過去のリポート

「避難所運営に女性の視点を」

スタジオ 小西アナウンサー・舘谷キャスター
10月17日に、富山市で、「第2回富山県女性防災士の集い」が開かれました。
講演でテーマとなるのが女性の視点を重視した「避難所の運営」です。
今回はこの点について考えていきます。
避難所運営マニュアル一部
「男女共同参画の視点から避難所運営についてみんなで考えよう」とあります。
避難所での生活が少しでも過ごしやすくなるよう気を配るべきことや運営の方針などが女性の視点を重視して書かれています。
これまで富山県で避難所が開設されるような大きな災害は少なかったわけですが、
マニュアルを作った皆さんは、いざという時に女性の視点が重要だと考えました。
マニュアルを作った南砺市の職員に話を聞きました。

(2015年10月15日放送/取材・リポート 三平泰丈アナウンサー)

南砺市役所に勤める石﨑裕子さんです。
南砺市市民協働課 石崎裕子主査
男性と女性が共に暮らしやすい町づくりを進めていく中で、
災害が起きた時、多くの人が快適に過ごせるよう、被災地で活動した人の話を聞くなどして、 女性のニーズに応えるマニュアルを作成しました。

「結い」の心で避難所運営8カ条


三平アナウンサー
マニュアルをつくったということなんですけれども、
女性の視点が重要だと感じたそうですね?

女性ならではの“視点”をいかす

南砺市市民協働課 石崎裕子さん
例えば、全国の皆様から送られてくる避難物資ですね、
食べ物だとか食料品、日用品、様々なものがおくられてくるんですけれども、
その物資を配布する場合、女性特有の必要なものがありますよね。
例えば生理用品とか、介護が必要な方のおむつとか、
お子さんを育児してらっしゃるかたの子供用のおむつとか、
そのように、必要な方の物資を配布する際に、特に女性、生理用品というものは、
私今必要なんですと手を上げられる方、なかなかいらっしゃらないと思うんです。
特に、年頃の女子高生とか二十歳前後の若い方ですと、
なかなかそれが欲しいんですといいだしにくい。
逆に配っている方が、男性だとさらに声はかけにくいですし、
女性の方が携わることで、まんべんなく、そこにいらっしゃる方々、
色々な立場のの方にも、まんべんなく、配布という配慮が出来るんじゃないかと思います。


子供からお年寄りまで様々な人が暮らすことになる避難所。
マニュアルには避難所のルール作りや防犯対策など、
女性の視点からみた避難所の運営方法が書かれています。
避難所の運営方法抜粋


女性の安心・安全に配慮

南砺市役所 石崎さん
例えば、夜暗い所でのトイレですね、トイレにいくところ、やはり寝泊まりするところから、離れたところにトイレの設営がされていた。
その時に、トイレに行くときに、道中暗いですよね。もちろん電気も通っていませんし、
暗いところに、女性が一人でトイレにいく、非常に危ないと、そういう身の危険が実際に起きていたという話を聞きました。
それは危ないなと、それは避難所全体で、子供さんとか女性の方を守るという安全パトロールとか避難所の皆さんと話し合って、見守りグループというか、そういう当番制みたいなものを提案するのも一つの運営方法の、安全安心につながる、一つの意見かなと思いまして、いれてみました。


さらに、避難者の状況を把握できるよう、
マニュアルと共に導入しようとしているものがあります。それが避難者カードです。
避難した人達の情報を聞き取って、お互いが支え合える環境を目指します。
避難者カード
この時の聞き取りも、女性だからこそ気がつけることがあると話します。

南砺市役所 石崎さん
この特記事項の中に、例えば乳児を抱えているというのがあるんですけれど
避難者カードで細かなニーズをつかむ
例えば、0歳児のお子さんなのか、2歳児3歳児のお子さんなのかによっても、やはりその、配慮といいますか、違いますので、0歳児のお子さんですと、まだまだおっぱいで授乳が必要。ということはお母さんも、胸をださないといけないという生活スタイルになってくると思います。また夜泣きもしますし、夜起きますよね。そういうことの配慮も必要になってくると思います。
2歳、3歳時ということになってくると、食事、離乳食が必要とだったりとか、歩き回って、大きな声で迷惑をかけてしまう、夜に夜泣きをしたりとか、そういうお子さんのいる年代というのが0歳児になのか2歳、3歳児かによっても生活のスタイルが違ってくるのでそういう配慮ができると思います。

三平アナウンサー
災害が発生した時に自分達が作ったマニュアルを役立てることができるか。
石崎さん達は避難所設営の訓練をしました。
参加したのは、市の男女共同参画委員推進委員や自治会の人達でした。

市主催の避難所設営訓練

南砺市役所 石崎さん
実際に設営してみないと解らないこと気付かないことが非常に多くありましたし、はぁぁ!というような驚きもありました。
簡易トイレ、穴が、便座の穴の大きさが、推進委員の方が気がついたのは、この大きさだと子供が座るとお尻落ちるよ、あっ本当だよね!
“設営”訓練で見えてきたこと 簡易トイレの穴の大きさ
またある推進委員の方は実際に座って立とうとしたときに、手すりが無いから立てないこれ、高齢者の方々がしんどいかもね、体の不自由な方もしんどいかもねという気づきといいますか、そのトイレの穴の大きさでも話題になりました。

もう一ついっていいですか?女性専用の洗濯物スペースを設置したんですけれども、それも難しかったです。高さを決めるのが難しかったです。
女性専用の下着が見えないように、設営しよう、高さを決めようとすると、今度は風通しが悪くなって、なかなか乾きづらい、でも乾くように高くすると、今度は人目がついてしまう。その微妙な高さを決めるのが非常にちょっと難しかったですね。


三平アナウンサー
女性の視点を避難所運営に活かすことが重要だと話す石﨑さん。最後にその力を活かすために何が重要か聞きました。

いざという時に女性の力が生きるためにはどんなことが大事だと思いますか?

南砺市役所 石崎さん
そうですね。私、このマニュアルを作る時にも感じましたし、常に感じているんですけれども、あの、日々の生活、日常からまちづくりもそうですし、色々な社会、会社の組織でもそうですし、常に男性の立場、女性の立場から、色々な意見が混ざり合う、色々な意見が反映できるお互いがお互いの意見を聞こうっていう、気持ちになることが大切なのかなって思います。
男性が女性がではなく、そこに集う方々の意見が、みんなで、聞こうね、聞き入れようねっていう仕組みというか、雰囲気が大事なのかなと思います。
日常から男女のコミュニケーションを

 

舘谷キャスター
避難所の生活では女性にとって不安なことが様々あると思いますがこうやって事前に対策がされていると思うだけでも気持ちが少し楽になるかもしれませんよね。
実際にマニュアルに基づいて訓練に参加した女性はどういうふうに感じたんでしょうか?

三平アナウンサー
マニュアルには女性専用のスペースを作るといったような事が書かれているんですけれども、それを元に実際に段ボールで仕切りのスペースを作ってみたそうなんです。
そうしたスペースが好評で、仕切り1枚でだいぶ変わるねという声があったそうです。
ちょっとした配慮で過ごしやすくなるんだなとみなさん話していたそうです。

スタジオ 小西アナウンサー・三平アナウンサー・舘谷キャスター
小西アナウンサー
マニュアルを作った石崎さん自身も訓練を重ねることによって、さらにいろんな事に気が付いているという印象でしたね。

三平アナウンサー
そうですね。訓練をしていく度にいろいろ気付くことがあるそうなんです。
なのでお話を伺って、定期的に災害に対して話し合ったりとか、普段から我々もいろいろ想定をしておくことで、災害が実際に起きた時にとれる行動が変わってくるのではないかなと感じました。

小西アナウンサー
女性だけではなくて、避難に携わる住民全体でこうした知識・考え方を共有していくことが大事でしょうね。


※掲載情報は放送当時のものです。

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