ページの本文へ

  1. トップページ
  2. ニュース特集
  3. 国際女性デー②なぜ女性議員少ない?ジェンダーギャップ指数から見える課題

国際女性デー②なぜ女性議員少ない?ジェンダーギャップ指数から見える課題

執筆者のアイコン画像杉山加奈(記者)
2023年03月08日 (水)

anatatokaetai.png3月8日は国連が定める「国際女性デー」です。
NHK富山放送局では、今月、「あなたと変えたい」をテーマに社会的・文化的に作られた性差=「ジェンダー」に関するさまざまな問題についてみなさんと考える特集をお伝えしています。

 

国際女性デー①フェムテックの記事はこちら

 

gendergap.png

国際女性デーにあわせて、都道府県ごとの「ジェンダーギャップ指数」が発表されました。

ジェンダーギャップ指数は、国際女性デーにあわせて大学教授などで作る研究会が去年から発表しています。

指数が小さく順位が低いほど性別による不平等や格差が大きいことを示しています。

 

富山県の結果はこちらです。

 gendergap4sihyou.png

47都道府県のうち、
政治分野は38位、行政分野は14位、教育分野は17位、経済分野は34位でした。

 

行政分野14位 行政の女性管理職割合は高い傾向

gyouei.png

▼市町村の管理職は、男性1294人に対して女性428人。

女性の割合が全国2位だったことが評価を引き上げました。

 

教育分野17位 校長や教頭への女性の登用進む

kyouiku.png
▼小学校の校長は男性110人に対して女性66人で全国4位
▼中学校の校長は男性64人に対して女性10人で全国10位
校長や教頭への女性の登用が比較的進んでいることから、やや高い順位となりました。

 

政治分野38位 女性議員の少なさ課題

seiji.png

▼国会議員は衆議院議員と参議院議員で男性5人に対して女性はおらず全国33位
▼県議会議員は男性34人に対して女性4人で全国24位
▼市町村議会議員は男性235人に対して女性26人で全国39位でした。
女性議員が少ないうえ、過去に知事や市町村長を務めた女性がいないため、低い順位になりました。

 

jyoseizerogikai2.png

さらに、政治分野で注目されるのは、女性議員が1人もいない「女性ゼロ議会」です。
県内15の市町村議会のうち射水市入善町が「女性ゼロ議会」です。

政治に多様な意見を反映させるためにも、女性議員がいないのは課題です。


おととしまでの21年間射水市議会議員を務め、議長の経験もある竹内美津子さんに、なぜ女性議員が少ないのか聞きました。

takeutimotosigi.png

竹内美津子さん
女性議員を増やすには候補者だけでなく、有権者の意識改革が必要だ。女性には政治を任せられないという先入観があり、女性が手をあげると特別扱いされ、男性候補者よりも求められるレベルが高い
女性側も地域活動や職場で積極的にリーダー経験を積んでほしい。人前で発言することに慣れていくうちに、自分にも議員活動ができるかもしれないという意識も出てくるのではないか。

 

一方、県内には子育て中の女性議員もいます。

朝日町の善田奈緒議員です。
2022年8月に当選し、4年ぶりの女性議員になりました。

善田議員は東京都出身で、祖父母の家がある朝日町に2012年に移住。
出生数の減少に危機感を抱いて立候補しました。
今は、4人の子どもを育てながら議員活動をしています。

zenndanao.png

善田奈緒議員
いままで男性中心で議員活動が行われていたので、夜の懇親会にも当然出席すべきという空気があるが、まだ子どもが幼いため欠席している。
選挙運動中、連日夜遅くなっていたときに『お母ちゃん、もう仕事行かんで』と泣かれてしまい、子どもたちの将来のために議員を志しているのにこれでは本末転倒だと感じて、子どもとの時間と仕事の時間をしっかり分けなければと考えるようになった。

『いままで誰に相談したら良いのか分からなかったが、ちょっと聞いてほしい』と子育て中のお母さんから相談されることがある。同じ子育て中の議員ということで、身近に感じてもらい、今後も行政との橋渡しをしていきたい。

 

子育て世代など幅広い世代が参画しやすくなるよう、慣習の見直しや仕組み作りが必要です。

 

経済分野34位 企業の女性リーダー層 少ない

keizai.png
▼企業の社長は男性2万5417人に対して女性3291人で、全国39位です。
▼企業や法人の役員・管理職は男性7960人に対して女性1150人で、全国41位です。

経済分野での格差をなくしていくための方法について、
指標をまとめた上智大学の三浦まり教授は、次のように話しています。

経済分野では女性管理職比率が課題。女性の活躍している企業には、行政が助成金を出したり公共調達で優遇したりするなど自然に任せておくだけではなかなか増えない領域なので行政側が方法を考える必要がある

最新の記事