| まずは、さまざまな品種を紹介していきましょう。
今年2月、最も美しい錦鯉を決める品評会が東京で開かれました。
「錦鯉の祭典」と呼ばれるこの大会に出品されたのは、およそ1600匹。
どれも、見ごたえのあるものばかりです。
錦鯉には、およそ130の種類があります。
その一部をご紹介しましょう。 |
| 黒地に白がのった『白写り(しろうつり)』。
肌の白さと、漆のようなつやのある黒とのコントラストが特徴です。
豪快な黒が見る人を引き付けます。 |
| 『丹頂』は、丹頂づるのように頭に丸い赤が一つある鯉。
頭全体に入った赤と透き通るような白い肌。
清そさが魅力です。 |
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背中に紺色の大きな鱗が並んだ『秋翠(しゅうすい)』。
秋空のさわやかな青さを思わせる品種です。 |
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そして、今回の品評会でみごと優勝を果たしたのが、この『紅白』という品種の鯉です。
雪のように白い肌に、大きくて鮮やかな赤が大胆にのっています。
飼い主は、アメリカ人の実業家でした。
「錦鯉には100万通りの楽しみ方があります。ホントに優雅で美しく、また宝石のように輝く姿は、見るものを楽しませてくれます」
さまざまな模様を持つ錦鯉。実は、その美しさを鑑賞する上で、まず押さえておかなければならない品種がいます。 |
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30年来、錦鯉を飼育してきた愛好家の高橋重勝さんに伺いましょう。
高橋「紅白から始まり紅白に終わるという例えがあるごとく、やはり紅白を極めたいですね。そして紅白をまず見ることによって、いろんな鯉に連動され、またそれに連なっていろんな鯉を勉強することができる。だから鯉をまず勉強されるのは、私は紅白から入った方がいいんじゃないかと、そう思います。」
錦鯉観賞、最初のツボ、
「まずは『紅白』を極めよ」 |
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新潟県小千谷市で錦鯉の生産をしている伊佐(いさ)ハジメさん。
紅白を極めるには、どこに注目すれば良いのでしょうか。
伊佐「基本的にはですね、まずアタマの部分で1つ、それで背中の部分で2段目、それで尾の所で3段目ということになっているんですが、尾っぽをちょっと白地を見せて止めるのが基本ですね。」 |
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これは、品評会の紅白の部門で優勝した鯉。
その模様の入り方を見てみると…。
確かに、頭に一つ。背中に一つ。
さらに、尾の部分に一つと、バランスよく、みごとな3段模様になっています。
この3つの模様の入り方が重要なポイントです。
続いて、応用編といきましょう。
この『紅白』に、『大正三色』、『昭和三色』という種類を加えたのが、錦鯉の御三家といわれています。 |
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まずは『大正三色』。
これは『紅白』に黒がのったもの。
紅白を基本として、赤と赤の間に黒が入ったものがよいとされます。
全体的に、赤、白、黒のバランスを重視します。 |
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こちらは、より複雑な模様を持つ『昭和三色』。
見方は、やはり『紅白』が基本ですが、この品種は『大正三色』よりも、さらに黒が多いのが特徴です。
したがって、黒の流れの連続性や豪快さを楽しみます。
どうです?
『紅白』は錦鯉鑑賞の基本。
見方が分かると、他の鯉も楽しめるのです。 |