7月30日放送 「緊急分析 北朝鮮“ICBM”発射」

北朝鮮 ミサイル発射について

北朝鮮は28日、午後11時42分ごろ、
「火星14型」と呼ばれる弾道ミサイル1発を発射しました。



防衛省によりますと、発射されたミサイルは、
3500キロを大きく超える高度に達し、
およそ45分間、飛しょうしたと推定されています。
北朝鮮のミサイルとしては、飛行時間がこれまでで最も長く、高度も最も高いということです。
ミサイルは、北海道、奥尻島の北西およそ150キロ、
日本の排他的経済水域内に落下したとみられています。

北朝鮮は、国営メディアを通じ、
「キム・ジョンウン朝鮮労働党 委員長立ち会いのもと、
ICBM=大陸間弾道ミサイルの2回目の発射実験に成功した」と発表。
性能が大きく向上していると、アピールしています。

このミサイルについて、アメリカの国防総省は、
ミサイルが40分以上飛しょうしたとして、
射程が5500キロを超えるICBMだと分析しています。


国際社会の対応は

日本政府は、アメリカ・韓国と、北朝鮮に対し、
国連安保理における対応も含めて、圧力を強化していくことで一致したとしています。
一方、中国は、発射を非難した上で、
「緊張した情勢がエスカレートするのを防ぐ」などとして、各国に自制を呼びかけています。




「障害者殺傷事件1年 悲劇を繰り返さないために…」

障害者殺傷事件から1年

事件が起きたのは、去年7月26日。
相模原市の知的障害者の入所施設「津久井やまゆり園」で、
入所していた障害のある人たちが次々に刃物で刺されて、
19人が殺害され、27人が重軽傷を負いました。




殺人などの罪で起訴されたのは、元職員の植松聖被告です。

事件から1年。NHKでは、
勾留されている植松被告本人と、手紙のやりとりを行いました。
手紙には、
「重度の障害者が不幸の元だと確信を持った」、
「意思疎通がとれない人間を安楽死させるべきだ」などと書かれていて、
犠牲者や負傷者、遺族への謝罪のことばはありませんでした。

一方、NHKでは、施設の入所者の家族などを対象に、アンケートを行いました。
この中では、
「また同じような事件が起きないか不安」、
「事件を通じて、障害者を取り巻く環境の中に、
偏見や差別があるように感じ、残念」といった声が寄せられています。



障害者と向き合う 社会の意識は

事件の後、NHKが作った、犠牲になった方々の人柄などを紹介するサイトには、
400通を超える声が寄せられました。

その中では、 「子を持つ親として、悲しみ・怒りは想像しただけで苦しい」
「それぞれに大切ないのち・人生があった。無駄な人間なんか1人もいない」
といった声が数多くありました。
一方で、
「世間には容疑者のような思いでいる人が多いのは確か」、
「事件は起こるべくして起きた。誰の心の中にも犯人のような思想は少なからずある」
という声もありました。


事件の経緯と「措置入院」

植松被告は、事件の5か月前、障害者の殺害計画を記した手紙を衆議院議長に渡そうとしていました。
こうしたことをうけて、相模原市は、強制的に入院させる「措置入院」の対応を取りました。
その後、落ち着いた様子になり、10日あまりで措置入院を解除。植松被告は退院しました。
この時の状況について、
「殺害計画を実行するため、退院できるよう、おとなしくして取り繕った」
と供述しているということです。
そして、去年7月、犯行に及んだのです。
では、退院から犯行まで、植松被告は、どのように過ごしていたのでしょうか。



措置入院が解除されたあと、植松被告は、無断で病院を受診しなくなりました。
また、相模原市などは居住地を把握できていませんでした。
事件の検証を行った、厚生労働省の検討チームは、報告書の中で、
「措置入院を解除したあとの相模原市・病院の支援が不十分だった」と指摘しています。



「精神保健福祉法」の改正案について

政府は先の国会に「精神保健福祉法」の改正案を提出しました。
この中では、措置入院となったすべての患者を対象に、
社会復帰のための支援計画を作成するよう自治体に義務づけているほか、
退院後に転居した場合、転居先の自治体に引き継ぎを行い、相談や指導を続けるとしています。
法案は、参議院で可決しましたが、
審議の中で、「精神科医療と犯罪予防と結びつけるのはおかしい」といった指摘も出され、
衆議院で継続審議となっています。




障害者の“暮らしの場”は

障害者の暮らしの場は、1960年代以降、市街地から離れた場所に次々と作られた
大規模な入所施設が中心となってきました。
しかし、「障害者を社会から切り離すことに繋がっている」という批判が
高まったことなどから、国は政策を転換。
2000年代以降、小規模なグループホームなど、地域の中に暮らしの場を移す
「地域移行」を進めようとしているのです。




7月23日放送 「相次ぐヒアリ発見 外来生物とどう向き合うか」

ヒアリの特徴について

ヒアリは、全体が赤茶色で、体長は、2.5ミリから6ミリ程度です。
背中に2つ、コブ状のものがあるのが特徴です。
体内に強い毒を持ち、お尻の針で刺されると、やけどをしたような激痛を感じます。
時には激しいアレルギー反応、いわゆるアナフィラキシーショックを起こして、
命に関わることもあります。
動きが素早く、攻撃性が高い上に、驚異的な繁殖力を持ち、
一度巣を作ると在来のアリを駆逐して生息域を広げていきます。



ヒアリは、南米原産で、20世紀半ばに、貨物船の積荷などにまぎれてアメリカに侵入。
その後、太平洋を越えてオーストラリアや中国などアジアにも広がっていきました。
そして今回、日本でも侵入が確認されたのです。

最初に見つかったのは5月26日。
中国から陸揚げされ、兵庫県尼崎市に運ばれたコンテナの中で、
数百匹のアリが発見され、ヒアリと確認されました。
その後も、名古屋港や大阪港、横浜港などで見つかり、おとといには、博多港でも発見されました。
また、内陸部の、愛知県 春日井市でも見つかっています。
発見されたヒアリの中には、「女王アリ」や「幼虫」も確認されており、
繁殖していた可能性も指摘されています。


もしヒアリを見つけたら・・・


 


ヒアリの被害を防ぐには?

先週、総理大臣官邸で、ヒアリ対策を検討する関係閣僚会議が開かれました。
安倍総理大臣は、「あらゆる事態を想定しながら、対応を進めていく必要がある」と述べて、
ヒアリの侵入や定着の防止に政府一丸となって取り組む考えを示しました。



環境省や国土交通省などは、水際対策の強化に乗り出しています。
ヒアリが生息している中国やオーストラリアなどと定期航路がある全国の港、
68か所に専門家を派遣し、アリを捕獲するためのトラップの設置や、
殺虫効果のあるエサを置くなどの対策を検討しています。

しかし水際での対策に失敗し、生息域が広がってしまうと、根絶は容易ではありません。
オーストラリアでは、2001年にヒアリが初めて確認され、「根絶計画」を策定しました。
熱探知カメラを搭載したヘリコプターで、ヒアリの巣穴を見つけだし、
強力な殺虫剤を散布するなど、16年に渡る戦いを続けていますが、完全な駆除には至っていません。
同じように、侵入を許したアメリカや中国などでも
ヒアリの繁殖は止められず、家畜や農作物などに被害が広がっています。

こうした中、早期発見・早期駆除を徹底し、拡大を防ぐのに成功したのが、ニュージーランドです。
2000年以降、3度ヒアリの侵入が確認されましたが、
その都度徹底した駆除を行い、根絶に成功したとしています。
2006年の例で見てみます。
ニュージーランド北部でおよそ3万匹のヒアリとアリ塚が発見されると、
法律によって、半径2キロメートルの範囲が「管理エリア」に指定されました。
エリア内では、ヒアリが入る恐れがあるすべてのものの移動は禁止され、
徹底した調査と駆除が行われました。
その後も、3年間にわたって調査が繰り返され、ヒアリが発見されなかったことから、
ようやく根絶宣言が出されたということです。 


外来生物にどう対処するか

日本で、次第に分布を広げている外来生物は少なくありません。
「セアカゴケグモ」もその一例です。
オーストラリアに生息する毒グモで、
かまれると、吐き気や呼吸困難など重い症状に見舞われることがあります。
国内で初めて確認されたのは、1995年。
海外からの貨物便とともに国内に侵入したと見られています。
物流ルートを通じて日本各地に広がり、
これまでに、北海道から沖縄まで、44都道府県で確認されています。



このほかにも、輸入木材にまぎれて日本に入り込み、家の柱などを食い荒らすアメリカカンザイシロアリ。
デング熱などの感染症を媒介する、ネッタイシマカ。
ペットとして輸入されたものが、野外で繁殖したカミツキガメなど、
多くの外来生物が侵入しています。

こうした被害を食い止めるため、日本では2005年に、いわゆる「外来生物法」が施行されました。
生態系や、人の生命や身体、農作物などに被害を及ぼすおそれがある外来生物を
「特定外来生物」に指定し、輸入や飼育、野外に放つことなどを禁止しています。
法律の制定以降、その対象は拡大し続け、現在132種類が指定されています。

こうした被害を食い止めるため、日本では2005年に、いわゆる「外来生物法」が施行されました。
具体的にどんなものが対象となっているのでしょうか。
先ほど示した4つの外来生物についてみてみると、
「セアカゴケグモ」と「カミツキガメ」は、特定外来生物に指定されていますが、
「アメリカカンザイシロアリ」と「ネッタイシマカ」は指定されていません。


7月16日放送

日本とEUのEPA=経済連携協定について

いま、世界では「メガFTA」と呼ばれる様々な大型の貿易協定が構想されています。
このうち、今月5日に大枠合意した、日本とEUのEPA=経済連携協定は、
日本とドイツ、フランスなど29か国が参加し、
世界のGDPの28%を占める巨大市場で、自由貿易を推進する枠組みです。
参加国の人口の合計は、およそ6億4000万人です。



大枠合意の内容を見ていきます。
協定が発効すると、日本からEUへ 輸出する際にかかる関税は、
「乗用車」が7年後に撤廃、
「自動車部品」は、貿易額ベースで92点1%の品目について、即時撤廃されます。
「日本酒」や「緑茶」も即時撤廃となります。
一方、EUからの輸入品について。
「チーズ」は、日本がカマンベールなど「ソフトチーズ」を含んだ、
最大3万1000トンの新たな輸入枠を設け、15年後に関税を撤廃します。
「ワイン」は即時撤廃、
「パスタ」と「チョコレート菓子」は、10年で関税を撤廃します。
なお、協定の発効時期をめぐっては、EU側は2019年を目指す一方、
日本側は早期の発効を目指し、作業を急ぐ考えを示しています。


TPPの協議について

TPP=環太平洋パートナーシップ協定は、
日本やアメリカ、オーストラリアなど12か国が参加し、
世界全体のGDPの36%を占め、人口はおよそ8億人にのぼります。



ただ、TPPの発効の見通しは立っていません。
今年1月、アメリカのトランプ大統領がTPPから離脱するための大統領令に署名したためです。
アメリカが抜けると、参加国のGDPの合計は、世界全体の36%から14%まで減ることになります。

このTPPの発効に向けて、先週、アメリカを除く11か国の高級事務レベル会合が行われました。
会合では、高い水準のルールを維持しながら、最小限の修正で、協定の発効を目指すことで一致しました。
ただ、修正の範囲をめぐって温度差があることから、日本政府は、各国の意見調整を図った上で、
11月のAPEC=アジア太平洋・経済協力会議の首脳会議で、大筋合意を目指す方針です。


日米の経済関係について

今月8日、ドイツで行われた日米首脳会談では、
日米の経済関係を巡って、トランプ大統領が、
「日本に対する貿易赤字が巨額に上っている。相互に利益のある貿易関係が重要だ」
と指摘したのに対し、安倍総理大臣は、
「年内に開催予定の麻生副総理とペンス副大統領による日米経済対話で、
今後も建設的な議論を行いたい」と述べました。
トランプ政権はかねてから、
日本との間の2国間のFTA=自由貿易協定の交渉を始めることに意欲を示していて、
今後の展開に注目が集まっています。




中国との経済連携について

中国も参加して発効に向けた交渉が進められている「メガFTA」が、
RCEP=東アジア地域・包括的経済連携です。
日本、中国、インドなど16か国が参加し、GDPは世界全体の29%、
特に人口は、およそ34億人と、他の「メガFTA」を圧倒する規模となっています。
もう一つ、中国が提唱するのが、「一帯一路」です。
陸上と海上、それぞれでアジアとヨーロッパを結ぶ、巨大な経済圏構想で、
「陸と海のシルクロード」構想とも呼ばれています。



こうした中国の動きへの日本の対応ですが、
今月8日に行われた日中首脳会談では、安倍総理大臣と中国の習近平国家主席が、
「一帯一路」を含め、地域や世界の安定と繁栄に向け議論していくことで一致しました。


      

7月9日放送

北朝鮮の弾道ミサイル発射をめぐる経緯

北朝鮮は日本時間の4日、午前9時39分ごろ、
新たに開発した「火星14型」と呼ばれる弾道ミサイル1発を発射しました。



日本の防衛省によりますと、発射されたミサイルは、2500キロを大きく超える高度に達し、
およそ40分間、飛しょうしたと推定されています。
そして、秋田県の男鹿半島の西、およそ300キロの
日本のEEZ=排他的経済水域内に落下したとみられています。

北朝鮮は、国営の朝鮮中央テレビを通じ、「特別重大報道」として、
ICBMの初めての発射実験に成功したと発表。
「わが国は核兵器とともにICBMを保有した、堂々たる核保有国だ」と主張しました。

このミサイルについて、アメリカの国防総省は5日、
新型の2段式の弾道ミサイルで、5500キロ以上の飛しょう能力がある
ICBMだという分析結果を明らかにしました。
一方で、北朝鮮が証明したと主張している
「弾頭を目標に到達させるのに必要な大気圏への再突入の技術」は実証されていないなどとして、
アメリカへの脅威は限定的だという認識を示しました。


国際社会の動きは

日本・アメリカ・韓国は、北朝鮮に対し、
「3か国で、圧力を強化する」ことを 首脳会談で確認。


一方、中国とロシアは、圧力強化に慎重な姿勢を示しています。



ミサイル発射を受けて、5日開かれた国連安全保障理事会の緊急会合では、
アメリカが、軍事的な対応を排除しない姿勢を示した上で、
北朝鮮への石油の供給を制限することを含む、新たな制裁決議の必要性を強調。
日本も新たな制裁を支持したのに対し、
中国は「緊張緩和のため、無条件の対話に乗り出すべきだ」と主張。
ロシアも中国を支持したため、結論は出ませんでした。


7月2日放送

過激派組織ISの現状は

過激派組織ISが最も支配地域を広げたとされるのは、2015年はじめ。
イラク第2の都市モスルや、
ISが「首都」と位置づけるシリアのラッカなどを拠点に勢力を拡大しました。



しかし、各国の軍事作戦によって次々と拠点を失い、支配地域は最盛期の半分に減りました。
このうちイラクでは、最大の拠点だったモスルの奪還作戦が大詰めを迎えています。
奪還作戦は、シーア派主体のイラク軍が、
アメリカ軍が主導する有志連合の空爆の支援を受けながら、去年10月から進めてきました。
狭い地域に追い込まれたISは自爆攻撃など抵抗を続けていますが、
イラク軍は「作戦完了は間近だ」としています。


シリアでの対IS作戦は

ISが首都と位置づけるシリアのラッカでは、
制圧作戦を担うクルド人勢力主体の部隊が街を完全に包囲し、攻勢を強めています。
しかし、シリアでは、対IS作戦がこのまま進むのか不透明な情勢です。



ことし4月、アメリカ・トランプ政権は、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとして、
シリア軍の飛行場などを巡航ミサイルで攻撃。
アサド政権の後ろ盾となっているロシアは、これを侵略行為だと非難しました。
アサド政権をめぐるアメリカ・ロシアの緊張関係も続く中、
各国が協力して対IS作戦を進め、地域の安定化につなげていけるかどうかも、焦点となっています。


世界で相次ぐテロ “拡散”の背景は

今年に入りISやイスラム過激派との関係が疑われるテロが相次いでいるのが、ヨーロッパです。
5月に、イギリス・マンチェスターのコンサート会場で起きた自爆テロでは、22人が死亡しました。
また、イギリスやフランス、スウェーデンでは、
自動車を暴走させたり、刃物で切りつけたりといった身近にあるものを使ったテロが相次いでいます。


ISが東南アジアに 背景は

去年7月、バングラデシュの首都ダッカで、
日本人7人を含む22人が死亡するテロ事件が発生しました。
犯行声明を出したのは、ISのバングラデシュ支部を名乗る組織でした。
ISはいま、アジア各地で存在感を強めており、
ISを支持する武装勢力によるテロが、フィリピンやインドネシアで、相次いでいます。
中でもフィリピンでは、ISに忠誠を誓う地元のイスラム系武装勢力と
政府軍との間で5月から戦闘が続いていて、360人が死亡したということです。
武装勢力は、フィリピンにISの拠点を構築するという目標を掲げることで、
周辺国や中東から戦闘員を集め、組織力を高めていると見られています。


アメリカの“入国制限”について

トランプ大統領はことし3月、テロ対策として、
中東とアフリカの6か国の人の入国を制限する大統領令に署名しました。
その後、大統領令は、全米で執行が停止されていましたが、
先週、連邦最高裁判所が政権側の申し立てを部分的に認め、
一定の条件を満たす人を除き、執行されることになりました。


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