世阿弥は、日本の古典を題材に、人間の喜怒哀楽を表現しようとしました。
物語の主人公としてよく登場したのが 「女」です。
若い女を表す小面(こおもて)や恐ろしい山姥、清らかな天女など様々な年齢や性格の女に扮するために、いくつもの「女面(おんなめん)」が作られました。
能面鑑賞一のツボは、能面に最も間近で接してる能楽師の方に教えて頂きましょう。
世阿弥の父、観阿弥を祖先とする観世流シテ方の観世喜正(かんぜ・よしまさ)さんです。
能楽師は、先祖代々伝えられてきた能面を、面箪笥(おもてだんす)と呼ばれる桐の箱にしまっています。
「面(おもて)」とは、「能面」のこと。
能面はほとんどの場合、主役を務める「シテ方」だけがつけます。
シテ方にとって能面は、信仰の対象にも似た特別な存在なのです。
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