平成23年度俳句選者紹介

三村純也
(みむら・じゅんや)

1953(昭和28)年、大阪市生まれ。

「山茶花」主宰。下村非文・清崎敏郎・稲畑汀子に師事。
大阪芸術大学教授。句集に『Rugby』『蜃気楼』『常行』(俳人協会新人賞)、著書に『折口信夫事典』『大阪の俳人たち4』(共著)など。

有馬朗人
(ありま・あきと)

1930(昭和5)年、大阪府生まれ。

「天為」主宰、山口青邨に師事。
東京大学総長、文部大臣、科学技術庁長官などを歴任。句集に『母国』『知命』『天為』(俳人協会賞)『不稀』ほか。2010年文化勲章受章。

<俳句とは庶民の詩>
「人生とは何ぞや」「人生如何に生くべきか」といった、大きなテーマも、もちろん俳句の句材、題材になり得ます。
ただ、自然の推移の中に、ふと込み上げて来る、庶民の何でもない生活感情を、季題に託して呟くように詠むのに、より適した文芸が俳句だと、私は思っています。
 先師、清崎敏郎は「花鳥諷詠」の「花鳥」とは季題のこと、「諷詠」とは「定型」、つまり五・七・五という韻律のことだと、初心の私に諭してくれました。このリズムと季題を生かしきった句を期待しています。

 

<世界に誇る俳句>
詩人たちとその僅かな愛読者たちという、ごく少人数の人々だけではなく、きわめて多くの人々が作りかつ楽しむ俳句は、世界に誇るべきものです。それは俳句が短いからであり、自然を中心に詠むからです。この愛すべき俳句を皆様と共に楽しみたいのでどうぞよろしく。私は多作他捨主義です。そして何日かして一度、何か月かしてもう一度見なおして良いと思った句を残すという方針です。どんどんお作りください。御健吟を祈っております。


高野ムツオ
(たかの・むつお)

1947(昭和22)年、宮城県生まれ。

「小熊座」主宰。阿部みどり女、金子兜太の指導を経て佐藤鬼房に師事。句集『雲雀の血』『蟲の王』など。第44回現代俳句協会賞など受賞。

大石悦子
(おおいし・えつこ)

1938(昭和13)年、京都府生まれ。

「鶴」同人。石田波郷、石塚友二、星野麦丘人に師事。 句集に『群萌』(俳人協会新人賞)『聞香』『百花』『耶々』など。

<生きている「今」を十七音に>
今年度も皆さんとともに、たくさんの俳句を楽しむことになりました。どんな新しい出会いが待っているか、期待に胸を膨らませています。
俳句は平明で多くの人の共感を呼ぶことが大切です。同時に、その人ならではの世界が表現されていることも欠かせません。そのためには、自分の五官で感じとったものを信じ表現することが必要です。自分が生きている「今」を十七音に映し出しましょう。

 

<暮しの中から>
私の俳句の初学の師である石田波郷は、「俳句は生活の裡に満目季節をのぞみ、蕭々又朗々たる打坐即刻のうた也」という言葉を残しました。実に簡潔に俳句の本質を捉えていますが、特に強調したかったのは<生活の裡に>の一節ではなかったかと思われます。
俳句が我々の日々の生活の中から生まれるものであることは、波郷の頃も今も変わりありません。四季の巡りとともにある暮しから生まれた渾身の一句をお寄せください。


桜井 洋子
(さくらい・ようこ)アナウンサー

 

       



平成22年度俳句選者紹介

西村和子
(にしむら・かずこ)

昭和23年、神奈川県生まれ。「知音(ちいん)」代表。
句集に『夏帽子』(第7回俳人協会新人賞)、『心音』(第46回俳人協会賞)など。

著書に『虚子の京都』(第19回俳人協会評論賞)『添削で俳句入門』
『季語で読む源氏物語』『俳句のすすめ・若き母たちへ』などがある。

三村純也
(みむら・じゅんや)

昭和28年、大阪市生まれ。下村非文(しもむら・ひぶん)・清崎俊郎(きよさき・としお)・稲畑汀子(いなはた・ていこ)に師事。「山茶花(さざんか)」主宰。句集に『Rugby』『蜃気楼』『常行』(第26回俳人協会新人賞)、著書に『折口信夫辞典』『大阪の俳人たち4』(共著)など。芸能、民俗学などを専門とし、大阪芸術大学教授。

「俳句は多忙な人こそ楽しめる形式の文芸です。他人の作品を享受するだけでなく、みずから創作者になることができます。身のまわりの物事から詠みはじめましょう。日々の暮らしを大切にすることが豊かな人生につながり、身近な存在を愛することが生命の尊さを知ることに至ります。四季の恵みを深く意識し、日本語の豊かさを楽しみましょう。

さまざまな年代の人々の句と出会うことを期待しております。」

 

「花鳥諷詠とは、季題と定型を生かしきることです。自然の変化、また、日々の生活感情を、季題と十七音に託すことができれば、毎日の生活はもっと豊かになることでしょう。「季題の背景」というテーマでは、季題が成立して来た背景、つまり日本人がどんな気持で季題を詠み、心情を託して来たかを、古代へ遡って考えてみます。
みなさまには、一つの季題の伝統を受け継ぎながら、現代人としての斬新な作品をお寄せいただきたいと思います。」


高野ムツオ
(たかの・むつお)

昭和22年、宮城県生まれ。
「小熊座」主宰、河北俳壇選者。
阿部みどり女、金子兜太の指導を経て佐藤鬼房に師事。
著書に、句集『雲雀の血』『蟲の王』など。
第44回現代俳句協会賞など受賞。

片山由美子
(かたやま・ゆみこ)

昭和27年、千葉県生まれ。
「狩」副主宰。
句集に『水精』『天弓』『風侍月』など。
評論集『現代俳句との対話』『俳句を読むということ』、エッセイ集『鳥のように風のように』ほかの著作がある。
第5回俳句研究賞、第21回俳人協会評論賞などを受賞。

「どんなにささやかであっても、その作者ならではの感動や世界が表現されている俳句に期待します。自分の五感を信じ、今生きてある時空へ、五・七・五のリズムに乗せて言葉を解き放ってください。俳句を作ることは、もう一人の自分を発見することなのです。
 
また、俳句は、時代と分かちがたく結びついた人間の心や姿を自ずと映し出します。どんな俳句がどんな時代に生まれたか、皆さんとともに鑑賞していきましょう。」

 

「俳句には俳句らしさが必要です。それは古臭いことを詠むという意味ではありません。俳句は長い伝統をもつ形式ですが、現代に生きる私たちは現代の風景や生活実感を表現していかなければ、次代に俳句を伝えることはできないでしょう。
伝統のうえに立ち、俳句形式について、またことばのさまざまなはたらきについて考えたいと思います。

俳句固有の表現法を生かした作品に出合えることを期待しています。」


大沼 ひろみ
(おおぬま・ひろみ)アナウンサー

俳句通の皆さんはもちろん、ちょっと興味がある、国語の授業以来久しぶり、という方にも楽しんでいただける『NHK俳句』。私も初心者ですが、皆さんと一緒に楽しんでいきたいと思っています。4月からどうぞよろしくお願いします。

 
「俳人のことば」ナレーション
酒井 雄二
(さかい・ゆうじ)

昭和47年、愛知県生まれ。

ヴォーカル・グループ「ゴスペラーズ」のメンバーとして1994年メジャー・デビュー。
卓越した歌唱力で人気を博し、「永遠に」「ひとり」「星屑の街」「ミモザ」など、多数のヒット曲を送り出す。また「NHK紅白歌合戦」には2001年から6年連続出場。作詞・作曲を手がける中で、日本語特有の響きやリズムを追求している。2009年3月まで担当した「俳句の風景」の朗読に引き続き、4月からは「俳人のことば」でナレーションを担当