防災インタビュー今回のテーマは「防災士」についてです。
県防災士会の会長・久保雅和さんにお話しをお伺いします。
まずは今回のテーマ「防災士」ですけども、これはどういう資格なんでしょうか。
実際にどういったことが、求められる役割としてありますか。
「減災についての知識とか、技術ですね。それから地域の中でのリーダーをできるような技術を持った人を育てるために防災士制度ができたわけですね。」
「防災士の資格は、NPOの日本防災士機構が認定する民間の資格です。平成15年に第一回の試験が始まって、去年で10万人を突破しましたが、これからもっともっと増えると思います。」
では、その防災士の数ですけど、香川県にはどれくらいの方がいるんですか?
「香川県では認定者は1325人、防災士会の会員になっていただいている方は254人います。」
実際に防災士として活動されている方は254人ほど。この数は多いんでしょうか少ないんでしょうか?
「全国的には10万人を超えましたから、1000人に一人、香川県ではだいたい900人に一人ですから、全国平均よりはレベルはちょっと高いです。」
四国の中で見ると香川県はどうでしょうか。
「四国の中で見ると、愛媛県が一番多くて、7400人ぐらいいます。 ただ、香川県は支部ができ防災士が集まり、香川大学とか、行政機関で、県、国、市町に対して、一緒に共同になって連携して活動しているので、割合、活動の範囲としては広いですね。」
香川県は防災士会という組織として活動しているから強いというわけですね。
久保さんが会長を務める香川県防災士会の活動。その活動をこちらにまとめました。
まずは「防災訓練」、「啓発活動」、このあたりは想像できますね。そして、「学校防災アドバイザー」
学校でも活動をされている。そして一番下「地区防災計画策定支援」これは、どんな活動ですか?
「国、県、市町村、行政には防災活動の計画がちゃんと策定されています。地域についてはこういう事はできていなかったんです。国のほうが平成26年4月1日に、地域でも防災活動の計画を作ってください、自助共助をもとにした、防災活動の計画がないと、大災害が起きたときに、何もできない、ということで、自助共助をしっかりするために、防災活動計画を作ってくださいというお願いがあるわけですね。 」
防災士会としてはそのお手伝いをしているのですね。
「地域と一緒になって、 地区防災計画を作っていくようなことについて、 防災士がいなくても、 支援できるような体制を作っていこうと思っています。」
なかなかノウハウがない地域にも お手伝いしていくという形なんですね。
地域の中で非常に防災士が求められる時代だと思いますが、これから防災士になりたいと考えている方はどうすれば良いですか?
「毎年9月に香川大学で防災士養成講座という講座が開催されます。
その時に申し込んでいただき認定者に合格すると、市町村のほうからお金が返ってくるという制度があります。」
自治体のそうした制度もあり、香川大学でも受けられるということで、香川大学で行っている講座の主なものをまとめました。
「地震津波の仕組み被害」や「避難と避難行動」「防災気象情報」、「災害医療」、「緊急救助技術」など、こうして見てみましても非常に専門的だなという印象を受けるんですけど。
「私も講師をやっていて、実は講座は5カ月間あり、カリキュラムの内容が幅広いです。ですから、こういう技術を身につけて、ぜひ合格していただいて、認定をもらう。 認定をもらったら、そこからがスタートですね。」
実際にこの講座はどんな方が受けているんですか。
「私の記憶で一番小さい年少は小学6年生で、それから高齢は84歳の方までいらっしゃいます。 」
そこまで幅広い方が受けているということなんですね。
香川県防災士会を結成して今年で9年。
これから防災士になるという方、防災に興味がある方、どんな方に防災士になってもらいたいですか。
「防災士の認定を受けて、地域で頑張ってもらえる、リーダーとなれるような方に受けて頂いて、 地域、地区で自主防災会とかコミュニティとかで地域の人と一緒になって減災につとめていける方になっていただきたいですね。」
災害が起きるのは、時を選べません。様々な立場、職業、年齢の方が防災士になった方が、いざという時にたくさんの人が助かる可能性が高くなるということです。
そして香川大学の防災士養成講座は、例年9月に募集が始まり、10月から2月にかけて5日間の講座が開かれるということです。