2017年05月26日 (金)【みえDE川柳】 お題:休み

天 足踏みをやめたら空が落ちてくる/水たまりさん

吉崎先生 いわゆる「自転車操業」を想起してしまうが、そうではないだろう。杞憂(きゆう)という言葉があるように、たとえ大地震が起きたりミサイルが飛んできても、「空が落ちてくる」ことはない。この句は、作者の心情を詠んでいるのでしょう。今、作者が取り組んでいること、頑張っていることを、ここで諦めたら元も子もない。その切羽詰まった気持ちを「空が落ちてくる」と表現されたのだろう。

 

人 午後三時夫婦喧嘩も中休み/いさおくんさん

吉崎先生 よく稼ぐ夫婦にもあるひと休み(椙本紋太)という、ほのぼのとした句もありますが、この句も仲の良い夫婦なのでしょう。いつも午後三時には一緒にお茶を飲んでいる。しかし今日はたまたま喧嘩(けんか)の最中だった。でも奥さんは、ちゃんとお茶を入れてくれたのです。たぶんそれで喧嘩も終わりなのでしょう。そこまで読みとれる好句。

 

<入選>

休日の菓子博疲れだけ残り/ゆうこさん

母の日のフリータイムを持て余す/かぐや姫さん

スケジュール混んでとれない休肝日/あそかさん

 食べ過ぎをお休みさせてくれた恋/汐海岬さん

カレンダーへ休みを滑り込ませます/久実さん

ラムネ瓶透かせば遠い夏休み/山路橙葉さん

雨の日は休みにしてほしい案山子/アラレさん

シャッターを降ろし人間休みます/まゆゆさん

平均点あたりでちょっとだけ休み/おおしまとしこさん

休んでもいいと言われて喜べず/アカエタカさん

 

吉崎先生 吉崎柳歩先生

 今回の「休み」ほどよい句が集まった題はこれまでなかった。捨てがたい句がたくさんあり、入選を13句に絞り込むのに苦労しました。五月の大型連休を挟み、実感されたことを17音で素直に表現された結果でしょう。これからも、お題によって作りやすかったり難しかったりするでしょうが、自分の生活や実体験に照らして、じっくり観察、考察すれば必ず「この一句」を物に出来るでしょう。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:50


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