2021年07月07日 (水)横断歩道で手、上げますか?"ハンドサイン"が今、注目
横断歩道で、手を上げてから渡っていますか?
「小学校低学年の頃まではあげてたかな」
「大人になったらちょっと恥ずかしいし…」
そんな人が多いかもしれません。
でも、「今から渡りますよ」という意思を示す“ハンドサイン”が、今、あらためて注目されているんです。
(津放送局 記者 伊藤憲哉)
「私、渡ります」の意思を示そう
「大人も少し手を上げて とまっ手えの意思表示」
「見せ手 目立っ手 命を守る」
横断歩道で歩行者が手を上げて、「渡りたい」という意思を伝えるハンドサインの標語です。
実は三重県、JAF=日本自動車連盟による調査で、信号機のない横断歩道での車の一時停止率がおととし全国ワースト。
去年は、27.1%と改善しましたが、それでも7割以上が止まっていない状態です。
こうした中、停止率をさらに向上させようと、三重県警察本部ではハンドサインのキャンペーンを始めました。
手上げ横断“復活”がきっかけ
きっかけとなったのは、ことし4月、交通安全教育の指針の一部が改正されたこと。
「手を上げて運転者に横断する意思を明確に伝えよう」という項目が43年ぶりに復活したのです。
もちろん、歩行者がいれば、手を上げていようといなかろうと、車のほうが絶対に止まらなくてはいけません。
ただ、ドライバー側だけで呼びかけても限界があるとして、県警では、歩行者側にもハンドサインを促すことで、停止率の向上をはかろうと考えたのです。
「横断歩道ハンドサインキャンペーンによって、信号機のない横断歩道での停止率をアップさせる。それによって歩行者の方が安全に渡れるようになるので、交通事故防止にもつながると考えている」(県警察本部交通企画課 伊藤勝彦室長)
実際に意味あるの?
ところで、実際に効果はあるのでしょうか。
県警本部では、事前に県内4箇所で調査を行ったといいます。
その結果、ハンドサインをした場合は停止率が85.1%。
しなかった場合は37.4%と、したほうがはるかに停止した車は多かったのです。
実際、以前からハンドサインが広く普及している長野県では、横断歩道での停止率が70%を超え全国トップという実績もあります。
やはり、ハンドサインは“効果あり”と考えて良さそうです。
YouTubeも活用
「運転者に横断する意思を“ハンドサイン”で示す 横断歩道“ハンドサイン”キャンペーンを行っています」
県警本部では、キャンペーンを多くの人に知ってもらおうと、YouTubeにも動画を公開。
動画の中での歩行者役は、交通企画課の警察官が担当したほか、リアルさを実感してもらうため、実際の公道を使用しました。
特に気を遣ったのは、「大人でも抵抗感がないようにする」こと。
そこで、「少し」だけ手をあげるといった方法をすすめることにしました。
また、渡った後に、軽くドライバーに会釈するというポイントも盛り込みました。
会釈は絶対しなくてはいけない、というわけではありませんが、ドライバーに「次も止まろう」と思ってもらうことにつながるかもしれないという考えからです。
ドライバーと歩行者の意思疎通が大切
このハンドサインの取り組み。
交通心理に詳しい帝塚山大学の蓮花一己学長は、歩行者とドライバーの意思疎通という点で、とても重要だと指摘します。
「道路空間は広い意味での公共空間。知らない人、いろんな立場の人がいるので、ドライバーと歩行者がコミュニケーションをとる、というのは事故防止には欠かせないんです。そういう意味で、ハンドサインは、コミュニケーションの最初の一歩、きっかけのようなものだと言えます」
「横断歩道での車の停止率が安定するには、習慣化していくことが大切です。ハンドサインが周知・徹底されて、それを小さい頃に習った子どもが大人になっても続けていく、という風にまでなっていかないといけない。時間はかかりますが、ぜひずっと続けてほしいです」(蓮花一己学長)
「これから渡りますよ」
そんなちょっとした意思表示が、事故を防いだり、安全につながるかもしれない。
ハンドサイン、皆さんも始めてみてはどうでしょうか。
伊藤憲哉 2019年入局
中学時代 サッカー ジュニアユースで全国大会出場
投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:20:00