2021年3月26日

【みえDE川柳】 お題:伝える

天 伝えたいかたちで川が蛇行する/比呂ちゃんさん

丹川修先生 何とも雄大な川柳ですね。何千年、何万年の時間を経て、大地を削り上流から土砂を運び、幾度も氾濫を繰り返し、その姿を変えながら、絶えることなく川は流れている。人の力の遠く及ばない大自然の営みがある。そこには、我々に伝えたい何かが存在する。蛇行にもメッセージが潜む。自然からたくさんのことを学び我々は生かされているのですね。こうした大自然に目を向け、大きなスケールで詠まれたところが、素晴らしい。

 

地 金魚同士何か伝えているアブク/伊勢菖蒲さん

丹川修先生 水槽の中で、あたかも何かを伝え合っているかのような金魚たち。時々、プクプクとアブクを吐きながら愛を語っているのでしょうか。何とも楽しい句ですね。
天の句と違い、身近な金魚鉢に目を向け、金魚の営みを眺め、色々と想像をしてみることは実に楽しいことですね。想像をめぐらすための鋭い観察力により生まれた川柳と言えます。

 

人 懐で伝える言葉温める/久実さん

丹川修先生 病気の友を励ます言葉か? 誰かの門出を祝うための言葉か? いずれにせよより相手の心に響く言葉を真剣に選っている作者。きっと温もりのある言葉を届けることができたに違いない。時には、思いつくままの飾らない言葉が、相手の胸を打つときもあるが、逆に傷付けることもある。そうしたことへの戒めの思いも同時に含んでいるような気もする。

 

<入選>

開花日の予想伝える弾む声/冬子さん

メッセージあなたの顔に書いてある/夢野すずさん

伝えたい想いを込めて田を起こす/福村まことさん

熱弁を振るわれるほど冷めていく/涼妻喧母さん

シワシワの手から伝わる母の愛/やんちゃんさん

もう顔に書いてあります恋ごころ/汐海 岬さん

よそ行きの言葉で本音届かない/草かんむりさん

知りたくもないこと話す得意顔/八木五十八さん

コロナ禍で孫と楽しむ糸電話/1刀両断さん

次世代にどう伝えよう負の遺産/メダカさん

 

丹川修先生 丹川修先生

 今回のお題「伝える」には、色々な「伝える」がありましたが、その中でも、比較的ユニークな「伝える」の含まれたものを入選とさせていただきましたが、やはり「伝言板」「メール」「赤ちゃんの泣き声」などが、多数みられました。本来「伝える」の用途は、もっと幅広く存在するように思いましたが、その点では少し広がりに欠けた気がいたしました。また、入選句の中にも、既読感(どっかで聞いたような)のある句もあるようですが、巧くまとめられている点を評価させていただきました。多数のご投句、本当にありがとうございました。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:50 | 過去の入選作 |   | 固定リンク


  • 1

ページの一番上へ▲

カテゴリー

番組

RSS