2019年06月28日 (金)【みえDE川柳】 お題:結ぶ

天 両端を結んで出来たアイシテル/まゆゆさん

宮村典子先生 何ごとかを結実させようとする時は、そのものごとの両端をしっかり押さえることが大事である。この作品は「アイシテル」に至った訳で、結んだのは『心』の両端だと思われる。結果、人間関係がスムーズになり喜んでいるのである。
 「アイシテル」と片仮名表記にして軽い「アイ」を演出している。

 

地 靴紐をきつく結んで乗る始発/汐海 岬さん

宮村典子先生 新しいことへの挑戦の旅か、あるいはやり直しの旅か。いずれにしても、目的に向かって、「しっかり歩まねば」の心意気、人生という旅路に向けての前向きな気持ちが窺(うかが)われる。人は誰も自分を見詰(みつ)め励ましながら生きてゆくのだ…、ということだろう。靴紐(くつひも)に決心を託して説得力のある句になった。

 

人 無造作に結んだ糸が解けない/あそかさん

宮村典子先生 「無造作」の意味は〈大変な事とは考えずに気軽にする様子〉である。なにげなくしたことが、こんがらがって厄介(やっかい)なことになったという経験をした人も多いだろう。なにごとも慎重に行うにこしたことはないのだが、気を張ってばかりでは神経が持たない。人生、まあ、ほどほどに……の緩さも必要かも知れない。

 

<入選>

むすんでひらいて聞かせてくれる電話口/ゆうこさん

ちょう結びできたよボクの大事件/かぐや姫さん

満天の星を結んで降る神話/福村まことさん

大凶の神籤結ばれ枯れる梅/夜半亭あぶらー虫さん

 電話切る母の結びはありがとう/スイッチさん

結び目が少し緩んでいい夫婦/安田蝸牛さん

ネクタイを結ばれ呪文かけられる/久実さん

横綱は一人で綱を結べない/デコやんさん

神様も困惑絵馬の外国語/よしじろうさん

手は二つ自立する手と結ぶ手と/渡辺勇三さん

 

宮村典子先生 宮村典子先生

  「靴紐」「夫婦仲」「ネクタイ」「縁」「おみくじ」を結んだ句がほとんどだったので、その中から、仕立て方、言葉の選び方、伝達性の有無などを考えながら選句しました。皆さんが同じことを考えていることに安心したり、なんとなく物足りなさを感じたり。意外なものを結ぶということに苦慮すると選者の目に留まる句になりますし、当たり前のことでも、「言い得て妙(なるほど上手(うま)く言っている)」な味を出せると佳句になると思います。川柳って作り甲斐(がい)がありますね! 

投稿者:みえ~るくん | 投稿時間:18:50


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