十代目小泉仁左衛門さんは、細部にいたるまで「かたち」にこだわり続けています。
小泉さん 「胴の部分だけじゃなくて、蓋(ふた)、つまみ、それから鉉の形… これらが、鉄瓶の”かたち”の大きな要素なんです。『趣向を凝らす』という言葉がありますが、それはある意味で、作者にとっては、一つの『遊び心』じゃないかなと思うんですよ」
鉄瓶鑑賞・二の壺、「意匠に遊び心あり」
鉉は、「鉉鍛冶」と呼ばれる専門の職人が作ります。
田中二三男さんは、盛岡でたった一人の鉉鍛冶。
丁寧に作られた鉄瓶の鉉には、ちょっとした秘密が隠されています。 よく見ると、内側に合わせ目があります。中は空洞。軽くて、熱くなりにくいのです。 |