2017年04月28日 (金)【みえDE川柳】 お題:あまい

天 入り口はたっぷりの蜜蟻地獄/チェリーブロッサムさん

宮村典子先生 甘い話には必ず落とし穴があるということを知っていなければならない。でも、入り口にたっぷりの蜜を盛られると凡人は大喜びで近寄り頂いてしまう。この甘い「入口」の誘惑に負けて身を破滅させてしまう(蟻地獄)のである。昨今の詐欺事件や政界にも通じる恐い話である。リズムが少し気になるが、「入口」「たっぷり」「蟻地獄」の構成力を評価した。

 

地 ウエストがゴムの甘さに慣らされる/久実さん

宮村典子先生 まったく言い得ている。中七から下五への作りが上手(うま)い。中年を過ぎる頃からの体型には、ウエストがゴムの衣類が有難いのだが、油断していると伸びるゴムに合わせて自分のウエストが自由に伸びてしまうのである。気がついた時にはメタボ体型……という怖いことになる。いやいやゴムの所為(せい)にしてはいけない、自分の気の緩みに注意しよう。

 

人 干し葡萄ほどの甘さで年金日/福村まことさん

宮村典子先生 老人破産が言われるほど厳しい年金生活の現実。支給される年金の額を「干し葡萄ほどの甘さ」という表現で突いているのが妙。「年金日」を頼りにささやかに暮らす庶民(老人)を裏切らない温かい国政を願うばかりである。

 

<入選>

角砂糖5個詰め込んでプロポーズ/汐海岬さん

腐らせて甘み引き出すタイミング/ゆきちさん

美人の湯美人になると思ってた/あけみちゃんさん

考えの甘い男を塩で揉む/やんちゃんさん

それぞれの甘さで癒やす伊勢の餅/アラレさん

うっかりと食べてしまった甘いわな/よっちゃんさん

履歴書にピントの甘い写真貼る/ゆずきちゃんさん

追い詰めて逃走許すへぼ将棋/蕎麦酔人さん

甘えるという幸せが待つ米寿/E子さん

うちの子はどうしてこんなに可愛いの/かぐや姫さん

 

宮村典子先生 宮村典子先生

 「甘い」は作り易(やす)い分、同想句が多かったですね。入選句には、甘さを甘さと詠んで成功した句、捻った甘さが利いている句をいただきました。選にあたっては、まず発想のユニークさ、発想が同じ場合は表現方法を気にしています。当たり前のことをどんな言葉で表現するか……というところですね。自分の思いにピッタリの言葉探しも作句の楽しみだと思います。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:50


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