるのがワインの魅力じゃないでしょうか」 |
ブドウを原料にしてつくるワインの歴史は八千年前にさかのぼるといわれています。 色を決めるのは、ブドウの皮。 果肉を皮ごとつぶして醸造すると、皮の色素によって赤く色づきます。 |
白ブドウからは白ワインができます。 これを発酵といい、10日から20日程でワインが出来上がります。 |
日本で本格的なワイン造りが始まったのは明治はじめ。 明治政府は殖産興業の一環として、このブドウを利用したワイン造りを奨励。 |
壱のツボ 透明感ある色に宝石の輝き
ワインにとって見た目の美しさは味や香りと同じくらい重要とされてきました。 |
おいしいワイン造りに欠かせないのが樽(たる)の中で寝かせる「熟成」です。 一定の温度のもとで、長い時間をかけて酸化させ、うまみを引き出すのです。 |
造りたてのワインには、色素やタンニンという渋みの成分が結合した澱(おり)と呼ばれる不純物が浮遊しています。 濁りの原因となる一方でうまみを作り出す作用もあります。 澱を沈殿させると、うまみと透明性を持つ上澄みができます。 |
3月。樽の中で半年間寝かせたワインから上澄みと澱を分ける作業が行われました。 樽に管を取り付け、窒素ガスを送り込みます。 気体の圧力で、ワインの上澄みだけが押し出され、管を通って保存用のタンクへと流れ込む仕組みです。 |
管には、樽の底にたまった澱が混ざらないようにチェックする小窓が付いています。 ワインが濁り始める前に、作業を止めなければいけません。 |
ワインを再び樽に戻し、熟成させるため、樽の底にたまった澱を取り除きます。 |
長い時間と手間をかけて生み出されるワインの輝き。 |
弐のツボ 立ち上るきめ細やかな泡
きめ細やかな泡を伴うスパークリングワイン。 フランスでは、一粒一粒の泡を「ペルル」、真珠という愛称で呼んでいます。 |
日本のトップ・ソムリエの一人、阿部誠さんに、その魅力を伺いました。 阿部 「見ていて飽きないといか、ま、海見てて飽きないのと同じかもしんないんですけど、やはり他のワインにはないのがこの泡。しかも、ほかのワイン以外でもこのような細かい泡っていうのはまったくありせん。シャンパーニュならではの世界ですね」 ワイン鑑賞、二つ目のツボは、 |
スパークリングワインの発酵は瓶の中で行います。 泡となる二酸化炭素は、アルコール発酵する時に出来ます。 発酵後の熟成も瓶で行うため、澱もいっしょに閉じ込められています。 |
瓶が逆さまに置かれているのにはちゃんとした理由が。 |
澱のような不純物が混ざっていると、きめ細かい泡は立ちません。 瓶から澱だけを取り出すため、冷却装置を使い、澱を集めた口元の部分を凍らせます。 |
栓を抜くと、瓶から外に逃げようとする二酸化炭素の圧力によって、凍った澱が飛び出します。 |
減った分量のワインを補充し、ようやくスパークリングワインは完成。 真珠のようなきらめきを持つ泡が、次々と立ち上り、小さな音を立ててはじけるスパークリングワイン。 |
参のツボ 小さなラベルがワインを語る
ラベルという小さなキャンバスには、個性的で優れたデザインが施されてきました。 |
こちらは、1985年に日本に初めて輸入されたボージョレ・ヌーヴォー。 ラベルを手がけたのは、デザイナーの麹谷宏さん。 新酒を祝うお祭りのにぎやかな雰囲気を出そうと、色とりどりの紙吹雪を散らしたデザインでラベルを描きました。 |
麹谷「そのワインが持っている思いっていうのがあるはずなんですよね。それを感じ取って、なんとか表現してやろうっていう風に、ワインの代わりに僕が何かをしてあげようっていう思いはいつもありますね。うまくいったかどうかいつも心配だし、それは難しいですけど、楽しいですね」 |
ラベルは、ボトルに掛けられた小さな絵画。 ワインの思いまでも伝えてくれる顔なのです。 |
皆さんはどんなときにワインをお飲みになりますか?私は特別によいことがあったときなど、お祝い事があると頂きます。すぐに酔ってしまうのであまり多くは飲めませんが、「ワインを味わう」というシチュエーションは大好きです。なぜなら、ワインを口にしている人たちのこの上ない満面の笑みが見られるからです。ワインを開けたときの状況と共に、記憶に深く刻まれている味があります。その一つをあげるならば、「20歳の誕生日に飲んだシャンパン」でしょうか。映画「プリティー・ウーマン」の中で、ヒロインがいちごを食べながらシャンパンを飲んでいた姿を見て以来、大人になったらマネしてみたい飲み方だったのです。よほど周りに言っていたのでしょうね、親友たちがその夢を覚えていて、誕生日にサプライズでかなえてくれたのです。友への感謝の気持ちと共に味わった、甘酸っぱいいちごとシャンパン。あの味は今でも忘れられません。
楽曲名 | アーティスト名 |
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The days of wine and roses | Oscar PetersonTrio |
Senza fine | Fabrizio Bosso |
Chorinho | Lyle Mays |
Jitterbug waltz | Eric Dolphy |
The fire of passion~Piano concerto #24in C minor | John Di Martino's Romantic Jazz Trio |
Dear old Stockholm | Peter Nordahl Trio |
Grove's groove | Benny Golson |
Anatole blues | Ronald Baker |
Skylark | Martin Taylor |
Autum in New York | Bill Charlap |
The sidewinder | Robbi Humphrey |
Dat dere | Eldar Djangirov |
Manhattan | Mathias Algotsson Trio |
Quick & running | Gary Burton |
How high the moon | Chet Baker |
We'll be together again | Hank Jones, Christian Mcbride, Jimmy Cobb |
The days of wine and roses | Oscar PetersonTrio |