円空仏と木喰仏は子供の遊び相手を努めただけではありません。
円空の三十三観音像。観音は、人々の苦しみに応じて、三十三の姿に変化(へんげ)し、救うといわれています。
実際に数を数えて見ると・・。おや、31体。2体足りませんね。
住職の説明 「村人がね、ちょっとうちのかみさんが調子悪いとか、おじいちゃんが具合悪いっていうような時があった時に仏様をお借りして行って枕元に置いて一所懸命お祈りしたと。で、そういうようなことであちこち貸し出している内に、なくなってしまったということらしいですね。」
病に苦しむ人々が手を触れたときについた傷。円空仏は、人々をほんのまじかでやさしく見守ってきたのです。
木喰仏にもこんなエピソードがあります。宮崎県西都(さいと)市に残る木喰の自刻像。顔が見事にすりへっていますね。
こんな訳があるそうです。
郷土史日高先生 「木喰上人様の去られた後、 少しずつ拝みながら削って、いろんな体の調子が悪い時、それを頂いて、飲まして頂いたらしいと。こうやっぱり飲まれたんでしょうね。もうちーっとやから。それをお湯にいれておうっとですね。」
木喰は、薬草にも詳しく病人を診察したといわれています。いつしか人々は、木喰の像を煎じて飲むと効き目があると信じるようになったのです。
ぼろぼろつるつるになった仏たち。 この傷は人々の喜びも苦しみも一身に受けてきた証なのです。 |