平成24年度短歌選者紹介

来嶋靖生
(きじま・やすお)

1931(昭和6)年旧満州大連生まれ。

「槻の木」編集代表。窪田空穂、都筑省吾に師事。早稲田大政経学部卒業。歌集に『月』『葉』『梟』など。ほかに『大正歌壇史私稿』『中高年のための短歌入門』など歌書多数。現代歌人協会理事。

花山多佳子
(はなやま・たかこ)

1948(昭和23)年、東京生まれ。

「塔」選者。高安国世に師事。同志社大学文学部卒業。歌集に『樹の下の椅子』『草舟』『空合』『木香薔薇』(斎藤茂吉文学賞)ほか。

<楽しく気楽に>
幼い頃、読み手の母を囲んで兄弟姉妹で競い合った『百人一首』が短歌という形式に親しんだ初めです。
意味もわからずに覚えた歌でしたが、やがて自分も五七五七七で何か形にしてみたいと思うようになり、半世紀が過ぎました。一人一人の顔が違うように、短歌も詠む人によって一首一首違います。歌を通して皆さんの心に接し、親しく語り合いたいと願っております。短歌を愛し、楽しく、気楽に詠むことが第一です。

 

<関心のひろがり>
短歌が巧くなることも大事かもしれませんが、短歌を読んだりつくったりする中で、さまざまな物や人や言葉に関心が広がっていく、それが楽しいことだと思います。異なる時代、風土、考えや思いへの心寄せ。めぐりの対象への関心。植物図鑑をひらいてみたり歴史書を読んだり。言葉にも時代や人間が反映しています。さまざまな関心から、つくる歌もひろがると思うのです。


坂井修一
(さかい・しゅういち)

1958(昭和33)年、松山市生まれ。

「かりん」編集委員。馬場あき子に師事。
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。歌集に『アメリカ』(若山牧水賞)『望楼の春』(平成22年迢空賞)ほか。歌書に『斎藤茂吉から塚本邦雄へ』など。

佐伯裕子
(さえき・ゆうこ)

1947(昭和22)年東京生まれ。

「未来」選者、編集委員。近藤芳美に師事。学習院大学文学部卒業。歌集に『春の旋律』『未完の手紙』(河野愛子賞)『みずうみ』ほか、歌書も多数。

<歌ことばの力を信じて>
短歌という伝統ある文芸にようこそ。まさに今日からはじめる方も、すでにベテランの域にある方も、歌の世界では、これまで味わったものより一歩進んだ楽しみをもちたいものです。
五七五七七のリズムの中で、どういうふうに表現すれば言いたいことが効果的に言えるのか。作品の中でことばが力をもつことはどういうことか。じっさいに歌を作りながら、また例歌を味わいながら、いっしょに考えてゆきましょう。

 

<ことばを呼び覚ます>
五七五七七という定型には、体内に潜む記憶や感情、言葉を呼び覚ます力があるようです。そのことを楽しみながら、言葉を選び、積み上げ、また読み解いていけたらいいと思うのです。何十年も短歌を作ってきますと、新鮮な気持ちを失っている自分に気づき、寂しくなったりします。全国から寄せられる作品に刺激されながら、ともに新しい息吹を育んでいきたいと願っています。


濱中博久
(はまなか・ひろひさ)アナウンサー

今年度も引き続き担当します。