2014年10月31日

【みえDE川柳】 お題:旅

天 寝てばかりいたが楽しい旅だった/アラレさん

吉崎先生 大方の人は車窓の景色も旅の楽しみの一つだろうが、作者はそうでもないようだ。今晩の楽しみに備えて、あるいは昨晩の盛り上がりで眠れなかったのかも知れない。前句(寝てばかり~)と後句(楽しい~)の落差が効果的。

 

地 ちょっと月まで行ってきました土産です/オリーブさん

吉崎先生 近未来、あるいはもっと先の月旅行を想定した川柳。「ちょっと月まで」の導入部が心憎い。結語の「土産です」の見事な落ち。「月の石」なんて、その頃はもう平凡すぎて、誰も喜ばないだろう。
どんな土産なのか聞いてみたくなる。

 

人 伊勢参りは旅と思わぬ伊勢の人/流星さん

吉崎先生 伊勢神宮は日本人の心のふるさと。日本人にとって伊勢参りは念願の旅なのだ。一方、地元の人にとっては散歩やウォーキングの先にある「お伊勢さん」にすぎないのだ。伊勢の人は幸せなのか不幸なのか?やはり幸せなんだろう。

 

<入選>

飛行機を降りて雲海歩きたい/フリージアさん

おばさまのラジオ止まらぬバスツアー/小林祥司さん

みちのくを芭蕉気取りで旅をする/わはくまさん

リポーター自費でゆっくりしたい旅/藤袴さん

ご近所へお土産返すための旅/ななかまどさん

戻る家あって楽しい旅に出る/のぼのサブローさん

振り向けば道順のない旅だった/高節さん

 

吉崎先生 吉崎柳歩先生

応募句数はやや少なかったが、人数は増えているのではないか?同じ人の発想では、と思われる類想句がぐんと減っていた。よく推こうされ質の高い作品が多かったので、その意味では今回は厳選だった。
「旅と」いう題は魅力的なテーマであるだけに、これまでにも数多く詠まれてきた。よい句なのに既に詠まれている内容の句もあった。あなた独自の想い、見解を独自の表現で詠むことが大事です。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:50 | 過去の入選作 |   | 固定リンク


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