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象牙、水晶、琥珀、竹…
印にはさまざまなものが使われてきました。 |
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吸い込まれるような透明感をもつ水晶。
非常に堅く、最も細工が難しい印材の一つ。 |
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その美しさから、日本ではほとんど採り尽くされてしまった貴重なものです。 |
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工芸品によく用いられてきた象牙。 きめ細かい細工が可能で、印面を何度でも彫り直すことができる優れた印材です。 |
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芸術性の高い印章に特に多く用いられるのが石。 |
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長年、印章の研究をしてきた松村一徳さんは、石には、ほかの印材にはない特別な魅力があると言います。
村松「印材は、地球そのものです。大地の恵みだと考えてますね。色んな風景があって、同じ風景がまったくない。同じように、地球の恵みであるこの印材も多種多様で唯一無二です。一個一個全部違うんですね」
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印章鑑賞、最初のツボは、
「唯一無二 石の色彩を楽しむ」 |
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古来、中国の文人たちは、石の印を書斎に飾り、その美しい姿を愛(め)でたといいます。
石を使った印章は、主に、完成した書や絵に文人墨客が押す落款(らっかん)に用いられました。 |
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こちらは、書家としても知られた戦前の首相・犬養毅が愛用した落款印です。
百五十を超える印のほとんどが石でできています。 |
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印面に彫られた「木堂(ぼくどう)」は、書家としての犬養の号です。 |
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石が印材として登場したのは、明の時代の中国。
印材に適した石を産出するのは、中国の限られた地域だけです。 |
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こちらは、目が覚めるような鮮やかな赤が混ざる「鶏血石」(けいけつせき)。
自然が作り出す色彩の美しさにまさに感嘆するばかりです。 |
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石の色彩に魅せられ、石材を用いた印章作りを行っている、野中信義さんです。
野中「彫ってく段階でだんだんだんだん、その表情が変わってくる。色の変化、そのおもしろみかな?」 |
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石は、磨けば磨くほど、つやや透明感が出てきます。 |
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野中さんの作品。
透明感のある白い部分に彫刻をし、褐色の台座と、美しい対比をなしています。 |
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宝石にも似た神秘的な光沢と多彩な色。
この世に二つとない石の芸術です。 |