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まずは火を入れる部分に注目です。
奈良、春日大社に伝わる石灯籠は2000基以上。
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日本一の数を誇ります。
さまざまな形のものが参道の脇に並びます。
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年2回、節分と盆に行われる「万燈籠」。
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すべての石灯籠に、明かりが灯されます。 |
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もともとは雨ごいの神事として平安時代後期から行われてきたといわれています。 |
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ともされた火が幻想的な空間を作り出します。 |
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かつて石灯籠は、ひとつひとつ職人の手によって作られてきました。 |
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40年間手彫りを続けてきた天岡美博さん。
天岡「古来の石灯籠のように火袋が大きいほうがどっしり見えるので、ぼくらもくふうして火袋をちょっと大きくします。」
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神仏に火をささげる石灯籠は火袋の存在感が大切。
石灯籠鑑賞、一つ目のツボは、
「“頭でっかち”が美しい」 |
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京都、宇治の平等院。平安時代、極楽浄土をイメージして建立されました。 |
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鳳凰堂の前に立つ2メートル近い石灯籠。
その特徴は前後が突き抜けた大きな火袋です。
これは本尊の「阿弥陀如来」に大きな火をささげるためのものと考えられています。 |
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一方、春日大社では石灯籠を奉納すると願いがかなう、とたくさんの人々が、800年にわたって石灯籠を寄進してきました。
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春日大社権宮司の岡本彰夫さん。
岡本「神さまに“浄火”すなわち清らかな火を献じるため。それも毎日の常夜灯です。それを未来永ごう続けるため石で作ってあるんです。」 |
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頭でっかちな石灯籠はなぜ倒れないのでしょうか?
見えない接合部分には、ほぞという突起があります。
もう一方の部分に穴を掘り、しっかりと組み合わせ、固定します。
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現場では基礎をしっかり地中に埋め、バランスを調整しながら安定させます。
神聖な火を守る石灯籠、
決して倒れることがあってはなりません。 |
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ここは、京都、浄瑠璃寺。
池をはさんで相対する二つの石灯籠。東の浄瑠璃浄土と西の極楽浄土、それぞれの仏にささげられた火です。
石灯籠の形は、尊い火に対する人々の思いから生まれたものです。
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