9月17日放送 「弾道ミサイル 再び日本通過 北朝鮮にどう向き合う」

北朝鮮のミサイル発射について

北朝鮮は、15日の午前7時ごろ、首都ピョンヤンの郊外から、
弾道ミサイル1発を発射しました。
新型の中距離弾道ミサイル「火星12型」の発射訓練だとしています。
ミサイルは北海道の上空を通過し、太平洋上に落下したとみられています。
日本政府の推定では、飛行距離は、およそ3700キロで
最高高度はおよそ800キロ。
先月29日に日本上空を通過したミサイルと比べて、飛行距離は1000キロ伸びています。



また、北朝鮮のピョンヤンと、
北朝鮮が弾道ミサイルの発射を予告しているアメリカ・グアム島周辺までの距離は
およそ3400キロで、方向を変えればミサイルが到達することになります。

キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は、発射に立ち会い
「『火星12型』の戦力化が実現した。核武力の完成目標はほぼ終着点に至った」
と述べたということです。

今回の発射は、各国が北朝鮮の軍事挑発を警戒する中でのことでした。
今月3日に北朝鮮が6回目の核実験を強行したことを受けて、
国連の安全保障理事会は、日本時間の12日、
新たな制裁決議を全会一致で採択。北朝鮮は、反発を強めていました。

今回の発射について、アメリカのトランプ大統領は
「われわれを脅威にさらそうとする者の中には、
隣国、そして国際社会を再び侮辱した北朝鮮の政権も含まれる」と述べて、強く非難。
また、安倍総理大臣は
「再びこのような暴挙を行ったことは、断じて容認できない」と述べました。

さらに、国連の安全保障理事会は日本時間の16日未明、緊急会合を開き
報道機関向けの声明で発射を厳しく非難するとともに、
国連加盟国に対して一連の制裁を着実に実施するよう求めました。


国連安保理の制裁決議について

国連安保理は、弾道ミサイルの発射に先立つ、日本時間の12日、
6回目の核実験を受けた新たな制裁決議を採択。
中国やロシアを含めた全会一致での採択で、核実験から1週間あまりという“異例の速さ”でした。



内容を具体的に見てみますと、北朝鮮から繊維製品を輸入することや、
朝鮮の労働者に新規の就労許可を与えることなどが禁止され、制裁の対象が広がりました。
日本政府は、今回と過去の決議を完全に実施した場合、
北朝鮮が輸出によって得ている外貨収入の、およそ90%が削減できると見込んでいます。
一方で、「原油」については、
アメリカが作成した草案に盛り込まれていた北朝鮮への輸出の全面禁止は除外され、
事実上の現状維持となりました。
また、草案に盛り込まれていたキム委員長の資産凍結も、除外されました。

この制裁決議について、アメリカのトランプ大統領は、
「非常に小さな一歩にすぎない」と述べ、決議は十分ではなく、
いっそう圧力を強めていくことが必要だとしています。
また、ムニューシン財務長官は、
中国など、北朝鮮と経済的な取り引きを行う国に対し
アメリカが貿易を停止できるようにする大統領令を出すための準備が整ったとしています。

一方、中国外務省は、
「ひたすらに追加制裁を続けるだけでは問題を根本から解決することはできない。
対話と交渉こそ解決のための道だ」と主張しています。


核兵器の拡散について

国連のグテーレス事務総長は12日、国連総会の開幕にあたっての演説で
「世界は今、多くの深刻な脅威に直面している」として
「核兵器の拡散」を真っ先に挙げました。



191の国と地域が加盟する「NPT=核拡散防止条約」では、
アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国を核保有国として認め、
その他の国々には核兵器の保有や拡散を禁止してきました。
しかし、NPTに加盟していないインドやパキスタンも、核兵器の放棄に応じていないほか、
イスラエルも核兵器の保有を続けているとみられています。
そして、北朝鮮は2003年に、NPTから一方的に脱退を宣言、
今月3日に6回目の核実験を強行した際には、「水爆実験に成功した」と発表しています。


9月10日放送 「北朝鮮 相次ぐ挑発 国際社会の包囲網は」

北朝鮮への新たな制裁について

国連の安全保障理事会は先月5日、相次ぐミサイル発射を受けて、
北朝鮮に対する制裁決議を採択しました。
北朝鮮の主な収入源になっている石炭や鉄、鉄鉱石、
それに海産物の輸出を全面的に禁止することなどが盛り込まれました。
これにより、北朝鮮の輸出総額を、およそ10億ドル減らす効果があるとみられています。



そして先週の核実験の強行を受け、アメリカは、新たな制裁決議の採択を提案。
その草案を各国に示しました。
北朝鮮への石油や天然ガスの輸出を全面的に禁止するほか、
キム・ジョンウン委員長の海外の資産を凍結し、渡航を禁止するとしています。
また原則として各国が北朝鮮の労働者を雇用することも禁止しています。
アメリカは、明日11日の採決を求める意向を示しています。

北朝鮮への対応について、中国外務省の耿爽(こう・そう)報道官は、
「制裁一辺倒では根本的な解決にはならない」と発言。
またロシアのプーチン大統領も、記者会見で、
「制裁は意味がないし、効果的でもない」と述べ、
制裁の強化に、慎重な姿勢を示しました。

一方、安倍総理大臣は、先週、ロシアのウラジオストクで、プーチン大統領と会談。
「最大限の圧力をかけることが重要だ」と強調しました。
そして、両首脳は、北朝鮮への対応について、国連安保理の場を含め、
緊密に協力していくことで一致しました。
日本政府関係者によりますと、プーチン大統領は、首脳会談で、
対話による解決の重要性を指摘する一方、北朝鮮の核開発は容認できないとして、
制裁を強化することを容認する考えを示したということです。


北朝鮮の今後の動きは 軍事衝突の可能性は

北朝鮮は、きのう69回目の建国記念日を迎えました。
この日に合わせて、追加の挑発があるのではないかと
各国は警戒を強めていましたが、そうした動きはありませんでした。
ただ、このところ記念日の翌日に相次いで弾道ミサイルを発射していることや、
来月10日には、朝鮮労働党の創立記念日を控えていることから、
国際社会の警戒が続いています。

きのうの建国記念日にあたり、北朝鮮は、国営メディアを通じて、
「わが国は、原爆、水爆、ICBMを保有する核強国に上りつめた」として、
アメリカ・トランプ政権への対決姿勢を強調しました。

アメリカのトランプ大統領は、
「軍事行動への道を進まないことを望む」とする一方、
「軍事行動は起こりうる。アメリカ軍はかつてなく強い」と述べ、
軍事的な選択肢も排除しない姿勢を示しました。


“対話”による可能性は

おととい、北朝鮮外務省の幹部が、ピョンヤンを出発。
近く、スイスで開かれる国際会議に出席し、
アメリカの元政府当局者などとも非公式に接触するのではないかとみられてます。


9月3日放送 「弾道ミサイル日本上空通過」

北朝鮮のミサイル発射をどうみる

今回北朝鮮が発射したのは、「火星12型」と呼ばれる新型の中距離弾道ミサイルです。
防衛省によると、飛しょう距離は、およそ2700キロと推定されています。



この「火星12型」は、ことし5月にも発射されていますが、
この時は通常より高い高度で打ち上げる「ロフテッド軌道」だったとされ、
今回は、より実戦に近い形での発射だとみられています。

北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したのは、今回が5回目。
過去4回は、いずれも「人工衛星の打ち上げだ」と主張してきましたが、
今回は初めて「弾道ミサイルの発射訓練だ」と明言し、事前の通告もありませんでした。


北朝鮮情勢はどうなる

北朝鮮は9日土曜日に、建国記念日を控えていて、
さらなる挑発に出るのかどうかに、注目が集まっています。

北朝鮮の国営メディアによりますと、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は、
「太平洋を目標として、弾道ミサイルの発射訓練を多く実施すべきだ」と述べ、
今後も発射を繰り返す構えを見せています。
また、韓国の国防省は先月31日、
北朝鮮の核実験場では、いつでも6回目の核実験を行える状態が
維持されているという見方を示しました。

こうした中、安倍総理大臣とトランプ大統領は、
日米首脳としては極めて異例となる2日続けての電話会談を行い、
北朝鮮に対し、さらに強い圧力をかけることで、政策を変えさせる必要があるという認識で一致。

トランプ大統領は、ツイッターに「対話は解決策ではない」と書き込んでいます。


北朝鮮への経済制裁は

国連の安全保障理事会は、先月29日、
日本の上空を通過したミサイルを発射した北朝鮮を強く非難し、
発射の即時停止を求める議長声明を、全会一致で採択しました。

国連安保理では、先月5日、北朝鮮の主な収入源になっている石炭、鉄、鉄鉱石などの輸出を
全面的に禁止する制裁決議を採択していて、
今回のミサイル発射を受けて、さらに厳しい制裁を実施するかどうかが、今後の焦点です。

菅官房長官は、先週、北朝鮮に対する制裁措置について、
「原油・石油製品の取引規制は選択肢の一つになってくる。
中国とロシアは極めて影響力が大きいので、しっかり働きかけをしながら行っていく」と述べました。



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