2022年01月28日 (金)【みえDE川柳】 お題:袋

天 両の手に笑みがこぼれるのし袋/谷てる子さん

丹川修先生 御祝儀を戴き、顔はもちろんのこと、両方の手の指先一本一本にまでその喜びが溢れ出ている様子がはっきりと浮かんでくる。「両の手に」の上5が少し硬い感じがするが、それにも増して、手から笑みがこぼれるという素晴らしい表現をされたところを評価させて頂いた。何をお祝いしてのご祝儀なのだったのだろうか?こちらまでうきうきとさせられる句である。

 

地 非常袋入れたいものが多すぎる/かぐや姫さん

丹川修先生 非常袋には非常事態に備え最低限、命を繋ぐための物を入れておかねばならないものである。しかし、いざその準備をするとなると、あれもこれもいやこれも持って行かないとだめだ。とても全部は、収まらない。困ったものだ。今、話題になっている断捨離の難しさにも通じるものを感じるとともに、人の欲には限りがないというふうに読み取るとおもしろい。

 

人 やりくりが月謝袋に詰まってる/ジャック天野さん

丹川修先生 親というものは、自分は辛抱しても子供の将来のためには、お金を惜しまないということだろう。月謝袋を通じて、親と子の関係を巧く表現したところが、良い。また「やりくりが」の上5に親の愛情が巧く込められている。それにしても、最近の子どもはいろいろな習い事で忙しいようだ。そんなところまで思うと何処か哀しいような複雑な思いが漂う句でもある。

 

<入選>

マニュアルの通りに入れるのし袋/久実さん

晴れた朝堪忍袋そっと干す/汐海 岬さん

胃袋を掴んだ君の隠し味/ちょこべえさん

寝袋にくるまり星をひとりじめ/メダカさん

お転婆をそろり歩かす白い足袋/福村まことさん

不平不満飲む胃袋がただれだし/牛美さん

ボランティア袋に詰めてある酸素/マイベストさん

知恵袋スマホの陰で縮んでる/西井茜雲さん

あれこれとウツも入れ込むゴミ袋/富田さよ子さん

焼き芋の袋は人の温かさ/せきぼーさん

 

丹川修先生 丹川修先生

 「袋」というお題に対し、色々な「袋」にお目に掛かり、楽しく選をさせて頂きました。なかでも堪忍袋、知恵袋、のし袋、ポチ袋、ゴミ袋、レジ袋などが、多くありました。できる限り、それぞれの「袋」で、入選句を戴きたいと思いましたが、内容により片寄りが生じた事をお許し願いたい。ただ、今までの先生からも「字結び」についての説明はあったことと思いますが、再度触れさせていただきます。今回のお題である「袋」は、本来何かを入れるものと解釈されるべきものです。それを関係性の薄い、袋と言う字が使われただけの言葉や地名などは、川柳の世界では特別な断り『字結び可』などがない限り、詠むべきではないとされています。今回でも「池袋」や「お袋」などが、それに当たります。ただ、「お袋」は優しく包み込む袋の感じが出ていればOKかも知れません。漢字の一字題に起こりがちですので、気を付けるようにしたいものです。たくさんのご投句を戴きありがとうございました。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:50


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