竹籠鑑賞1のツボ 「煤竹の歴史の艶を味わう」
昔懐かしい茅葺きの民家。煤竹はここで生まれます。
かつて毎日の煮炊きに使われていた竃。たきぎを焚いた煙は屋根へとのぼっていきます。 屋根の骨組みに使われている竹は数百年かけて燻されアズキ色に変化します。
煤竹の断面。煤が内側にまで染み込んでいます。これが深い艶の秘密です。
年代物の煤竹を使って作られた竹籠。人の手では生み出すことができない色です。
煤竹の中でも最も貴重なのが鳳尾竹(ほうびちく)といわれるもの。雪国の山にしか生えない細く肉厚な竹が燻されたものです。
竹雲斎さんは東北や山陰を回って鳳尾竹をさがしてきました。
今では、茅葺きの家が少なくなり鳳尾竹を手に入れることは至難の業です。
鳳尾竹はもろく折れやすいため名人の手をもってしても簡単には編めません。
何度も熱湯にひたし柔らかくしながら慎重に編んで行きます。 |