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ディレクター’sメモ

初回放送日:2019年7月12日(金)

ディレクター'sメモ

2018年6月からはじまった、ハナシティの“マダ友プロジェクト”。丸一年経過した2019年6月末時点で、7000通を超える手紙や返事が集まっています。「匿名の掲示板だからこそ、誰にも言えない悩みをはき出せる」人、そして、「かつて自分も同じ気持ちを味わったからこそ、誰かの悩みに返事で応えたい」人、そんな思いを抱えた様々な人が集まり、“支え合いの輪”がどんどん広がっていると感じています。

『いじめをノックアウト』で“マダ友プロジェクト”をテーマとして扱うのは、実は、今回の番組で4度目。過去3回、中学校で「手紙を書く授業」を行った『はき出せない悩み どうする?~マダ友との手紙~』、小学校で「返事を書く授業」を行った『友達からのSOS!あなたは何を伝える?』、そして、HP上で返事を書いてくれた大人に話を聞いた『ひとりで悩む友だち 支えるには?』を放送してきましたが、実際にHPに悩みを投稿してくれた10代の声を聞く機会は、なかなかありませんでした。しかし、
「悩みを送ってくれた10代が、マダ友からの返事をどう感じたのか」を聞くことで、
ネットで、あるいはリアルで、困っている友達のために何ができるかの、ヒントが見つかるのでは…
と取材を続け、ついに番組でご紹介することができました。
ここでは、今回ご出演いただいた、中学生(現在は進学して高校生)のなこさんと、中学生のりおさん、そして取材で出会った10代の声をご紹介することで、ネットで、あるいはリアルで、困っている友達にできることは?を考えるヒントにしていただきたいと思います。

■ネットで、困っている友達にできることは?
どこかに“共感”できるポイントがあれば、その人の言葉は心に響く ~なこさん(15歳)の話から~

電話で出演していただいた、15歳の“なこ”さん。取材した中でも一番気になったのは、なこさんが言った次のフレーズでした。
いじめられているとき、親とか友達が優しく声をかけてくれたのは嬉しかったけれど、自分のことを大切に思ってくれてる親とか友達が励ましてくれるのは、そのときの自分は「当たり前」って思っていました。(なこ/15歳)
いじめを受ける前はクラス委員も務め、友達も多かったというなこさん。クラスメートが次々と自分から離れていく状況を見て、「自分は、本当は他人にとって必要のない存在なのでは」と強い不安を感じていたそうです。その状況下では、親や友達の言葉が“単なる気休め”に聞こえてしまい、どんな言葉も心に響かなかったと話してくれました。
また、番組内でなこさんは、るーままさん(51歳/女性)の「気付かないふり」という言葉に影響されて大きく変わったと話していました。しかし実際には、なこさんのお母さんも、そして友達も、同じような趣旨の声かけはたくさんしてくれていたそうです。それでも、身近な人の言葉は届かず、顔も知らない“マダ友”の声は届いた…。なこさんにとって、「どんな言葉をかけてもらうか」よりも、「どんな人が声をかけてくれるか」が重要だったのだと思います。
親も友達も、私のことを思って励ましてくれてるのはわかるんですけど…。自分でもひどいとは思うけれど、やっぱり相手に対して「自分は体験したことないやん」って思ってしまう部分が少しあって…。(なこ/15歳)
返事をくれた“マダ友”は、なこさんと全く同じ体験をしたわけではありません。でも、決して長文とはいえない返事の中に、なこさんは、自分と似たような苦しみや共感を敏感に感じ取りました。
つらい経験というのは、全く同じ経験ではなくても、つらさという意味では、お互い響き合える部分があったりすることがある。それをなこさん自身が感じ取って、「つらい経験をした人の言葉は受け止められる」と感じたのかもしれません。(富田先生)
全く同じ経験をしていなくても、どこかに共感できるポイントがあれば、その人の言葉は心に響くのかもしれない…。相手の全てを理解していなくても、話のどこかに共感して言葉をかけていくことで、その相手を元気づけることはできるのかもしれない、と感じています。

■リアルで、困っている友達にできることは?
話を“最後まで”聞いてもらえたら、一番スッキリする ~りおさん(13歳)の話から~

スタジオで自分の思いを語ってくれた13歳の“りお”さんは、小学校3年生から現在まで、ずっといじめに苦しんできました。モサセカさん(13歳/男性)の返信をきっかけに、お母さんに気持ちを打ち明ける決心をしましたが、直前まで不安だったといいます。
前日もずっと眠れずに、「本当に話しても大丈夫かな」「否定されたりしたら、どうしたらいいんだろう」と悩んでいました。(りお/13歳)
取材でお会いしたりおさんのお母さんは、明るくハキハキとお話をし、それでいてこちらの話もよく聞いてくださり、とても話しやすい方でした。「それでも不安だったの?」という問いに、りおさんは答えてくれました。
普段はお母さんのほうが話が上手だから、話の途中でさえぎられることもあって、話したいことを最後まで言えないこともあります。でも、いじめのことを話したときは、「最後までちゃんと話を聞いてね」とお願いしたら、相づちを入れながら、最後まで聞いてくれました。(りお/13歳)
『相手の話をさえぎらず、最後まで聞く』というのは、簡単なようで難しい…。私も、日々の生活の中で感じることが多々あります。大人も子どもも毎日やることがたくさんあって、ゆっくり話をする時間も、聞く時間も少ないですよね。でも、だからこそ、りおさんのお母さんが話を聞いてくれた時の姿勢に、私たちがリアルで悩みを相談を受けたときのヒントがあるのでは、と感じました。

■自分では、友達を助けるのは難しい、と感じたら…
つらい思いを抱えている友達に、“マダ友プロジェクト”を教えてあげてください!

友達が悩んでいたら、助けてあげたいと思うのは、当然の心理だと思います。でも、なこさんやりおさんのように、身近な人の言葉が届かなかったり、悩みを抱え込んでしまう子もたくさんいます。今回取材に応じてくれた多くの10代からも、
「いじめを受けていることを親に知られると、逆に怒られそうで怖い」
「『あなたも悪いんじゃないの』『どっちもどっち』と先生に言われ、話を聞いてもらえない」
「悩んでいることを友達に知られるのが、恥ずかしい」
という声が多く聞かれました。「何か困っている、でも自分では助けられない」そんなときは、是非、“マダ友プロジェクト”を教えてあげてください。一人では難しくても、全国にいる“マダ友”と一緒に、つらい思いを抱えている友達を支えてあげてほしい。そうやって、“支え合いの輪”が広がっていけば、大変うれしいです。

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