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池上本門寺の五重塔は、二代将軍・徳川秀忠公の乳母正心院が、秀忠公の病気平癒に感謝して寄進したものとわかります。
五重塔にはどうも、さまざまな祈りが込められているようです。 |
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ここは日光東照宮。
鳥居をくぐってみると・・・そこには五重塔。
鳥居があることでお分かりのとおり、ここは神社です。
じつは五重塔は、お寺だけではなく神社にも作られてきました。 |
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日本の五重塔は、お釈迦様の墓という本来の意味を越え、さまざまな信仰のよりどころとなっていったのです。
五重塔鑑賞、最後のツボは、
「塔に込められた祈りを感じよ」。 |
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日本一の高さを誇る、京都・東寺の五重塔。
東寺は、平安時代、日本に「密教」を広めた、空海が造営しました。 |
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ここでは、毎日、若い僧侶がある「行」を行っています。
塔に向かって何かを唱えています。
一体何を唱えているのでしょうか? |
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塔の中に、その答えがあります。
密教の世界観を表した12体の仏像が、四角い大きな柱を取り囲むようにまつられています。
「心柱(しんばしら)」と呼ばれる五重塔の中心を貫く柱です。 |
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橋詰「私共、東寺の五重塔は、真ん中の心柱を大日如来さまとしまして、塔全体を、大日如来さまとしてとらえております。」 |
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大日如来は、密教において宇宙そのものを表す偉大な存在です。
東寺の五重塔は、大日如来の姿だとされています。
初層から順に、大日如来のひざ、腹、胸、顔、頭に相当すると考えられているのです。
修行僧たちが、塔に向かって唱えていたのは、大日如来に帰依する言葉でした。 |
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最後に、山形県・羽黒山の五重塔をご紹介しましょう。
杉木立の中にただ一基しずかにたたずむ五重塔。
室町時代に作られました。
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白木作りの簡素な美しさ。
山のシンボルとして長く愛されてきました。
羽黒山は、古くから、修験道の聖地として栄えました。
かつては30もの寺院が、この山を埋め尽くしていました。
ところが、明治時代、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の影響で、羽黒山の多くの寺院建築は破壊されました。
羽黒山五重塔の中を見てみると・・・日本の神・大国主命(オオクニヌシノミコト)が祭られています。
人々は、本来ここにまつられていた仏像を隠し、日本の神をまつることで五重塔を救ったのです。
五重塔には、日本人の心をとらえて離さない、特別な力が秘められているのでしょう。
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