2015年05月29日 (金)【みえDE川柳】 お題:山
故郷の山が校歌を熱くする/流星さん
「美しい川が校歌にまだ残り」という川柳もあるが、川より山の方が多く校歌に取り入れられている。川より山の方が変わらない。中腹まで家が建っていても、姿形はずっと変わらない。故郷の山はいつでも貴方を応援してくれている。みんなで肩を組んで校歌を歌えば、いくつになっても熱いものがこみ上げてくるだろう。
山登りいつの間にやらゴミ拾い/クレヨンしんちゃんさん
山の会などで山登りを楽しんでいる人たちは、定期的に地元の山の清掃などもする。登らせてくれる山に感謝をしているからだ。この人は、一人で山に登っているときでも、目に付いたゴミはついつい拾ってしまうのだ。「いつの間にやら」に、その人柄がしのばれる。皆さん、山で出した自分のゴミはすべて持って帰りましょう。
山盛りの飯の割にはないおかず/すずっぽちゃんさん
オリンピック選手の強化合宿なら、飯だけでなく、おかずもたっぷりあるだろう。このケースは、あまり予算のない高校運動部の合宿かも知れない。関取がいなくて台台所事情の苦しい相撲部屋? それとも食べ盛りに達した子だくさんの家庭かも知れない。ユーモアの中にペーソス(悲哀)もちょっぴりあって、楽しい句。
<入選>
背比べしているセブンマウンテン/アラレさん
どちらから見てもイケメン富士の山/まさしさん
衰えた足を励まし登る山/E子さん
登山する古希のわたしも山ガール/せいじさん
遠目には肌荒れ見えぬ富士の山/samuさん
校歌には常連だった経が峰/アンドブルーさん
積み上げて読んだ気でいる本の山/相模秋茜さん
積ん読の山に雪崩の注意報/颯爽さん
山勘が当たってからの怠け癖/福笑いさん
洗濯の山を土産に子の帰省/せんたくかあちゃんさん
吉崎柳歩先生
一見やさしい題は難しい題でもあります。誰でも考え付きそうな句は浮かんでくるけど、誰も考えつきそうもない句はなかなか浮かんできません。「山」といえば山登り、本物の山が浮かんできますね。「本の山」以外にも「宝の山」「魔の山」「針の山」「宿題の山」など、いろいろ探してみるのもいいでしょう。自分の人生経験を振り返って、それらの「山々」と重ね合わせると、独創的な句が生まれる可能性が広がるでしょう。
投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:50