| 今回は、氷見のお魚の話題です。12月。氷見と聞けば、おそらく多くの人が思い浮かべるのが、富山湾の「寒ブリ」。いえいえ氷見の『里山』にも貴重な魚がいるのです。絶滅が心配される淡水魚の研究と保護、その最新状況を取材しました。
氷見市の山あい。昔ながらの里山の真ん中にある氷見市立仏生寺小学校が、3月、統廃合のため廃校となりました。校舎の活用に名乗りを上げたのは、富山大学理学部の山崎裕治研究室。学校近くの水辺にはメダカをはじめ、絶滅が危惧されている12種類の淡水魚が確認されています。氷見の里山は非常にいい状態がまだ保たれている、まさに研究にうってつけの場所だと、山崎准教授は言います。研究室が今とりわけ調査に力を入れているのが、国の天然記念物「イタセンパラ」。氷見を含め、現在全国で3つの地域にしか生息していない淡水魚です。国の天然記念物を市の外に持ち出すには国の許可が必要だそうで、飼育研究にはなかなか手が出せなかったところでの今回の朗報。里山の真ん中にあるという利点を生かしての研究の進展に、准教授、期待が膨らみます。
研究分野だけではなく、元々地域の人びとが集まる「小学校」という場を、水辺の生物保護の発信基地にしようという取り組みも始めました。里山の研究室を「川魚の水族館に」というプロジェクト。水槽には今のところ地元の稀少な魚10種類が飼育されています。水中の生き物は、私たちの普段の生活ではなかなかその姿を見ることができません。9年前からイタセンパラの保護に取り組んでこられた、市役所の職員・西尾正輝さんは言います。「目に見えない文化財は、守れと言われても実感が湧かず、保護への意識は低くなってしまう」、ずっと課題としてきたことでした。
しかし、水槽に飼育を始めたことで、小学校に通っていた子どもたちが、関心をもって繰り返し遊びにくるように! 夢中になって水槽の中の魚を目で追いかける子どもたち。その横顔を見て、私は、川の中で遊ぶということも少なくなった今、触れる機会をつくっていくことは大切なことなのだとしみじみ思いました。子どもたちが去った後、西尾さんがおっしゃった、「ゆくゆくは、私がいなくなっても、地元の人の手できちんとイタセンパラが守られていくように…」という言葉が印象に残っています。小学校を拠点としたこれからの活動で、「イタセンパラ」、ブリと並び、氷見の魚と言えば、人々に思い浮かべられる存在に、きっとなっていってくれることでしょう! |
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